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時速1kmの思考

ニョッキのおけるジャガイモと粉の配合率について考える

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ジャガイモのニョッキをつくるときに、いつも疑問に思うことがあった。
レシピには、ジャガイモ500g、小麦粉●●g・・・・・・とあるのだが、ジャガイモをきっちり500gというのはどうやって用意すればいいのか、ということだ。ジャガイモだって大きさがまちまちである。固形物なのでそんなにきっちり500g計れるものではない。うまく500g計れたとして、皮をむけば500gに満たないだろう。そうなると小麦粉の分量も変わってしまうのではないか?

そしてなぜかレシピでは500gのジャガイモと書かれていることが多く、実際つくってみると、とんでもない量のニョッキが出来上がってしまった。冷凍保存ができるというものの、やはりだんだんと味が落ちていく。なんとか食べきったものの、やっぱりつくりたてに勝るものはないということになった。
そもそもジャガイモを1個100gと仮定すれば、500gだと5個分。二人で食べるには暴力的な分量である。一度に食べきるなら、一人1個くらいでいいよね、って話だ。

少量のジャガイモでニョッキをつくる場合どの程度の小麦粉が必要なのか?
それに付随して、玉子はいれるのか、小麦粉の種類は? など疑問が次々とわいてきたので、失敗談も含めてこれまでわかったことを書いてみたい。

そもそもニョッキとはどんな食べ物なのか

イタリア語で「塊」を意味するニョッキ。分類的にはパスタに所属する。1300年代まではパン粉や小麦粉のみで作られていたというから、日本でいう「すいとん」に近いものだったんではないかと想像する。
新大陸発見により南米からジャガイモが持ち込まれ、イタリアで栽培が始まったのが17世紀。つまりジャガイモのニョッキは比較的新しい料理だということだ。

すいとんをパスタソースに絡めて食べるとなるとかなり歯ごたえと、ボリュームのある食事だったんだろう。そこでジャガイモを加えることによって、より軽い食感のニョッキに進化していったんではないか・・・というのが私見である。

ジャガイモのやわらかいデンプン質をいかした料理なので、小麦粉は最低限で十分なのだ。では最低限ってどれくらい? という本題に戻ろう。
それにはどんな食感のニョッキにしたいか、というひどく個人的な好みから話を始めなければならない。

ジャガイモと小麦粉の配合〜ふわふわともちもちの狭間で

ふわふわニョッキともちもちニョッキ。目指すべきはどちらかをまず決めなくてはならない。

小麦粉に含まれるグルテンには、生地に弾力性を出す性質がある。捏ねるほどグルテンは強く結びつくから、小麦粉だけを練ったすいとんは、もちもちの食感である。

つまり理論上は、ジャガイモに対して小麦粉が多いほど、もちもちの食感になる。補足すると、強力粉より薄力粉のほうがグルテンを多く含むから、強力粉でつくるとよりもちもちした食感になるはずだ。

ちなみに私は、ふわふわ食感のニョッキが好みなので、これを目指して試作した結果、小麦粉の分量はジャガイモに対して25%がちょうどいい加減ということになった。ひとまずこれを基準にして、配合率を15%とか、30%とか変えていけば、好みの食感にたどりつけるはずだ。

ニョッキに玉子は必要か?

結論からいえば、玉子を少量加えることをオススメしたい。
ニョッキに玉子を入れる理由は、「卵黄のコクを加えるため」「弾力をだすため」「発色を出すため」である。

弾力は粉の選定や練りかたでカバーできるし、そもそも濃厚なソースをかけることが前提なのでコクもそれほど必要ない。シンプルなレシピを目指し、ニョッキを作り始めた当初は玉子は絶対に使わなかった。

ところがある日、悲劇が起きる。玉子を使わないニョッキが、茹でているあいだに溶けてしまったのだ。最低限の小麦粉とのせめぎ合いに負けたのだ。

こうなるともう、ただの芋汁である。この反省点をいかし、玉子を少量いれることにした。生地がよくまとまり、以降ニョッキが溶ける事件は起きなくなった。

ちなみに私はよく卵白を使っている。理由はうどんを食べる際によく余らせてしまうからだ。風味がない分、よりジャガイモを感じられる気がする。

ニョッキのコツ

最後に、moggy流のささやかなコツをお伝えしたい。

ジャガイモの選び方

水分量が少なめの、ほくほくしたジャガイモがオススメ。

ジャガイモをよく冷やす

茹でた(もしくは蒸した)ジャガイモは熱いうちにマッシュし、粗熱をとったあと冷蔵庫でしっかり冷やす。
ジャガイモが温かいうちに粉を加えると粘りがでてまとまりずらく、ついつい粉を余計に加えてしまい、固いニョッキになってしまう。冷やすことでジャガイモの水分が飛び、より粉っぽくなるので、最小限の小麦粉でまとまるようになる。

生地は練らない

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優しく折りたたむように生地をまとめると、ふわふわの食感になる。スケッパーがあると便利。

ニョッキの成形にはフォークより巻きすが便利

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ニョッキの成形にはフォークを使うのがメジャーなようだが、どうもこのちまちました作業が苦手。
イタリアにはニョッキ専用のニョッキボードなるものがある。蒲鉾板に筋をつけただけのようにも見えるので、自作しようかと思ったが、肝心の彫刻刀がない。思わずポチりそうになったが、ちょっと待てよと、引きだしをあさると、巻きすを発見。筋の感じは、似ている。

さっそく打ち粉を振って、ニョッキを指先で巻きすになでつけてみると、しっかり筋はつく。しかもフォークよりも作業効率がいい。




EPPICOTISPAI クイックニョッキボード イタリア製 ブナ 20cm

サイズ : 長さ 20cm × 幅 6cm × 厚み 1.5cm
重量  : 87g
材質  : ブナ(ビーチウッド)

ゆでたニョッキは氷水でしめる

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もっちり感がアップするのと、ソースを加えるまで冷蔵庫に入れておいても固まることなく、一人でも作業が詰まりすぎないのがいい。

卵白をつかったふわふわニョッキ

材料

男爵いも 2個(茹でて皮をむいた状態で154g)
中力粉 38.5g(芋の25%)
卵白 1個分弱
少々
強力粉 たっぷり 打ち粉として使う

つくりかた

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ジャガイモを蒸したら、熱いうちに削る。ジャガイモは裏ごしするのがベストだけれど、チーズ削り器のいちばん細かいところで削ると粘りもでなくてそれなりに細かくなる。
粗熱をとって、冷蔵庫で冷やす。

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ジャガイモに卵白、中力粉をいれて、スケッパーで切って折りたたみながら生地を団子状にまとめる。
やや卵白が多く、べっとりする感じはするが、しばらく冷蔵庫で休めて、たっぷり打ち粉をふれば、ふわふわのニョッキになる。

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細長く成形する。

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切る。茹でると膨らむので、やや小さめを目指す。

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打ち粉をして、すだれに押しつけて筋をつける。

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たっぷりの湯で茹でる。

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ニョッキがふわりと浮き上がってきたら、氷水でしめる。

ニョッキのおいしいソース

カニ味噌ニョッキ

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ブルーチーズのニョッキ

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