魚貝
七夕。イオン熱海店の特売は、シイラの刺身だった。 漢字では、魚へんに暑いと書いて鱪、もしくは鬼頭魚などと書く。角が生えたような頭でっかちの魚で、ふだんは南の海に生息しているが、産卵を控えた季節、つまり夏になると日本の近海にやってくるという。…
カスベを見るたびに、いつかフカヒレに昇格させてあげたいなと思っていた。 カスベとはつまり、エイヒレのことだが、同じヒレにもかかわらず、その価格は月とすっぽん、雲泥の差だ。北海道ではメジャーな食べ物で、紋別で世話になった知人の奥さんは、骨まで…
かに飯なのかヤドカリ飯なのか、いまだに謎店頭では異彩を放っていたんだが、連れ帰ったらややキモいなという印象だったハナサキガニ。GW中に花咲蟹飯と洒落こもうという目論みだった。ハナサキガニの概要を所々からかいつまむとこうある。 ・旬は夏(7~9月…
伊豆山の魚屋・魚久で熱海製麺の生ラーメンをみつけた刹那、貯金を全額ひきおろす時がきたと確信した。 konpeito.hatenablog.jp冷凍貯金しておいたのは、チダイが7尾に、ホウボウが1尾のアラをこんがり焼いたものだ。熱海では金目鯛ラーメンが名物なので、チ…
週に一度は、新聞やペットボトルといったリサイクル系のゴミを捨てに、湯河原のスーパーを訪れることにしている。ゴミを捨てるだけでポイントが溜まるというシステムが、自称ポイント乞食である家人のガッツに火をつけてしまったのだ。通常運転なので諦めつ…
マン腸のトリッパマンボウの腸に再会したら、試してみたい料理があった。 トリッパだ。ハチノスをトマトベースで煮込んだこのイタリア料理は、時間がかかるものの簡単で酒にも合うゆえ気に入りの惣菜のひとつだが、ハチノスを手に入れるのが一番の難関であっ…
快力騒々しいカエルの合唱で目が覚めた。まだ5時前だ。猫が窓の外をじっとり眺めているので覗いてみたら、小鳥とは言えぬ、じゃあ中鳥か、くらいのサイズが数羽、喋りまくっていた。とにかくやかましい。 「茶色・鳥・うるさい」で検索してみると、正体はす…
マンボウのペペロンチーノ未知との遭遇。熱海に移住してからは目を皿のようにして商店の棚をチェックしている。 目新しい食材に出会うのは楽しいものだ。「地物」シールが貼ってある魚と出会ったときのあの胸のときめき。時間も忘れて観察するのが移住後の新…
キンキのアクアパッツァアルミパンでアクアパッツァをつくると、魚の皮がはがれてしまい見た目がボロボロになって困るという記事を書いたことがある。 konpeito.hatenablog.jp当時はその解決策を4つほど提案していたが、このほどもっと完璧なやり方を見つけ…
ち鯛532円@小田原明日の土曜日、友人が来熱する。隅から隅まで、掃除などせねばならない。庭の手入れもせねばなるまい。飯もつくらねばならない。酒も調達せねばならない。 にもかかわらず、なぜ魚を買ってしまったのだろう。 こんな時に限って、魚が安いの…
熱海の老舗、村越魚店で求めたアンコウ500円。店主いわく、最近とれなくなってきているそうだ。 無茶苦茶キレイな白い身で、肝もたっぷり。どう調理したってうまそうだが、悩んだ末に、本日はクロアチア風のスープ仕立てに。目指せ熱海名物!つくりかたは以…
古本屋にて二束三文で投げ売りされていた『改訂 調理用語辞典』が読み物としてなかなかに乙である。全国調理師養成施設協会が編纂したもので、和洋中、エスニック料理、食品や栄養、食文化など、調理師に必要とされるありとあらゆる知識を列記されており、写…
金目鯛の干物炊き込みご飯天気のあまりよくない日にときどき開催されるスーパーの干物祭。本日は金目鯛、ホッケ、アジという王道のラインナップで、どれを選んでも3尾1000円である。魅力的なのはがぜん金目鯛だ。なんせ丸の金目鯛はサイズにもよるがだいたい…
茶碗蒸しよりイージーな自家製豆腐をアレンジここのところ茶碗蒸しが続いていたので、久々にアレをつくろうと思い立つ。以前も紹介した豆乳をつかった自家製豆腐だ。konpeito.hatenablog.jpこの自家製豆腐がいいのは、味付けなし、出汁いらず、適当に蒸せば…
ノドグロ飯近所の魚屋で見つけたのは島根県産のノドグロ。普段は手がだせない高級魚が、あろうことか4尾で400円だ。ラスト2パックだったが、残っていたことがミラクルである。それにしてもなんだか既視感があるノドグロだ。 はるか遠い夏祭りのある日、友人…
【秋の炊き込み飯祭り】カマス飯今日も今日とて、買い出しだ。 が、今日はちょっとだけいつもと違う。湯河原まで足を伸ばしたのだ。 というのも、熱海に家を買ってしまったからだ。昭和8年築の平屋で、海ビューつき、茶室つき、温泉つき、という変わった物件…
一回目のワクチンが終了した。横浜市の予約サイトはコロナ禍の生活なかでいちばんストレスフルかつ残念な出来映えだった。 よく政治家が、国民にご不便をおかけして申し訳ないと陳謝しているが、このサイトは最たるものだと思う。これでデジタル庁を立ちあげ…
しめサバを好きになったのは、30代もなかばすぎたころだ。 兵庫の山奥に住んでいた祖母は、かつて年に数回サバの棒寿司を送ってくれた。きっと得意料理だったんだろう。いや、もしかしたら東京で暮らす母の好物だったからなのかもしれない。田舎ならではの気…
幼少のころからサンマよりカマスに肩入れしていた。サンマを買おうとする母をなんとか思いとどまらせるべくあの手この手で引き留め、それでもダメならなんとか自分の分だけでもカマスにしてくださいと懇願するほど、私は生粋のカマス派である。サンマの放つ…
ホウボウの天ぷらさっさと仮住まいから脱却したい思いとは裏腹に、新居探しは難航している。 土地勘のある宮古島とかグアムなんかに移住してみたいが、家人の仕事の状況からしてさすがにそこまでは踏み切れず、とにかく東京へのアクセスがよいところ、海が見…
天候が悪い日、そして市場が開いていない日に地元のスーパーに並ぶのは、宮城産の皮なしタラ。そんな日の夕飯はフィッシュ&チップスのフィッシュに決まりだ。イギリスの、飯はまずいし天気も悪いのは長いこと世界の定評であったから、旅先にイギリスを選ぶ…
マグロめかぶ丼マグロの切り落としに出会うと秒速でカゴに入れてしまいがちな人生だ。先週末に三崎港で求めた本マグロの切り落としパックも、大トロ、中トロ、赤身などバライティに富んだ部位がはいっていて、たいへん満足のいく夕食となった。ただごくまれ…
「ヘタな河豚よりカワハギのほうがうまいよ」と教えてくれたのは御年70になる板長だった。二年前に、醤油でといたカワハギの肝をフグ刺しにつけて食べさせてくれたが、たしかにうまいフグよりもカワハギの肝にやたら感動したのを覚えている。以来、虎視眈々…
数年前、東急ストア五反田店で青森県産の下処理済みのカワハギが売られているのを見て目を見張った。 驚いたのはその大きさで、頭を取り除いた全長が人差し指一本に満たない。このサイズではいわゆる雑魚の部類にはいってしまうだろうこのカワハギを、捌いて…
頭から尾までの長さは手の平サイズの鯵が特売だった。さっそく南蛮漬けにしようと意気込んでいたものの、帰宅した途端に膝からがっくりと崩れ落ちる。iPhoneの万歩計を見れば10000万歩越えである。ちょっと風邪っぽいときに不用意に熱を測ってしまい、予想以…
筑地市場にて筑地で一目惚れしたエボダイ。体長15cmくらいの小さなものだったが、愛くるしいつぶらな瞳から放たれるその眼差しから目が離せなかった。ややピンクを帯びたメタリックの輝きは携帯の最新機種のようにも見え、値は張るものの期待感が先走る。調…
「鮭の皮の焼き方がいつも甘いんだよ」 イラッとしながら"いつも"聞こえないふりを貫いて数年は経過している。そもそも魚・肉全般の皮を苦手としている自分にとって、鮭の皮をパリパリに焼くこと自体、あまり興味のないの人生だった。アイヌの人々は鮭を「カ…
焼いた塩ジャケとご飯が食べたいという家人の要望を受け、近場のスーパーへ走る。海洋深層水仕立てが売りの塩ジャケはペラっとした切り身二枚で600円。野菜も高騰するなか、青息吐息である。海洋深層水が塩ジャケにどのような作用を与えるのか不明のまま、ふ…
「シールがついている品はどれでも3つで1000円」 という文句に誘われて、引きよせられるように駆け寄った鮮魚コーナー。目を皿のようにして片っ端から高速で商品と価格をチェックしていく。 店側としても収益を確保すべく、たいしてお得でもない品もまんべん…
一駅歩いて隣町のスーパーまで見廻ったところ、カゴに飛び込んできたのは山口県産のトビウオ、一尾130円という破格であった。備忘録によれば毎年この時期はトビウオを買っており、芸もなく毎度刺身にしているようだ。トビウオというと関東ではあまりメジャー…