
去年のちょうど今頃、ある大富豪のお宅にお邪魔する機会があった。その邸宅はまさに城と呼ぶにふさわしいモダンな設計の豪邸で、結婚式場と美術館とレストラン、ジムにプールにシミュレーションゴルフ場、さらにはカラオケとbarまでが併設しており、もはや個人の家というよりエンターテイメント施設のような建物だった。
招待してくれたのは、引退した元経営者。敷地内のすべてが規格外なため、疲れるほど驚愕の連続なんだが、なにより驚いたのは、彼自身が腕によりをかけた馳走がテーブルにずらり並んでいたことだ。料理も趣味のひとつらしく、キッチンもプロ顔負け、そんじゃそこらのレストランよりも充実した機材が設置されている。
5品ほどならんだもてなしの料理は、どれも手慣れた家庭の味を王道でいっている。特に気に入ったのはカブの切り漬けだ。鮮やかな色、パリパリと小気味よい歯ごたえで、箸が止まらない。なんて滋味なんだろう。つくりかたを尋ねてみると、
「こっちのカブとベーコンのとろとろ煮をつくったときに、皮が余るでしょ。それを塩もみしたんだよ」
とどめの驚嘆。ビジネスで大成功を収めたと話していたが、その手腕を垣間見ることができたような気がした。秘訣はこういう食生活にあるかもしれない。これを肴に超高級ワインがぽんぽんと空く。このギャップにすっかり酔ってしまった。
なんてことのない「カブの皮の切り漬け」だが、きっとこの料理は金運的にご利益あるに違いない。そうだ、「大富豪漬け」と呼ぶことにしよう。
今冬も、我が家ではおでん駅伝が始まっている。あらかじめ大根をたくさん煮ておいて、日々違った練り物を投入していくのが、おでん駅伝だ。
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もちろん、野菜の皮が大量に出る。それを細く切って塩で殺して、胡麻や柚子、昆布なんかを混ぜる。今年はカブも安いので、いろんな皮を混ぜたりもする。

麦飯に納豆と一緒に頬張ると、ヌメヌメとパリパリのハーモニーで、うっかり米をオーバードーズしてしまう。今日も今日とて、大富豪を夢見つつパリパリやっている。
野菜の皮の切り漬け改め、
大富豪漬け
材料
| 大根の皮 | 適量 | 野菜は好きなものを。3cmくらいのごく千切り |
| 大根の葉 | 適量 | |
| 塩 | 野菜の重量の2% | サラダ感覚のあっさりめの味付け。より漬物にするならば塩分を上げる |
| 胡麻 | 少々 | |
| 昆布 | 5cmほどを一枚 | 千切り |
| その他 | 柚子の皮、人参、生姜など好きな野菜を |
つくりかた
- 大根の葉は熱湯でさっと湯がき、色が変わったらすぐに冷水に放っておく。水気をよく絞って細かく切る。
- 野菜の皮をごく細く切る。
- 野菜の重量の2%の塩を混ぜ、重石をして2時間ほどおく。
- 軽く水気を絞った野菜に、大根の葉、胡麻や昆布などを混ぜ、もうしばらく馴染ませる。二日目が美味。(ポリ袋にいれて空気を抜いておくとより日持ちする。)
大根の葉は入れすぎると彩りのバランスが悪いので、菜飯に流用するのも吉。
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