シトロンコンフィ(Citrons Confit)とか、プリザーブドレモン(Preserved Lemon)と呼ばれている、かつて日本でも一世風靡した塩レモン。今年は気温がよかったのか、レモン自体がよかったのか、これまでになくうまく発酵してくれた。
漬けたのは在宅勤務初日の3月14日で、使い始めたのがGWに入った頃だった。顔ごと瓶に突っ込みたくなるくらいの豊潤な香り、箸でつかめないほど皮までとろりと軟らかい黄金の実。
ところでこの塩レモン、地域や人によってもつくりかたも様々だが、オーストラリアの料理家 Tonya Jennings は3つの方法を紹介している。
ざっくりいうと、
これまではモロッコ式でつくっていたのだけれど、失敗することがままあった。いま思えば、レモンの種類や個体差によっては果汁が少ないものもある。そうなると発酵する前に乾いてしまってただのしょっぱいレモンになったり、レモン果汁があがる前にカビが生えてしまったり……などなど取り返しのつかない事態になることもしばしば。
漬け込むレモンとは別に、果汁を注いでおけばよかったのかもしれないが、当時は国産レモンを手に入れるのも大変だったし、なにより高価だった。
そこで心機一転、フランス式に切り替えた。はじめからレモンが漬け汁に浸かっているので、乾いてしまうことはない。カビが生えることもない。これなら気軽につくれる。必要なのは時間だけだ。
丸ごと塩漬けレモン〜シトロンコンフィ
材料
レモン | 4個 | 無農薬のメイヤーレモン |
つぶ状の粗塩 | 大さじ12 | MORTON COARSE SALT。大さじ1で20gだった |
熱湯 | 適量 | |
保存瓶 | 1リットル | 熱湯消毒する |
保存瓶はアデリアの低型使用。野菜室にも入るので重宝している。
つくりかた
- レモンはよく洗って乾かしておく。
- レモンの端を切り落とさないように、四つ割り、レモンの大きさによっては六つ割りにする。
- 四つ割りにしたレモンを指で開いて、大さじ2の粗塩を挟み込み、切り込みを下にして瓶に詰めたら、レモンとレモンの隙間を埋めるように大さじ1の粗塩を加える。
- レモンで瓶がぎゅうぎゅうになるよう詰め込んでいく。熱湯を入れたときに浮いてこないように詰め込むのがコツ。
- 熱湯を注いですぐ蓋をしめる。もしレモンが浮いてくる場合は落としぶたをする(私は割愛した)。しばらくは毎日、瓶ごと天地をひっくりかえしながら、一カ月以上常温で発酵させる。
発酵してくると、レモンの色は鮮やかな黄色から深みのある山吹色になる。漬けはじめは浮きがちだったレモンもしっかりと液体に沈むようになった。
さっそくにタジンに入れてみたけれど、やっぱりうまい。生のレモンとは別物のまろやかさ。皮はまるで梅干しのような存在感で、ちょっとかじって肉を食べると最高だ! 漬け汁もいい香りなので、肉のマリネにも使える。このままではあっという間に使い切ってしまいそうだから、夏本番を迎える前に、もうひと瓶仕込んでおくかな。