砂鍋獅子頭。「シャーグゥオシーヅトウ」と発音する、中国の家庭的な土鍋料理だ。
この料理のポイントは、揚げた大きな肉団子が4つ入ってることだ。獅子はライオンを意味するが、四子(スーツー)と獅子(シーヅ)をひっかけた洒落ネーミングらしい。5人家族の場合はどうするんだろうか。ふと頭をもたげて検索してみると、団子の数は何個でもよさそうだ。ただし中国人は縁起のよい偶数がお好みらしい。
朝日百科『世界の食べもの』で紹介されているレシピでは600gのひき肉を四等分してるから一人当たり150gの、ハンバーグほど大きな肉団子になるが、今回は300gの四分割だったので、猫の頭くらいの肉団子になった。砂鍋猫頭とでもしておこう。
肉団子には椎茸が忍ばせてあるせいか、肉汁をうまく閉じ込めるようで、割るとジュワーと溢れだす。齧りつけば火傷必須だ。肉団子が大きいだけの意味はある。小さな団子ではこのジューシー感はでないかもしれない。
スープは醤油ベースのちゃんこ鍋に近い。野菜は好きな冬野菜、キノコなどなんでもいいし、分量もざっくばらんで問題なしだ。なんせ、鍋なんだから。ただしっかりと煮込むので、固い野菜が向いていると思う。白菜でも芯の部分のほうがとろけないから積極的にいれてほしい。
特に鍋底に敷き詰めた春雨は味がしゅんで旨い。倍増してもいいくらいだ。ひとつ注意すべき点は、緑豆を原料とした春雨を使わないととろけてしまう。煮崩れにくいと定評のマロニーも試す価値ありだ。
インパクト勝負のこの冬の鍋。はふはふしながら気のおけない友人と囲みたい。
砂鍋獅子頭(大肉団子の土鍋煮込み)
材料
豚ひき肉 | 300g | 【下味】酒大さじ1、醤油大さじ1、塩少々、卵1個、片栗粉大さじ2 |
ネギ(みじん) | 大さじ2 | |
生姜(みじん) | 小さじ2 | |
椎茸 | 1枚 | みじん切り |
片栗粉 | 大さじ2 | |
白菜 | 200g | 短冊切り |
緑豆春雨 | 50g~ | |
キノコ | 好きなだけ | 椎茸、舞茸など |
青菜 | 2株 | 青梗菜、小松菜、ほうれん草など。さっと湯がいて水にさらす |
煮込みスープ | 鶏ガラスープor水800cc、醤油大さじ3、老酒大さじ2、砂糖小さじ1、胡麻油小さじ1、胡麻少々 |
つくりかた
- 豚肉を下味をつけて粘るまでよく練る。しっかり練ったのち、ネギ、生姜、椎茸を混ぜこみ、最後に片栗粉でまとめる。30分ほど冷蔵庫で休ませる。
- 土鍋に白菜と春雨を敷き詰める。
- 豚肉を分割して団子をつくり、180度で色づくまで揚げる。フライパンで焼くなら小判型がいい。
- 土鍋に肉団子をセットし、隙間にキノコや野菜(青菜以外)を押し込み、煮込みスープを加えたら火にかける。沸騰したら弱火。アクが出たら取り除きながら煮込んでいく。
- 50分煮たら、青菜を飾り、温まれば出来上がり。