mogu mogu MOGGY

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時速1kmの思考

魚貝

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

一回目のワクチンが終了した。横浜市の予約サイトはコロナ禍の生活なかでいちばんストレスフルかつ残念な出来映えだった。 よく政治家が、国民にご不便をおかけして申し訳ないと陳謝しているが、このサイトは最たるものだと思う。これでデジタル庁を立ちあげ…

しめサバを愛でる

しめサバを好きになったのは、30代もなかばすぎたころだ。 兵庫の山奥に住んでいた祖母は、かつて年に数回サバの棒寿司を送ってくれた。きっと得意料理だったんだろう。いや、もしかしたら東京で暮らす母の好物だったからなのかもしれない。田舎ならではの気…

カマスは炙った皮が旨い

幼少のころからサンマよりカマスに肩入れしていた。サンマを買おうとする母をなんとか思いとどまらせるべくあの手この手で引き留め、それでもダメならなんとか自分の分だけでもカマスにしてくださいと懇願するほど、私は生粋のカマス派である。サンマの放つ…

魚屋のおばちゃん推し「ホウボウは天ぷらにせよ!」

さっさと仮住まいから脱却したい思いとは裏腹に、新居探しは難航している。 土地勘のある宮古島とかグアムなんかに移住してみたいが、家人の仕事の状況からしてさすがにそこまでは踏み切れず、とにかく東京へのアクセスがよいところ、海が見えるところ、安く…

超バリバリ系フィッシュ&チップス

天候が悪い日、そして市場が開いていない日に地元のスーパーに並ぶのは、宮城産の皮なしタラ。そんな日の夕飯はフィッシュ&チップスのフィッシュに決まりだ。イギリスの、飯はまずいし天気も悪いのは長いこと世界の定評であったから、旅先にイギリスを選ぶ…

切り落としのマグロめかぶ丼

マグロめかぶ丼マグロの切り落としに出会うと秒速でカゴに入れてしまいがちな人生だ。先週末に三崎港で求めた本マグロの切り落としパックも、大トロ、中トロ、赤身などバライティに富んだ部位がはいっていて、たいへん満足のいく夕食となった。ただごくまれ…

もはやフグ超え? カワハギ【皮剥】の刺身

「ヘタな河豚よりカワハギのほうがうまいよ」と教えてくれたのは御年70になる板長だった。二年前に、醤油でといたカワハギの肝をフグ刺しにつけて食べさせてくれたが、たしかにうまいフグよりもカワハギの肝にやたら感動したのを覚えている。以来、虎視眈々…

カワハギの唐揚げ

数年前、東急ストア五反田店で青森県産の下処理済みのカワハギが売られているのを見て目を見張った。 驚いたのはその大きさで、頭を取り除いた全長が人差し指一本に満たない。このサイズではいわゆる雑魚の部類にはいってしまうだろうこのカワハギを、捌いて…

戯れの極小アジフライ

頭から尾までの長さは手の平サイズの鯵が特売だった。さっそく南蛮漬けにしようと意気込んでいたものの、帰宅した途端に膝からがっくりと崩れ落ちる。iPhoneの万歩計を見れば10000万歩越えである。ちょっと風邪っぽいときに不用意に熱を測ってしまい、予想以…

エボダイの姿揚げと骨煎餅

筑地市場にて筑地で一目惚れしたエボダイ。体長15cmくらいの小さなものだったが、愛くるしいつぶらな瞳から放たれるその眼差しから目が離せなかった。ややピンクを帯びたメタリックの輝きは携帯の最新機種のようにも見え、値は張るものの期待感が先走る。調…

渾身の焼鮭

「鮭の皮の焼き方がいつも甘いんだよ」 イラッとしながら"いつも"聞こえないふりを貫いて数年は経過している。そもそも魚・肉全般の皮を苦手としている自分にとって、鮭の皮をパリパリに焼くこと自体、あまり興味のないの人生だった。アイヌの人々は鮭を「カ…

生鮭を塩鮭に

焼いた塩ジャケとご飯が食べたいという家人の要望を受け、近場のスーパーへ走る。海洋深層水仕立てが売りの塩ジャケはペラっとした切り身二枚で600円。野菜も高騰するなか、青息吐息である。海洋深層水が塩ジャケにどのような作用を与えるのか不明のまま、ふ…

バスク風あさり飯

「シールがついている品はどれでも3つで1000円」 という文句に誘われて、引きよせられるように駆け寄った鮮魚コーナー。目を皿のようにして片っ端から高速で商品と価格をチェックしていく。 店側としても収益を確保すべく、たいしてお得でもない品もまんべん…

夏を盛り上げるトビウオ団子うどん

一駅歩いて隣町のスーパーまで見廻ったところ、カゴに飛び込んできたのは山口県産のトビウオ、一尾130円という破格であった。備忘録によれば毎年この時期はトビウオを買っており、芸もなく毎度刺身にしているようだ。トビウオというと関東ではあまりメジャー…

報われない穴子ざく

やる気が一ミリも出ない週末。台所に立ちたいとは思っているものの、体がまったく言うことをきいてくれない。居間にヨガマットをしき、枕で首を固定して毛布にくるまりながらKindleと携帯を交互に眺めては目をつぶり、無為に時間だけが流れていく。だがしか…

江戸前風漬けマグロ

コロナの余波で大きく変わった食卓の情景。飲食店の営業もいまだ本調子とはいかず、漁業者も獲れた魚が売れない悪循環が続いている。 魚の需要が激減するなか、東京魚市場買参協同組合がはじめたのが魚の無料配付という大胆なキャンペーンだ。組合の加盟店の…

カタプラーナで真だらとメイクイーンのタジン

久しぶりにカタプラーナ登場。カタプラーナはポルトガルで使われる伝統的な鍋で、二枚貝のようなドーム状の調理器具だ。 タジン鍋とその調理の構造は似ていて、ドーム状の蓋に水分をたくわえ、熱によって水蒸気が対流し、食材が蒸される仕組みだ。ポルトガル…

久米島産もずく酸辣湯

酸辣湯は、具だくさんの味噌汁…酸っぱい豚汁のようなものだと解釈してみると、すごく身近な中華料理のひとつになった。 スープの味さえ決まれば、具材なんて好きなものをどんどん加えていけばいいだけ。もずく酸辣湯を作り始めたのは、久米島出身の沖縄料理…

1.5kgの真鯛で何種類の料理がつくれるか!? 勝手に鯛チャレンジ!

ゴールデンウィーク真っ只中の5月5日、静岡県産・養殖の真鯛が1580円で売られていた。量ってみるとの1.5kgのなかなかの大物。そして、とんでもなくお安い。 買うべきか、買わざるべきか……一瞬悩んだものの、反射的にカゴに入れてしまった。はたして腐らせて…

ツブ貝とグリーンピースのアヒージョ

グリーンピースはたいてい翡翠煮にしてしまうけれど、せっかくたくさんもらったんだから試してみよう。緊急事態宣言は延長され、時間とグリーンピースだけはたっぷりあるじゃないか。今回は油で煮る。つまり、スペイン名物アヒージョだ。ガーリックオイルで…

板長、本気の河豚の煮こごり【ゼラチンと寒天の科学】

初めて河豚の煮こごりを食べたときの感動は忘れがたい。まるで一口サイズの水族館。ぷるぷるむっちりしたフグのゼラチンが口の中でするりと溶けていく。「これが(市販の)ゼラチンを一切使わない正式の煮こごりだよ」と板長がいうのも、最近は河豚をケチっ…

チャーハンを家庭でつくるコツ【本気のカニチャーハン】

ようやく念願のカニチャーハンにありつけた。カニの身をほじくる時間に比して、食べている時間はあっという間だけれど、そんな苦労なんて忘れてしまうほど中毒性がある。 konpeito.hatenablog.jpパラパラの米粒に埋もれているカニ・カニ・カニ。どこを掘って…

カニ味噌ニョッキ

一昨日はニョッキを仕込み、昨日は500円のカニを解体。ようやく料理の段階まで辿り着いた。 最近まったく外食もしていないし、ここは思い切ってどーんと一杯使ってやろうか! と意気込んでいたが、まだ脳裏にはカニ炒飯がちらついている。あぁ、どちらも捨て…

篭城じゃ。カニをほじれ!

新型コロナの外出自粛によって都知事から「買い物は3日に1回」というおふれが出て数日。 「一週間の献立を決めておく」「買い出すものをメモしておく」というごもっともな賢者の意見に頷きつつも、想定外な食材に出会ってしまい、献立が狂ってしまうことは、…

サヨリ【細魚】をまるごと食べる

春一番が吹く少し前、店頭ではサヨリ(細魚)が銀色に輝いていた。長く伸びた下顎が紅に染まり、「海の貴婦人」という別名が実にそれらしいが、「さよりのような人」と言われたら、見かけによらず「腹黒い人・女」という意味になってしまうから日本語は面白…

てっぱいに にんじん大根 春の味

先日紹介した春子鯛の酢締め。酢でしめてから一枚ずつラップでぴっちりくるんで冷凍しているので、晩酌のつまみに重宝している。konpeito.hatenablog.jpとはいえ、いつも土佐酢ばかりじゃ飽きてしまうので、今回は目先を変えて、「てっぱい」をつくることに…

春のヤリイカ三昧

産卵期にはいったせいか、ヤリイカがよく出回っている。冬を代表する高級イカがお手頃価格となれば、飛びつくしかない。春のヤリイカ三昧と銘打って、せっせとイカを解体するのだ。ところで以前、スーパーの魚屋で、「ヤリイカ」と表示された「スルメイカ」…

なぜふきのとうは苦いのか? 

「なんでふきのとうが苦いのか、知ってる?」 「冬になまりきった身体を起こすため、かと思っていました。冬眠から覚めた熊とか食べるとか?」 「うーん、きっとそれもあるだろうね。これはお客さんから聞いた話なんだけど・・・・・・」 苦味という成分は、身体に…

あら酢で締める、春子鯛の酢〆

春がきそうでまだ冬。そんなときに店にいったら、メニューの黒板にひときわ気になる文字が・・・・・・春子鯛。「しゅんこだい? ください」 「冗談でしょ? かすごだよ〜!」と他の客たちの前で大恥をかいて、目の前にでてきたのがこちらの一品である。この淡い色…

ペーストを使わない本格トムヤムクン

酸っぱくて辛い、タイを代表する海老のスープ、トムヤムクン。 トムヤムクンという料理を日本にここまで浸透させたのは、やはり日清のトムヤムクンヌードルの功績は無視できない。あれ、かなりレベルが高くて、一時期は生産が追いつかなかったそうだ。いまで…