タリアータはレアに焼いた牛ステーキを切り分けたイタリア料理だが、うちは豚肉でつくることが多い。経済的な理由もそのひとつだが、タリアータ(Tagliata)は「薄く切る」という意味だから、豚肉でつくってもタリアータには違いないだろう。ただし、衛生面を考えて火入れはぬかりなく。
簡単なので頻繁に食卓にあがる料理のひとつなんだが、あまりにシンプルなひと皿のために紹介しづらかった。というのも、コツといえば、「いい豚肉を仕入れること!」に尽きるからだ。しっかりと脂身の甘い豚、そして信頼できる牧場で育てている豚を使ったこの料理は、牛肉を凌ぐ、いや超えるうまさだ。
合わせるのはポン酢とタマネギ。
「バルサミコじゃないのかよ!」ってイタリア人にはお叱りを受けそうだが、実際この組み合わせは鉄板だし、イタリア人にも食べてみてほしいと思う。ポン酢は世界に誇る日本のソースなのだ。
豚肉のタリアータ
材料
豚ロース肉 | 1枚 | 豚カツ用の肉で、ある程度厚さのあるものがいい |
塩 | 少々 | |
白ワインビネガー | 少々 | |
タマネギ(小) | 1/2個 | 薄切り |
ポン酢 | 適量 | つくりかたはこちらへ |
胡椒 | 適量 |
つくりかた
豚肉は脂の部分と筋の部分に包丁で切れ目を入れて、常温に戻しておく。
塩は、揚げ焼きしている時に流れてしまうので、気持ち多めにふっておく。
フライパンに大さじ2ほど(たっぷり)のオリーブオイルを温め、中〜弱火で脂の部分をじっくりこんがりと焼いていく。
コンフィのように、たっぷりの油のなかで脂を溶かしていくイメージだ。
脂が十分に焼けたら、表面を中火で焼いていく。
表も裏もゆっくりと10数えるくらいを2セットが目安。一度バットに引き上げる。休ませているうちにフライパンに残った脂は大さじ1を残して取り除いておく。
フライパンを強火で熱して、肉を戻し入れ、白ワインビネガーでフランベする。油が多いと火が舞い上がって腰がひけるが、フライパンを揺すりりつつ肉をひっくり返しながら、火が落ち着くまで焼く。
火が落ち着いたころには、焦げ目がうっすらついている。
アルミホイルに包んで、温かいところにおいておく。厚さにもよるが20分くらいだろうか。
皿にスライスオニオンを盛ったらポン酢をかけ、その上にそぎ切りした豚肉を並べて胡椒をたっぷりかける。