足かけ一年、ようやく納得のいく乾燥桜えびのトマトクリームパスタができあがった。そもそもこれをつくるようになったきっかけは、馴染みのレストランで食べた桜えびのペペロンチーノだった。「桜えびは口の中に刺さるから好きじゃない」という衝撃の告白を受け、私はそんな奴いるのかと耳を疑ってしまった。さらに追い打ちをかけるようにタコ焼き宴会があり、皆が気を利かせて桜えびを買ってきてくれたので在庫がありあまったのだ。
乾燥桜えびの香りのすばらしさは、方向性は違えどポルチーニのそれに匹敵するほどだと思う。だが使いすぎると口当たりが悪くなるのが難点だった。「豊潤な桜海老のなめらかなソース」を目指して、どこまで桜えびの量を増やせるのか、何度も試作を重ねた。
いま思えば、完全に向かうベクトルを間違えていたようだ。答えは単純なことだった。普通の海老でつくるアメリケーヌと同じように、裏ごしすればいいだけのことだったのだ。こんなことを一年もひきずっていたのかと思うとちょっと頭痛がしてくる。
今回は桜えびに重点を置いたので、トマト感は控え目だ。好みで増やしてほしい。もし生のトマトを使うなら、工程⑤のあとに水分を飛ばすようにして炒めるといい。
乾燥桜えびのクリームパスタ
こちらは生のエビを使って豪華さを演出。こってりしているので、柑橘を添えるのもあり。
材料
乾燥桜えび | 10g | |
オリーブ油 | 小さじ1 | |
白ワイン | 大さじ1 | |
水 | 120cc | |
パスタ | 100g | ディ・チェコ No.7 リングイーネ使用。余裕があればぜひ手打ちパスタで。 |
水 | 1L | |
塩 | 小さじ2 | |
ソース | ||
ニンニク | 1片 | 叩きつぶす |
タマネギ | 1/8個 | みじん切り |
トマトソース | 大さじ1~2 | 基本のトマトソースのつくりかた |
生クリーム | 60cc | |
塩 | 適量 | |
胡椒 | 適量 | |
バター | 10g | |
パルミジャーノ(オプション) | 適量 |