新型コロナの外出自粛によって都知事から「買い物は3日に1回」というおふれが出て数日。
「一週間の献立を決めておく」「買い出すものをメモしておく」というごもっともな賢者の意見に頷きつつも、想定外な食材に出会ってしまい、献立が狂ってしまうことは、あるあるだ。
たとえばこの紅ズワイガニは、500円でスーパーの片隅で脚を広げて座っていた。今日の献立はおぼろげに決めていたので一瞬迷ったものの、すかさずカゴに入れる。こんなチャンスを逃したら、次はいつだかわからない。万引き犯はこんな気持ちなんだろうか・・・。とにかくもう、後戻りできない。頭の中は蟹炒飯でいっぱいなのである。
家に持ち帰り、さっそく蒸すことにした。滅多にカニなど買わないから、蒸しかたをネットで検索。いわく、ポイントは二つに絞られる。
紅ズワイガニの蒸すポイント
日本酒をいれて蒸す
蒸し器に入れる水を、酒で1対1で割って利用すると酒蒸しのようになり風味が出ます
というのが鮮魚店「のんきな魚屋」さんの裏技。たしかに、魚貝には日本酒が合うのは間違いない、魚貝特有の生臭さも緩和するだろう。
以上を踏まえて、紅ズワイガニを蒸すことにする。
紅ズワイガニを蒸す
沸騰した湯に日本酒を入れる。
カニはたわしでよく擦り洗いする。
湯気がしっかり上がったら、カニを蒸し器にセット。血迷って座禅スタイルで写真を撮ってしまったが、必ず甲羅を下にしてほしい。実際、カニエキスはかなり、漏れる。
中・強火で15分蒸し、その後ザルにあげて自然に冷ます。
ここからが解体作業。キッチンバサミで脚を切り、甲羅を開くと、カニエキスが溜まっていた。もちろん大事にとっておく。
とにかく無心で、手を動かしつづける。カニフォークに感謝。
甲羅ひとつ分の味噌と身はこれくらいだった。
次に脚の解体。細い脚から身をほじくりだすという緻密な作業にだんだん辟易としてくるが、これは「#STAYHOME期間だからこそ出来ることだ」「あきらめたらそこで試合終了ですよ」「最高の蟹炒飯を食べたいか!」となかば強引に暗示を自分にかけて、もう一踏ん張り。
結果、とれたのはカニ缶ひとつ分くらいだろうか。カニの缶詰が高い理由を身をもって痛感。ありゃほとんど人件費である。
さて、どう料理してやろうか。