
熱海の梅雨は恐ろしい。数カ月前に切ったとおぼしき庭の草木は、ぐんぐうんと伸び、和室の窓をあけると、そこは雑木林であった。青い柿の実はいつのまにか子猫の頭ほどになった。切っても切っても伸びてくる恐るべき生命力に、もう丸腰では対抗できないことを痛感する。
誕生日に買ったのは、プロ御用達を冠した長い枝切りバサミだ。誕プレとしてはド渋だが、切れ味には満足だ。なにより不明な虫蠢く藪に手を突っ込まなくて済む。さらに電動のハンディチェーンソーも追加した。熱海市の条例によれば、伐採した木を可燃ゴミとして捨てるには50cm以下に刻まなければならない。これを手作業でやるとなると、もはや何かの刑に処されているに等しく、炎天下のもとでは生命の危機すら感じるほどであった。
玉のような汗を滴らせながら日々1時間ほど作業にあたっているが、こういった生活を続けるとやはり肉を欲するようになるらしい。とにかく肉が食いたい。だがもう握力も気力も知力も残っていない。疲れ果てている。
〆はパスタで決まりだ。北海道は噴火湾からウニが届いているのだ。さて、薄切り肉でイタリアンに方面に舵を切るにはどうしたらよいものか・・・・・・。たとえばカルパッチョみたいなもの。そうだ、バーナーで炙ってしまおうか。身も心も、台所も暑苦しくならない最適解だ。
以上だ。


コツなどないが、塊肉を使っていないので衛生面的には注意喚起しておくべきだろう。
- 信頼できる肉屋でちょっといい肉を手に入れる。
- 火はしっかり通す。
薄い肉とレタスを交互に咀嚼して、体力の回復を目指す。レモンをちょっと搾れば、いくらでも食べられる炙り牛だ。
残ったら翌日はサンドイッチ要員になるが、これがまた最強に絶品だ。ハンバーガーとケバブサンドのいいとこどりとでも言っておこう。

10枚切りのパンを2枚、一枚にはとろけるチーズを、軽くディジョンマスタードを塗ったもう一枚のパンに肉をのせて軽く焼き、温まったら好みの生野菜をのっけて、マヨネーズをたっぷりかけてサンドする。トマトを入れるなら少し塩をしておくと、滲み出すジュースがいいソースになる。肉は薄切りなので歯切れもよく、腹持ちも抜群。腹ごしらえを済ませ、また木こりに戻る生活だ。