かつて師匠がつくってくれた賄いのなかでも大好物だったのが鴨せいろ。もちろん正肉はお客様に出すものなので、我々が食べられるのは噛みきれないスジや脂の部分だった。だから正確にいえば「鴨なしせいろ」になっているんだが、それでもこの鴨せいろは侮れないほどうまかった。
師匠に教わった鴨せいろのコツはふたつあって、どちらも拍子抜けするほど簡単なものだったので、ここで紹介してみたい。
うまい鴨せいろのコツ
鴨の脂やスジを有効利用する
鴨の旨さはその脂の部分に凝縮されているんじゃなかろうか? とにかくこの脂身の甘さと風味をしっかりとめんつゆに移してやることで、肉がなくても(いや、あったにこしたことないんだが)うまい鴨せいろのタレになる。
ネギはダブル使いで
焼いたネギはタレと一緒に煮立たせて、生のネギは後のせのダブル使いにすることで、ジビエ独特の香りが苦手な人でもおいしく食べられる。


生のネギは、細切りでも小口切りでもどちらでもかまわないが、水にさらしてぬめりをとっておくこと。洗いネギの手順はこちらへ。
konpeito.hatenablog.jp
鴨せいろのタレの比率
出汁:濃口醤油:みりんを5:1:1の割合。二人分ならこれな感じだろうか。
出汁 | 濃口醤油 | みりん |
300cc | 60cc | 60cc |
これに鴨の脂やスジ、焼いたネギを加えて一煮立ちさせる。ただしアクはしっかりとることが肝要。
鴨せいろ
鴨はスーパーでよく売っている薄切り、もしくはぶつ切りのものを使っている。薄切りの肉はすぐに火が通るので時間差で加える、もしくはいちど引き上げてあとからのせるのも一手である。
蕎麦(乾麺)の茹で方はこちらを参照してほしい。
konpeito.hatenablog.jp
つくりかた
- 鴨肉の余分な脂やスジをとりのぞく。
- 筒切りにしたネギは焼いて、生のネギを洗って水をしっかり切っておく。
- めんつゆを合わせ、鴨の脂とスジ、焼いたネギを加えて一煮立ちさせてアクをとる。
- 鴨の生肉を加えたらごく弱火に落として火を通す。
- 蕎麦をゆがいてザルに盛る。
- めんつゆを器によそって、洗ったネギをこんもりのせる。