【2017.09.01】初出
【2019.08.30】更新
宮古島で必ず立ち寄るのがあたらす市場。島じゅうから集まった新鮮な野菜はもちろん特産物や弁当、総菜にパン、まだパッキングされていない出来たての豆腐など、ありとあらゆる宮古食材が集まってくる島の台所だ。今年も例外なく、もはや本来の目的を忘れて買い出し旅行のようになっている。
去年は山ほどの食材をクール便で東京に送ったんだが、今年はチビマンゴーだけ公設市場で買ったこともあり、ダンボールに詰めて自力で持ち帰ることになった。羽田でダンボールをスーツケースにくくりつけ、雑踏をかきわけ悶絶しながら京急線に向かうと、「ずいぶんと財産持ちですねぇ」と声をかけられる。夜逃げかなにかと勘違いされているのかと、「いや、全部野菜なんですよ」と慌ててしまった。
その日から1週間は島野菜生活。いくら新鮮とはいえ、食べまくらないとみるみるうちに痛んでいく。ブログを書く手をとめ、とにかく思うまま、気の向くままに料理に没頭していた七月後半。はじめて食べる野菜もあったので記録を残しておこう。島野菜は手を加えすぎない料理がおいしい。やっぱりすごい島野菜。
- 島野菜の収穫時期
- 島野菜を料理する
- 島外に持ち出せない野菜
- 島野菜を買おう!
島野菜の収穫時期
(あたらす市場にて撮影)
島野菜を料理する
アマランサス
スーパーフードとして認知されているアマランサスだが、有名なのは種子のほう。まさか葉が食べられるとは思わなかった。足が早いので、ひたすら炒めて食べた。油との相性がいい。赤いアマランサスは色落ちしやすいので、緑のものと分けて使うほうがいい。
ゴーヤ
すでに全国区になってしまったゴーヤ。東京でも安く手に入るようになったので、わざわざ島で買うメリットはないかもしれない。
島唐辛子
追記:2018年はナスミバエ発生により、島外の持ち出しが禁止になっている。
刺すような辛みのこぶりな唐辛子。泡盛で漬けてコーレーグースーにするのもいいが、ジップロックにいれて冷凍すれば料理を選ばずに使える。熟すと真っ赤になるので、オレンジ色くらいのものを買ったほうが日持ちするようだ。アジアの料理には特に合う。
カドゥンピカ
トマトとナスと島唐辛子のパスタ
島唐辛子の生姜焼き
シークワーサー
なかなかの高級品。小さめのものを選び丸ごとジップロックにいれて冷凍し、半解凍して使っている。長く火を通すと皮の苦味がでる。
鯵のりゅうきゅう、シークワーサー添え
シークワーサー入り自家製ジンジャーエール
スベリヒユ
別名「にんぶとぅかー」「ミゾナ」。
シャキシャキとした歯ごたえと酸味のある葉で、その味は人参もどきにも似ているが、生で食べると雑草感が全面に出てくる。さっと茹でるとぬめりと酸味が残り、食べやすい。
スベリヒユの土佐酢和え
スベリヒユのチャンプルー
ドラゴンフルーツのつぼみ
宮古島の珍野菜。無味無臭でオクラのような粘りがある。揚げて良し、焼いて良し、湯がいて良しの万能野菜だが、おすすめは天ぷら。収穫時期が6〜7月と短い季節野菜。
konpeito.hatenablog.jp
ニガナ
和名「ほそばわだん」。生でそのまま食べると苦味がほとばしるが、和えるとその苦味が旨みというか滋養になっていく不思議な葉。ビタミンC、カロテン、カルシウム、カリウムを含み、琉球王朝時代から食べられてきた健康野菜。水にさらしてアクを抜いてから食べる。汁物や天ぷら、生のまま刻んで豆腐とピーナッツバターで白和えにするのが一般的。
ニガナのかき揚げ
ニガナの胡麻酢和え
人参もどき
別名アフリカホウレン草、シビランとも呼ばれる。さらっとした食感の葉なんだが、噛むと粘りと酸味がある。この酸味がなんとも不思議だったが、宮古の友人いわく、生食がうまいという。サラダ、天ぷら、炒め物など使いやすい食材である。根つきがよく、茎を水に差しておけばどんどん増える。
パパイヤ
都内より断然安い。生で食べるソムタムが定番だったが、火を通してもうまい。特にイリチーはさっぱりした切り干しダイコンのようで、夏の副菜として優秀。ビタミンA・C、カリウムを多く含み、沖縄では産後に食べると体力が回復し母乳がよく出るようになると言われている。
アクが強いので、切ったあとに流水にさらすといい。
ハンダマ
パルダマ、金時草、式部草、水前寺菜とも呼ばれ、最近は都内でも見かける。沖縄では古くから「血の葉・不老長寿の葉」と言われ、民間療法薬としても食べられていた。葉が硬いのではじめて生で食べたときは驚いたが、今ではすっかりはまってしまった。苦味があり、噛むごとに滋養が広がる。
konpeito.hatenablog.jp
ハンダマのビシソワーズ
島外に持ち出せない野菜
法律によって一部の植物は県外への持ち出しが規制されている。病害虫の蔓延を防ぐためだ。
島野菜を買おう!
島の駅みやこ
場所:〒906-0015 沖縄県宮古島市平良久貝870−1
WEB:http://www.simanoeki.net/
Facebook:@shimanoeki.miyako