週末農業をやっているGenさんがニンニクをつくるというので、なかばノリで投資したのは暑さも落ち着いてきた2016年のことだった。その前年の収穫高はほぼゼロだったと言うから、まるでベンチャーにでも出資するような気分だったことを覚えている。そして2017年の梅雨に入ったころ、丸々太ったニンニクが収穫された。
ニンニクを受けとった帰りの車内は吸血鬼なら即死レベルのニンニク臭だったが、このニンニクでつくったペペロンチーノはかつてなくすばらしい香りだった。ニンニクだけでここまで味が変わるものなのかと驚きつつも、投資リターンに大満足している。年中ニンニクを買っているが、国産は季節を逃せばなにげに高級品だ。
ニンニクの長期保存の仕方はいろいろとあるが、今回は醤油漬け、酢漬け、オイル漬け、塩漬けに狙いを絞る。
さて、どれがいちばん使える保存法なのか?
ニンニクの長期保存マトリックス
醤油漬け | オイル漬け | 酢漬け | 塩漬け | |
---|---|---|---|---|
丸ごと | そのまま食べる 煮物 |
コンフィや バーニャカウダ—(オイル煮) |
そのまま食べる 煮物 |
バジルペスト 煮物 |
薄切り | 薬味(刺身、焼肉) 炒飯 |
調味液(肉や魚) ガーリックチップス スープ |
薬味 肉料理の煮物 |
薬味 調味液(肉や魚) |
粗みじん | 炒飯 | パスタ 炒め物 アヒージョ |
薬味 炒め物 |
調味料 炒め物 |
ペースト | --- | ドレッシング | --- | ガーリックソルト ガーリックバター |
漬け汁 | 調味料(刺身) 調味液(唐揚げ) |
ドレッシング | ドレッシング 魚貝のマリネ |
タレ スープ |
- 基本はニンニクを丸ごと調味液に漬ける、である。もちろん丸ごと食べることもあるだろうが、我が家ではそうありそうな状況でもなく、実際に料理をつくるとなると、みじん切りか薄切りにするはずである。
- 丸ごと、薄切りあとからでもみじん切りできる。
- 醤油漬けは色がつくので使い方が限定されそうだ。
- オイル漬けの粗みじんはイタリアンや中華に重宝しそう。
- 漬け汁はどれも調味料・調味液として使えそう。
そんなことを考えていたら頭がぐるぐるしはじめたので、鮮度が落ちる前にまずは手を動かしてみることにした。
ニンニクの下処理
ニンニクを漬ける
すっかり疲れてしまったが、ここからが本番。
保存する瓶と蓋を熱湯消毒して、しっかりと乾かしておく。正直、この作業がいちばんめんどくさい。
オイル漬け
中華、イタリアンで使うことを想定し、香りがあまりない米油を使用した。
薄切り、粗みじんをつくったあと、残った部分をペーストにする。
オイル漬けは油が酸化していくので冬用のストックとして、冷凍保存することにした。
塩&酒漬け
塩とジン(アルコール度数37.5%)でまるごと漬ける。
- ニンニク 230g
- 粗塩 23g(ニンニクの1割)
- ジン 230g(ニンニクと同量)
10%の塩水に漬けるのが一般的のようだ。正確に計るとジンは207gになるんだが…アルコール度数も高いので腐ることはないだろう。