グリーンピースが苦手だという人はよく見かけるが、えんどう豆が苦手だという人はあまりお目にかからない。種的にいえばほぼ変わらないにもかかわらず、だ。
グリーンピースは、手のひらサイズの缶詰に入ったものやら、冷凍品が年中出回っている。手軽だからこそ、世界中の食卓にも広がっていったのだとは思う。
ただ、お世辞にも缶詰や冷凍が、おいしいとは言いがたい。缶詰は溶液臭くグニュっと柔らかすぎるし、冷凍品はぱさついている。こういった加工食品が、グリーンピース嫌いを増やしているのだとすれば・・・これはグリーンピースの功罪?
実は、家人もグリーンピースが嫌いだ。アメリカに滞在歴のある彼いわく、彼の地のグリーンピースはまずいなんてものじゃないと、声を震わせるほどで、いくらなんでもグリーンピースに同情さえ感じるほどの怨恨だ。
新年の挨拶も兼ねて友人がやってくるので八百屋へ走ると、本日のオススメはえんどう豆だという。艶やかな硬い鞘がむくりと膨れて、はじけんばかりの様子だ。家人が嫌いなものをわざわざとは思ったが、このえんどう豆のポテンシャルは無視できないものがある。
ふた袋、買った。
えんどう豆を色よく、シワ寄せることなく煮る心得は次の三つ。
- えんどう豆に塩を揉み込む。
- ゆっくり冷やす。
- 常に液につけておく。
まぁ、のんびりつくればいいってことで。
えんどう豆の翡翠煮
- 鞘から取り出したえんどう豆に塩をひとつかみまぶして、指先でもんでおく。
- 鍋に水を張ったら、塩ごとえんどう豆を放り込み、火にかける。沸騰したらごく弱火にして、落としぶたをして茹でる。
- 沸騰してから3〜4分くらいが目安だろうか。硬さは一粒食べてみて決めてほしい。
- 茹で上がったら水にさらすが、急に冷たい水につけると豆にシワが寄ってしまうので、落し蓋をしたまま、ちょろちょろ具合の水道水でさらして、ゆっくりと冷やしていく。
- そのあいだにえんどう豆がかぶるくらいの出汁、薄口醤油、みりん、砂糖、塩少々を一煮立ちさせて味を決めていく。
浸し液にあまり色はつけたくないので、塩味はごく少量の薄口醤油を加え、塩で決めていく。えんどう豆の自然な甘さをいかすなら、砂糖も控え目がおすすめ。 - 味が決まったら、水をきったえんどう豆を加えて、また一煮立ちしたら、水を張った一回り大きなボウルに鍋ごとつけて、急冷し、味を含ませる。
まずはお猪口にでもよそって、そのまま食べてもらいたい新春の小鉢。家人が箸でつまんでは口に入れているかいがいしい姿には、思わず惚れ直した。
翡翠煮を使ったあれこれ
えんどう豆は浸し液につけて冷蔵庫で保存しておけば数日もつ。食べきれなかったらこんなアレンジはどうだろう。すでに味付けはしてあるので、種をまくがごとくぱらっと散らせばよし。
たとえば・・・・・・