焼いた塩ジャケとご飯が食べたいという家人の要望を受け、近場のスーパーへ走る。
海洋深層水仕立てが売りの塩ジャケはペラっとした切り身二枚で600円。野菜も高騰するなか、青息吐息である。海洋深層水が塩ジャケにどのような作用を与えるのか不明のまま、ふらふらと生鮭のコーナーへ流れる。
昨今はチリ産が鮭売り場を占めており、それより高額でノルウェー産のアトランティックサーモンが並ぶ。
国産では宮城県の養殖が安パイ、時期によっては北海道のものもあるが見あたらず、決めてに欠けるラインナップだったのであえなく塩鮭コーナーに逆流。
海洋深層水鮭で手を打とうとした瞬間、山積みされた隅のコーナーに目が留まる。乱雑に積まれた魚たちはドリップが漏れそうなパックもあり、捌きがまずいのか鯛アラは緑に変色。屍臭漂う、ホラー映画顔負けの死体安置所。
もう少しきれいに並べたらいいのにと、やるせない気分になる。ジェンガよろしく慎重に山を崩すと、宮城県産の生鮭アラが埋もれているではないか。驚愕の300円、奇跡的に状態も悪くない。反射的にカゴに入れる。当たりが見えた福袋は最後のひとつだった。
さっそく3%の塩水と砂糖を入れて鮭をつけ、一番だしをとった後の二番昆布で蓋をして冷蔵庫で一晩寝かせる。
この一連をSNSに投稿したところ、あるフォロワーから質問があった。
「なぜ砂糖を入れるのですか?」
ローストチキンも塩と砂糖をつかったブライン液につけてるんですが、塩分の入りすぎを防ぎ、焼いたときのメイラード反応(焦げ付き具合)もきれいになりつつ身はジューシーに仕上がります。
しめ鯖でも砂糖で締めてから塩で締めるやり方がありますが、おそらく砂糖と塩の分子の大きさの違いと、砂糖のほうが水に溶けやすく(親和性)、保水&脱水作用があるので、食品に適度な水分を保ち、焼いたときジューシーに仕上がります。
人間でもポカリスェットを飲むと吸収されやすいのと一緒かなぁ。専門家ではないので、こんな答えですみません。
あくまでこれは、科学に基づかない私見である。ちなみに、塩は粗塩を使い、砂糖はきびで、塩の半量を目安にしている。
3%の塩分だと、塩っ辛い鮭というより、はんなりとした塩加減になり、鮭の旨味がよくわかる。塩分がほしくなる真夏日なんかは、4〜5%くらいでもいいかもしれない。
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