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時速1kmの思考

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

一回目のワクチンが終了した。横浜市の予約サイトはコロナ禍の生活なかでいちばんストレスフルかつ残念な出来映えだった。
よく政治家が、国民にご不便をおかけして申し訳ないと陳謝しているが、このサイトは最たるものだと思う。これでデジタル庁を立ちあげようなんて大丈夫か?と訝しんでいた矢先、そのトップが有料写真を無断掲載しているズッコケぶりである。もうAIとかITとか横文字以前の話である。
まあいい、話を戻そう。

正直、接種会場へ出向くのも気が進まなかったが、実際はトヨタ式流れ作業のように接種は進み、会場へ入ってからから出るまで、ちょうど30分だった。
医療従事者はもちろんのこと、会場内が混乱せぬよう動線をしっかり管理しているスタッフの皆さんには頭がさがる。

翌日、接種した左腕がじくじくと痛み出す。寝返りをうつにもオッ!と声が漏れてしまうほどだ。晩飯は惣菜で済ませるかと、買い出しにでる。

ところが、あろうことかそんな日に限って天然の真鯛が破格の990円。さすがに今日はまずいとスーパーを一周して気を落ち着かせるものの、やはり気になる990円。

この魚屋は氷を敷いた桶に丸の魚を陳列する様式で、顔を左にしてやや魚のボディが重なるように美しくディスプレイしてある。これはお触り禁止という無言の圧力である。
となると魚の顔と推定全長だけで選ぶことになる。

天然の真鯛には時折タイノエと呼ばれる寄生虫が口の中に住みついている。まさに未知との遭遇で、初めて当たった時は出刃で指を切り落としそうになった。出会い頭にエイリアンはひるむ。
つがいで寄生しているので昔は縁起が良いとか言われていたし、タイノエにも何かしらの生存意義があるだろうが、実際気持ちの良いものでもなく、寄生された魚の方も栄養をとられてしまう。

つい先日、TVでミシュランレストラン御用達の目利きの魚屋が市場で魚を選定しているシーンを見たばかりだった。たしか「魚は顔で決まります。小顔がいい」「顔が痩せているのはタイノエが寄生している可能性がある」というようなことを話していた。
小顔と痩せ顔をどう見分けるかは素人にはさっぱりだが、彼はさらに魚の肛門に指を突っ込んで匂いを嗅ぎ、鮮度を確かめる念の入れようだった。
さすがにお触り禁止のこの魚屋で、タイの肛門に指を突っ込むわけにもいかず、たとえ突っ込めたとしても鼻利きするのはそれこそ不可能であろう。

ということで、推定全長が大きそうな、目が合った真ん中のタイの頭を引っ掴んだ。

左腕が上がらず末期状態のなか、とりあえず内臓だけは取っておこうと気力をふりしぼる。
タイノエはおらんかった。さて、飯をつくろう。
とにもかくにもワクチン1回目が終わり、めでタイ。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

タイを三枚におろし、骨と昆布、酒で出汁をとる。くわしくはこちらを参照いただきたい。
konpeito.hatenablog.jp

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

出汁を漉す。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

骨から身をちまちまと取り出す。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

本シメジは薄切りする。このまま炊き込んでもいいが、今回は少しだけシメジに味をいれておくことにした。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

魚出汁:薄口醤油:みりんを8:1:1の割合で沸かして、シメジさっと煮る。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

鍋ごと水をはったボウルにつけて味を含ませる。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

シメジを水切りする。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

シメジを炊いた汁に魚出汁を加えて、2合分の分量にし味見。吸い物をよりややしょっぱいくらいを目指し、塩もしくは薄口少々で調整する。

鯛アラと本シメジの炊き込みご飯

土鍋に洗った米、シメジ、ほぐしたタイのアラをのせて、出汁を加えて炊く。
千切りした紫蘇をのせて、いただきます。



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