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時速1kmの思考

酒飲みによる、酒飲みのためのいなり寿司②

鳥牛蒡飯のいなり寿司

家人の会社で感染者がでた。数ヶ月ぶりの、二人目である。東京の感染者が200人を超えた時点で危ないとは思っていたが、予想を裏切らない事態である。

すっかり在宅勤務が板に付いた家人といえば、「7月いっぱい出社しない」という旨を会社にはっきり伝え、憑きものが落ちたような清々しい様子だが、7月いっぱい献立のやりくりのことを思えばこちらは白目をむく境地である。
ここ最近は、確実に献立企画能力が破綻しはじめているようで、ある日の夕飯は肉豆腐にボンゴレスパゲッティという甚だしくとっちらかった取り合わせとなり、もはや和洋折衷とかいう言葉の範疇を超えているため、ボンゴレに紫蘇を加えてむりやり和の方向へ向かわせることでつじつまを合わせる。
メンタルの疲れが食卓の情景に異変をもたらしており、「そうそう、この味が食べたかったんだよねぇ」とうそぶいてみたものの、やはり食い合わせが悪かったらしく、胃がしくしくとしている。


いきがかり上、昼食は先日大量に炊いた油揚げを消費することにする。
かわりばえしないきつねうどんだけでは足りないと判断し、例の「酒飲みによる、酒飲みのためのいなり寿司」でもって首尾良く丸め込む腹づもりだ。

といっても、寝起きで酢飯をつくる若さも計画性も持ち合わせておらず、数日前に炊いて冷凍しておいた鳥牛蒡飯を忍ばせて体裁を整えることになる。
一般的な大きさの、半分の半分の油揚げに入る米は、小指の第二関節くらいであった。目論見通り、ちょっとつまみたい酒飲みにとって理想型のいなり寿司である。

鳥牛蒡飯のいなり寿司

朱塗りの弁当箱に詰めてみると悪くない景色だったが、なにか足りない…冷蔵庫をあさってみると母の紅生姜が目に止まる。みじんにして、稲荷に載せる。口に含んでみると、紅生姜が抜群の仕事をしており、まぁ心配したってなるようにかならんわなと吹っ切れる。

鳥牛蒡飯のいなり寿司

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