一流の料理人は、冷蔵庫の中が美しい。
半調理された食材、用途別に切っておいた食材など、それらが整然と並んでいるものだ。何がどこにあるのかは一目瞭然。早めに使うべき食材は手前におき、もれなく使い切る。これが料理上手になれる、誰でもできる第一歩なんじゃないだろうか。
暮らしの道具として、たぶんいちばん手がだしにくいのが保存容器(タッパー)だと思う。なんせ、100円ショップでも売っているし、あえて「さぁタッパーを買おう!」なんて気分にはなかなかならないものだ。だが保存容器こそ、大人買いすべきアイテムだと私は思う。そろえて買っておけば重宝する魔法の道具である。
ではどんな保存容器を選ぶべきか。ポイントを4つに絞ってみる。
- 四角形を選ぶ
- サイズをそろえる
- 中身が見える透明タイプを選ぶ
- 用途別に使い分ける
保存容器を選ぶ4つのポイント
四角形を選ぶ
冷蔵庫は、家庭用でも業務用でも、ほとんどが長方形だ。円形の保存容器を使えば、当たり前だがスペースに無駄が生じるわけである。
サイズをそろえる
同じシリーズ、サイズを揃えておけば、冷蔵庫で重ね置きも出来るので、こちらも省スペースにつながる。これは『小さなバルの絶品レシピ』で、TAKADAnoBar(現在は閉店)が紹介していたが、立ち飲み系の狭い店でのこういった知恵は家庭の台所でも有用だ。
中身が見える透明タイプを選ぶ
これ、何が入っていたっけ? と冷蔵庫を開けっ放しにして探すことほど無駄なことはない。庫内の冷気も逃げてしまうし、他の食材にも影響を与えてしまう。
用途別に使い分ける
これぞ万能の保存容器! というのなかなか見つからない。どんな容器でも一長一短あるものだ。
そこで材質や機能が違う保存容器を3つ紹介したい。それぞれメリットとデメリットがあるので、用途に合わせて使い分けている。
密閉率は抜群!
Lock & Lockの保存容器
たとえば、春になると送られてくる大量のタケノコは水につけたまま保存すると長持ちするので、大きめのLock&Lockに入れて野菜室においている。使いかけの豆腐や蒟蒻、生姜の保存にもばっちりだ。湯がいた菜っ葉や焼きナスを八方だしでつけておけば一品できあがり。
耐熱温度110℃、耐冷温度-20℃なので、電子レンジ(蓋はのぞく)、冷凍、食洗機も利用できるのが魅力的。
パッキンを外して洗わないといけないのがいささかめんどくさいが、このパッキンの部分は汚れが溜まりやすいので、しっかり洗浄したい。
安くて軽い!
ジップロックのコンテナ
本体、フタの耐熱温度は140℃、耐冷温度は-20℃なので、電子レンジ、冷凍、食洗機も問題ない。
デメリットとしては、劣化が早いことだ。なぜか蓋からどんどん壊れていくので、本体と蓋の数がすっかり合わなくなってしまった。ある意味、使い捨て容器といった側面がある。また、臭いがつきやすいのでカレーなどは避けたほうが無難。
また、近ごろ生産国をかえてリニューアルをしたためか、Amazonでの評価がすこぶる低い。現行で使っている容器も廃盤になってしまったようだ。
食卓にそのまま出せて衛生的
イワキのガラス保存容器
蓋をはずせばきれいなガラス容器なので、そのまま食卓に出しても違和感がない。ガラス製なので臭いもつかず、衛生面は抜群である。漬物や毎日決まって食べる総菜を保存するのに便利だ。特筆すべきは、オーブンを使えることだろう。グラタンをこの容器で焼けば、そのまま食卓に出せ、残ったら蓋をして冷蔵庫へしまい、食べるときはそのまま電子レンジへ放り込めばいい。
難点は、重たいことと、密閉性はないので水分の多い食材や、臭いを発する食材にはまったく向いていないこと。ラップしてから蓋をするなどの工夫が必要だ。