ざる蕎麦は手打ちに限る! 乾麺はしょせん乾麺、生麺を超えることはない…。
たしかに、それはそうかもしれない。打ち立てにこだわるなら、自ら打つか、専門店へ出向くしかない。
でも真の蕎麦好きなら、いつでもどこでも蕎麦が食べたいはずだ。深夜に帰宅したときだって、海外で駐在しているときだって、蕎麦に寄り添いたくなる和の心。そしてなんだかんだ手軽かつ常備できるのは、乾麺の蕎麦なのだ。市販の乾麺をいかにうまく食べるか、それが今回のお題である。
市販の乾麺の蕎麦をいかにうまく食べるか
ではさっそく、乾麺の蕎麦を劇的にうまくする方法を紹介したい。ポイントは「茹でかた」「 洗いかた」「 しめかた」の3点だ。
蕎麦好きの板前が長年かけて辿りついたというちょっとした工夫で、特殊なことをしているわけではないが、その味の違いは折り紙付きだ。
乾麺といえど蕎麦の価格はピンキリだが、ぜひお好みの、いつも食べているものを選んでほしい。実際、そのほうが違いがはっきりとわかるはずだ。
TV番組「マツコの知らない世界〜蕎麦の世界」では、DEENのボーカル池森秀一氏が「信州田舎そば小諸七兵衛」をベスト乾麺として紹介していたが、もちろん放送後にスーパーでみかけることなく、我が家では専ら「信州戸隠おびなたの生そば」を愛用しているのであわせて紹介したい。生麺といっても半乾麺で日持ちもする。
乾麺の蕎麦を劇的にうまくする方法
準備
- 大きな鍋にたっぷりの湯を用意する。
- 大きなボウルいっぱいの氷水をつくる。
蕎麦をゆでる
たっぷりの湯で蕎麦を茹でる。
差し水はせず、つねに沸騰させておく。麺が湯のなかで躍っているのを確認すること。
ゆで時間はメーカーが指定する時間を守る。
蕎麦を洗う
流水で手早く、しっかりともみ洗いする。この洗いが足りないと、粉っぽく伸びたような蕎麦になってしまう。昔はこんな蕎麦を出す店は「こりゃ女の蕎麦だな」なんて揶揄されていたという。こんなことを今いったら、非難をあびるだろうが。
どれくらい洗うかといえば、いわく「肩の内側が痛くなるまで」だ。体力的にも男性の仕事だったということなんだろう。
蕎麦をしめる
氷水に蕎麦をつけ、急冷する。麺がぎゅっと締まり、コシがぐっと強くなる。
仕上げに、流水にさらして蕎麦を常温に戻し、水気をよく切ってザルに盛る。
たったこれだけなんだが、実際食べてみるとその喉ごしとコシの違いに「なんじゃこりゃ!」と蕎麦を凝視。「メーカー変えた?」と言われるほどなので、やはり違いは歴然だ。
せっかくなので、簡単につくれる板長直伝のめんつゆも紹介したい。