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時速1kmの思考

〆る時間が鍵。シンプルなイワシのマリネ

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先日紹介したイワシのグリルもうまいんだが、酢〆も捨てがたい。この季節は北陸にイワシが集まってくるらしく、今回は石川産だ。

昔は、酢〆した魚というものが苦手だった。というのも、関西に住む祖母が送ってくれる鯖寿司は、保存性を高めるべくかなり酸味がキツイものだったのだ。包みを開くと家中に酢がたちこめ、しばらくそこに居座った。一度届くと食べ終わるまで毎度食卓に並ぶから、いつしか鯖寿司に手が伸びなくなってしまったのだ。

再び酢で〆た魚がうまいと思ったのはここ数年のことだ。流通が遥かによくなったからかもしれない。もしくは柔らかい酸味のモダンな酢〆を食べられる店が増えたからかもしれない。

「新鮮なものを仕入れているから、酢で〆るのはさっとでいいよ」
うまいと思った酢〆を出す店主に尋ねると、だいたいそんな答えが返ってきた。〆る時間が鍵なのだ。

生魚に慣れていない欧米では酢も香辛料もたっぷり使ってマリネにするが、生で魚を食べる日本人としてはなるべくシンプルに調理して食べたいところ。最低、塩と酢と油さえあればいいだろう。いや、もうひとつ。白ワインは必ず買っておくべし。

とはいえまた時間が流れ、いつかあの酸っぱい祖母の味が食べたくなる日がくるのかもしれないな。

シンプルなイワシのマリネ

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材料

イワシ 好きなだけ ※ 刺身で食べられる新鮮なものを選ぶ
ひとつかみ
白ワインビネガー イワシが漬かる程度
オリーブ油 たっぷり
レモンなどの柑橘 好みで 輪切り
ニンニク 好みで 薄切り
こねぎorイタリアンパセリ 適量 飾りよう

※ 新鮮なイワシにはまだウロコがびっしりついている。

つくりかた

1. イワシを三枚におろす

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このときに皮をむいてもいいが、塩でしめてからのほうがむきやすい気がする。

2. 塩をふる

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塩をふったら冷蔵庫に30分ほどいれるが、このとき容器ごと少し傾けておくといい。臭みが移った余計な水分がたまっていく。
時間がきたら、酢水でさっと洗って水気をとる。

3. 酢でしめる

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イワシの皮を引いて、腹骨と小骨をとりのぞいたら酢でしめる。イワシがかぶるくらい酢の量が理想だが、酢を節約する場合は落としラップをして表10分、裏5分漬ける。うっすらと身が白くなるくらいが目安だが、このしめ具合は好みによる。生でも食べられるほど新鮮なイワシはさっとくぐらせる程度のほうが本来の味が楽しめる。

今回は白ワインビネガーとニンニクの酢漬けを使っているが、米酢でもかまわない。ただし、酸味が若干強い(と私は感じる)ので、漬ける時間を短めに調整するか、酢自体を薄めて(割酢)おく。我慢できない人はこのままどうぞ。

4. オイルに漬ける

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容器にオリーブオイルをしき、イワシを並べたら輪切りのレモンものせておく。さらにオリーブオイルをかけて1時間ほど冷蔵庫で休ませる。食べる直前に、ネギやイタリアンパセリを、好みでオリーブオイル散らす。

もっとイワシ料理はどうでしょう?

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