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時速1kmの思考

酒とみりん、煮きりの極意

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酒やみりんからアルコール成分を飛ばすことを「煮きる」という。煮きった酒やみりんには旨味や甘味が凝縮していて、料理に加えると風味や味がよくなることは、料理をたしなむ人ならご存知だろう。

西洋料理でいう「フランベ: Flambé」に近いかもしれないが、肉などの食材に対して直接酒をふりかけ、香りをつけながらアルコール分を飛ばすフランベに対して、「煮きり」は食材に関係なく、純粋にアルコール分を飛ばして旨味の調味液にするという点ではやはり別物であり、和食独特の調理法なんだと思う。

酢味噌和えの味噌をほどよい固さに伸ばしたり、ちょっと残った刺身を漬けにするときには生醤油に混ぜ込んだりと、煮きり酒や煮きりみりんが登場するのは、酢の物、タレ、ドレッシングといった加熱しない料理だ。以前紹介した自家製焼肉のタレにも使っている。

目的は、アルコール分を取り除いて、アルコール臭をなくすことだから、レンジでチンしたり、強火で煮立たせたりと、やりかたは人それぞれで正解はない。

今回紹介する方法はかなり古典的かつ効率的な煮きり方だ。下手な料理人が煮きると1升の酒が6合にまで減ってしまうというから、腕の見せ所らしい。ただし、家庭でやる場合は注意が必要でもある。

アルコールに火をつけるとどうしても炎が上がってしまうので、火事にならないよう十分に注意してほしい。アルコールから炎が出たら、すぐにガスの火を消してしまうのが最大のポイントだ。

酒とみりんの煮きりかた

板長が酒を煮きっているところを撮影させていただいた。酒もみりんも、基本的にやりかたは変わらない。手順の参考になれば幸いである。

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日本酒、もしくはみりんを鍋に入れてガスを点火する。

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沸きはじめて、鍋の縁がぷちぷちと泡立ってきたら、液体に直接火を付ける。鍋を傾けてもいいけれど、チャッカマンがあると便利だ。

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アルコールに火がつき炎が出たら、ガスの火を消す。ガスの火がつきっぱなしだと、炎が勢いよく立ち上って大変危険!

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ひたすらお玉でかき混ぜながらアルコールを燃やす。最初は炎があがって腰がひけるが、次第に炎は小さくなっていく。

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自然に鎮火すれば、きっちりにに切れた証拠。