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時速1kmの思考

サラダ用寒天でクラゲもどき料理を! 奥深い寒天の世界

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もどしかたでアレンジ自在
奥深きサラダ用寒天の世界

中華料理屋で必ず注文してしまうのがクラゲの冷製だ。あのコリコリとした食感がたまらなく好きなんだが、家でつくろうにも生クラゲがなかなか手に入りにくい。
そこで目をつけたのが伊那食品工業が発売しているサラダ用寒天だ。

健康志向も後押ししてか、寒天はスーパーでもよく目にする商品になったが、この「サラダ用寒天」は純粋な寒天ではなく、寒天にこんにゃく粉を配合した加工品であることがミソだろう。普通の寒天よりも弾力と歯ごたえがあるものに仕上がっている。そしてさらに興味深いのは、寒天をもどす水の温度によってその食感に変化をつけられることだ。

① 水もどし→ツルツル食感

たっぷりの水(重量比200倍)に約20分つける。

② ぬるま湯もどし→やわらか食感

30℃くらいの湯に約10分つけて冷水にさらす。

③ 熱湯もどし→くらげ食感

90℃以上の熱湯につけて30秒(厳守)たったら湯切りし、すばやくたっぷりの冷水につけてよくほぐす。1分以上冷水さらして水気を切る。

クラゲ好きとして注目したのは③のもどしかただ。
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くらげ食感という触れ込みだが、実際クラゲほどのコリコリした食感はなく、どちらかといえばしこしこ・ツルツルとしているが、これはこれでなかなか面白い。なんとも企業努力を感じる商品だ。もちろん無味無臭なので、ソースでアレンジしていきたい。

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寒天のクラゲもどき料理

冷製寒天のクラゲもどき

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③の方法でもどした寒天をよく冷やしておく。
寒天を盛りつけてタレをかけたら出来上がり。

タレ

ニンニクとネギを炒め、その他の調味料をよく混ぜ合わせて冷やしておく。

ニンニク 小さじ1 みじん切り
長ネギ 大さじ3 みじん切り
紹興酒 大さじ1
砂糖 小さじ2/3
濃口醤油 大さじ3
大さじ1
スープ 大さじ1
山椒 小さじ1/2
胡麻 大さじ1

中華風前菜の盛り合わせ

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トマト、ピータン、③の方法でもどした寒天を盛りつけ、タレをたっぷりかける。

タレ

拼盤汁子という中華の前菜ソース。すべての材料を混ぜ合わせて冷やしておく。

きび砂糖 小さじ1
濃口醤油 大さじ2
鶏ガラスープ 大さじ4
胡麻 小さじ2
ショウガ 少々 薄切り
ネギ 3cm 乱切り

ワカメと寒天のポン酢和え

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茹でた旬の春摘みワカメを一口大に切り、③でもどした寒天を皿に盛り、ポン酢をかける。好みで千切り生姜をそえる。ど・シンプルだけど飽きのこない春の前菜。
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カニ、キュウリ、寒天の土佐酢和え

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キュウリは以下のやりかたで塩もみしておく。
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キュウリの水気をしぼり、ズワイガニ(魚屋で茹で済みのものを少量販売している。もしくは缶詰でもいい)、③の寒天を、土佐酢で和える。カニが少なくても寒天がアクセントになるから満足度が高い一品。
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奥深い寒天の世界に、どっぷりはまっていきそうな予感がする。

にんじんドレッシングのおいしいコツ

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理想のにんじんドレッシング

去年の夏ごろ、板長は新作の鴨サラダに合わせるドレッシングを模索していた。試作中のドレッシングは二層に別れていて、底のほうはオレンジ色をしている。瓶を振ってみると油にオレンジ色の何かがふわっと浮き出して、まるでスノーボールのように幻想的だ。
「オレンジの皮でも入ってるんですか?」と尋ねると、「ただのニンジンだよ!」と板長は大笑いする。ただのニンジンに、大いに感動してしまった。これまで見たなかでも、トップ5にはいる美しい色をしたドレッシングだった。

ひさしぶりにドレッシング・コーナーへ足を運んでみると、その種類の多さに圧倒される。壮観だ。にんじんドレッシングといっても、数種類はある。成分表をみながら、自分の理想のにんじんドレッシングについて考えてみた。

  • にんじんのつぶつぶが残る
  • 透明感のあるオレンジ色
  • ほどよい甘味、ほどよい酸味

以上の三つの条件を満たすべく、試作をくり返し、ようやく家庭内量産体制にはいった。

にんじんドレッシングのコツ

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にんじんドレッシングの素晴らしいところは、その色である。ただのグリーンサラダにかけるだけで、サラダの世界観は180度変わる。つくりかたは、材料を混ぜるだけなので簡単なんだけれど、理想の条件を満たすためにはいくつかのコツがあることがわかった。

手ですりおろす

ニンジンは、すりおろし器を使って、手ですりおろす。機械を使うと、ニンジンの繊維が潰れすぎてしまうからだ。私はセラミック製のすりおろし器を使っているが、円を描くようにして、あまり力を込めずにすり下ろしていくと、ほどよくつぶつぶ感が残って美しい。
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ブレンダーを使わない

ブレンダーを使って油とその他の食材を混ぜると、乳化しすぎて、ドレッシングの色が濁ってしまう。これもこれでありなんだが……透明感のあるにんじんドレッシングをつくるには、油を少しずつ入れてゆっくりかき混ぜていくのがいい。
ちなみにこちらがブレンダーを使ったものだが、透明感に違いがある。

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ハチミツとりんご酢

品種によってニンジンの糖度は変わってくるが、できれば自然の甘味をいかしたい。そこで砂糖を使わずハチミツでコクを出すことにした。また、りんご酢も酸度のおだやかな商品を選ぶ。これでほどよい甘味と酸味のバランスをとっていく。

醤油の種類

醤油は濃口・薄口・白醤油などあるが、濃口を使うとドレッシングの色が暗くなってしまうので、白醤油もしくは薄口醤油を使う。濃口を使う場合は分量を控え、塩で塩分を足していくといい。

油について

なるべくクセがなく、色がついていない油を使う。今回はヒマワリ油と太白胡麻油をブレンドして使ったが、くるみ油やピーナッツ油を使ってもコクがでる。

にんじんドレッシング

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材料

ニンジン 50g すりおろす
タマネギ 25g すりおろす
りんご酢 大さじ2 酸度4.5%、純りんご酢
ハチミツ 小さじ2 アカシアハニー
薄口醤油 小さじ2
レモン果汁と皮 少々 ※補足あり
小さじ1/2〜  
大さじ6 太白胡麻油とひまわり油のブレンド

※人参が新鮮で、香りと味が濃すぎる場合、レモン汁とすり下ろした皮を1/2個ほど混ぜると、クセがまろやかになる。

つくりかた

  1. リンゴ酢〜塩までをボウルに入れて、よくかき混ぜる。
  2. すり下ろしたニンジンとタマネギを加えて混ぜる。
  3. ②に油を少しずつ加えて、ゆっくりとかき混ぜる。

補足:魚貝のサラダに使う場合は、ショウガの絞り汁を混ぜるといい。

ねっとり濃厚なカツオのユッケ

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先週末、いしかわ伝統工芸フェアで手に入れたのは漆の大皿。
ケヤキの皮に漆を施したものなんだが、ベリっと剥がした自然そのままの形で、唯一無二。小さなものから、大きなものまで、その歪な形はまさに自然美だ。
漆の器というと、扱いが難しそうに感じられるが、店主いわくこの皿は多少水につけておいても大丈夫だし、なにより軽くて洗いやすいという機能美まで兼ね備えている。お値段も手ごろで、これこそ暮らしに寄り添った器だ。
作り手は金沢の山中漆器、文平堂さんだ。

寿司をのせてもいいし、チーズや生ハムもいいなあ……と考えながらスーパーに向かい、目に入ったのが鰹のさくだった。刺身にするつもりだったが、新しい器を目の前にして計画を変更、たたきにすることにした。
いつもはマグロの切り落としでつくるたたきだが、鰹だとねっとりした食感が面白いので、韓国風の味付けにしよう。

カツオのユッケ

材料

カツオ(刺身用) 170g
卵黄 1個
小ネギ 少々 みじん切り、飾り用
紫蘇 1枚 飾り用
胡麻 適量 飾り用 
海苔 好きなだけ
醤油 大さじ1
コチュジャン 小さじ2
胡麻 小さじ2
砂糖 小さじ1
ニンニク 少々 すりおろし

※ 生のニンニクが苦手であれば、ショウガも◎。

つくりかた

  1. 調味液:醤油〜ニンニクを合わせておく。
  2. カツオを切る。今回は海苔に巻いて食べたかったので、細かめ。
  3. カツオに①の調味液を加えて和えて、落としラップをして2分ほど冷蔵庫で馴染ませる。
  4. 冷やしているあいだに、薬味を用意する。
  5. 皿に紫蘇をしき、カツオを盛って真ん中に卵黄を落とし、海苔を添えたらできあがり。
【補足】ちょっとしたアイデア

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洗った小ネギを適当な長さに切り、青いところと白いところを互い違いにして輪ゴムでしばったまま小口切りにすると、少量使いたい場合でも彩りがよくなる。
濡れたキッチンペーパーで包み、保存容器にいれて冷蔵すると日持ちする。ミニサイズのステンレスの薬味入れは、家庭の冷蔵庫にも収まりがよく、かなり便利だ。

エビ味噌がとけた濃厚ソースがうまい、真冬のカタプラーナ

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冬の寒さもそろそろ底をつく頃だろうか。いま魚屋の売り場のほとんどを占めているのがマダラ。鍋用のぶつ切りで300円くらいだからついつい手が伸びる。
お買い得のアルゼンチン赤エビも手に入れて、カタプラーナにしよう。
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エビ味噌の味を引き立たせたいので今回はトマトソースは使わない。エビ味噌がとけだした濃厚ソースにはミディアムボディの赤ワインがおすすめだ。

そういえば先日、「カタプラーナって便利なの?」という質問をいただいた。
「違う鍋で同じものを作れるかといえば、作れるんですけど、やはり銅の熱伝導の威力は感じますねー。鍋に材料入れたら、魚介の場合あっという間ですから。形はホームパーティ向けかも」
とにかく一品、腹に入れたい! という状況でも、10分くらい火を通せば出来上がってしまう料理なので、共働きなど忙しい人にこそうってつけの鍋だと思う。





カタプラーナ鍋

材質:銅(内側に錫メッキ)
サイズ:直径21cm(1〜2人用)+鍋敷き/日本語レシピつき※IH調理器は非対応
備考:直径26cmあり(3〜4人用)

マダラとアルゼンチン赤エビのカタプラーナ

材料

タラ 小さめ1尾 ぶつ切り
アカエビ 4尾
ニンニク 5片 たっぷりみじん切り
乾燥唐辛子フレーク 小さじ1
オリーブオイル 大さじ3
ワイン 100cc
塩・胡椒 適量
パクチー 山盛り 粗みじん切り
レモン 1/2個 好みで

つくりかた

  1. ぶつ切りのタラはよく洗って、塩をしておく。
  2. エビは頭と身を切り離す。身は殻をとって背わたを抜き、薄塩をしておく。
  3. コンロにカタプラーナをおいて、安定させる。
  4. 中火でオリーブオイルを熱し、唐辛子フレークを入れて香りを出す。
  5. ニンニクとエビの頭を入れてじっくり炒める。
  6. エビの頭に火が通ったら一度バットなどに引き上げ、次にタラの両面をさっと焼く。
  7. エビの頭を戻して、白ワインをいれたらカタプラーナの蓋を閉める。中火で5分蒸す。
  8. 蓋をあけてタラの上下をひっくり返したらエビの身を飾り付け、パクチーの半量をふりかけてさらに1分蒸す。
  9. 底からかき混ぜてソースを全体にいきわたらせる。塩見が足りなければ調整する。レモンを搾って食卓へ。

【暮らしの道具】ここがすごいよ、アルミのヤットコ鍋

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年末もさし迫り、ヤットコ鍋への熱が急上昇。それも当然、お節の季節が近づいてきているからだ。
ヤットコ鍋とは持ち手がない雪平鍋(行平鍋)で、柄がないので重ね置きができるため、手狭な厨房でも重宝する昔ながらの鍋である。
働いていた和食店ではこのヤットコ鍋が調理器具のほとんどを占めるほどだった。初めて鍋を握ったときは、今にも鍋が滑り落ちそうな負の妄想にとりつかれ、思わず歯をくいしばるほどだったが、慣れてしまえばこんなに使い勝手のよい鍋もない。今回は素人が使ってみたヤットコ鍋のすばらしさについて、書いてみたい。






nakao/中尾アルミ製作所 アルミ 打出 ヤットコ鍋(目盛付)21cm

内寸 :21cm 深さ:87mm/本体重量:0.6kg/材質:アルミ/容量:2.7L

ここがすごいよヤットコ鍋

ヤットコ鍋の素材

ヤットコ鍋は昔、アルミニウムが主流だったが、ここ最近はステンレス、またはその他の金属を使った多重構造のものも販売されている(ちなみに銅製のヤットコ鍋も気になるところだが、ちと高価である)。
というのも一時期、アルミニウムがアルツハイマー病を引き起こすというという噂が広まってしまったからだ。とはいえこの誤情報については論拠に乏しく、その因果関係を証明するものはないと厚生労働省も認めている(データ改ざんしまくる厚生労働省の発表を鵜呑みにするのも微妙かもしれないが、実際アルミ鍋を常用していた世代はそれなりに元気じゃないか)。
この風評被害によって廃業した鍋メーカーもあるほど、その打撃は凄まじいものだったという。
また鍋からアルミニウムを摂取できるとしてもそれはごくごく微量で、ほとんどは人体の外へそのまま排出されてしまうから気にすることはないのだ。むしろベーキングパウダーや添加物のほうが危ないだろう。この点についてはフライパン倶楽部の記事が詳しいのでぜひご一読いただきたい。
アルミ鍋 風評の考察:美味しさの科学:フライパン倶楽部

私は、堂々とアルミニウムのヤットコ鍋を使っている。なぜならアルミニウムだからこそヤットコ鍋の威力を体感できるからだ。

アルミニウム×ヤットコ鍋=最強の料理ツール

とにかく軽い!

アルミ調理器具メーカーの老舗、中尾の21cmのヤットコ鍋は600gだ。容量が2.7Lなので最終的には3kgを超えるものの、そんなに満水で使うことはまず、ない。
同メーカーのステンレス合金でつくられたキングデンジと比べても、その重量はほぼ半分といえる。

名称 容量 重さ 板厚
中尾 アルミヤットコ鍋 21cm 2.7L 600g 3mm
中尾 キングデンジ ヤットコ鍋 21cm 2.7L 1300g 2.5mm

炒めるときだって鍋は楽々ふれる。同じ口径でも、ル・クルーゼなら片手持ちはかなり厳しい。
日常使いの鍋において、軽いは正義なのだ。

驚異の熱伝導!

よく鍋で使われている金属の熱伝導率を比較すると、銅>アルミニウム>鉄>ステンレスの順番になる。もちろん最近ではステンレスとの合板素材もあるので簡単に優劣がつけられるものではない。
いちばん汎用的かつ安価なのはアルミニウム素材であり、だからこそ日本の食卓に浸透したといえよう。
さらに突っ込むと、アルミニウムの厚さによって火の通りかたが違ってくる。
中尾のヤットコ鍋の板厚は3ミリという極厚構造なので、大鍋の場合は顕著に、ステンレスよりもあっという間に湯がわく。
なので茹でる、出汁をとるといった和食の中心となる調理がストレスフリーなのだ。

鍋ごと蒸せる

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柄がないので、調味液ごと蒸し器にそのまま入れられる。
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収納スペースいらず

柄がないため重ね置きできるのが日本の極小台所にはピッタリだ。

洗いやすくて衛生的

柄がある鍋と比べて断然洗いやすい。まぁ、ボウルを洗っているようなものだ。柄の部分は焦げついたり、汚れが詰まったり、とにかく掃除しにくい部分なんだが、そういう意味ではまるっと洗えるので衛生的にも優秀といえる。
そしてここでも軽いは正義だ! がでてくるが、軽いと洗うのも負担が少ないのだ。

ヤットコ鍋の使いかた

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ヤットコ鍋を、ヤットコばさみを使って初めて持ち上げたときの恐怖は今でも忘れないが、板長に教えられた唯一のコツがこれだ。

●ヤットコばさみを握るさい、小指だけ内側に入れる

●脇を軽くしめて、ヤットコばさみで鍋縁を握り、自分のほうに引きよせて、鍋を持ち上げる。

フォーム的にはGACKT氏が格付けチェックで正解したときのガッツポーズ、「ヨッシャー」に近い。
テコの原理を使うわけだが、ヤットコばさみを垂直に持ち上げるより、一度引き寄せて持ち上げたほうがたしかに軽く感じるのだ。
最初は小さなヤットコ鍋から始めたが、人間とは慣れる生き物で、そのうち大きなヤットコ鍋でも持ち上げられるようになってくる。
とはいえ油断は禁物。鍋の中身によっては思いのほか重たい場合もある。
引き寄せてしっかりと握り、傾けて、少し持ち上げて自分の握力と相談するのはもちろんだ。

ヤットコ鍋の取り扱いについて

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アルミニウムのヤットコ鍋は、使っているうちに黒ずんでくる。この黒ずみは決して悪いものではない。気になる人によってはスチールたわしでゴシゴシこする場合もあるとは思うが、そうすると鍋はすぐに傷つく。アルミニウムは柔らかい素材なのだ。
まずはヤットコ鍋に付属している説明書をさらっておこう。

  • 空焚きしない。
  • 使用後はよく洗って乾燥する
  • 満水で使用しない
  • 鍋の中に長時間料理を保存しない
  • ナイロンたわしで洗う。
  • 焦げつき等を落とす際に、ナイフなど鋭利なものを使わない。
  • 酢、重曹など酸性、アルカリ性のものは避ける。
  • やっとこ鍋にはかならず「やっとこばさみ」を使う。

ヤットコばさみは必要か?

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ヤットコ鍋を使うには、柄の部分を補うヤットコばさみが必要になる。
この鍋だけにヤットコばさみを買うのは馬鹿らしいと思うかもしれないが、意外とこれは使える道具だ。
たとえば焼きたての小さなグラタン皿やアヒージョ鍋など、オーブンミットでは少し扱いづらいものでもヤットコばさみでひょいと持ち上げられるのだ。これは嬉しい誤算だった。

とはいえ、ヤットコばさみには慣れも必要。料理をぶちまけたら元も子もない。
中尾のヤットコばさみは、挟む部分がワッフル状に加工されていて、店にあるものよりも滑りにくい構造になっていた。
もしヤットコばさみを使いこなす自信がなければ、ティファール風のワンタッチで固定してくれる「パングリッパー」も一案かもしれない。
しかし、私は全力で普通のヤットコばさみをオススメする。というのも昔、柄が取り外せるティファールを使っていたが、かなりぐらつきはあったし、その鍋にしか使えない構造になっているからだ。結局は鍋ごと手放すことになったが、調理器具はシンプルに限ると学んだいい機会だった。




中尾アルミ製作所 ヤットコバサミ

サイズ:24cm/本体重量:0.365kg/素材・材質:鉄クロームメッキ/原産国:日本




やっとこ鍋 ヤットコ鍋用 ハサミ パングリッパーL型

外寸 :全長:190mm/重量:210g/材質:鉄・クロームメッキ

ヤットコ鍋でパスタをつくれるのか?

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本格的にパスタをつくる人であれば、たいていの人がアルミパンを使っているだろう。なぜプロがアルミパンを使うかといえば、ソースの色が見やすい、そしてアルミニウムの性質上、熱しやすく冷めやすいため火加減のコントロールがしやすいのためだ(熱伝導率は高いが、熱容量は小さい)。
そこでふと思ったのだが、ヤットコ鍋でパスタをつくってみたらどうだろうということだ。

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考えていてもしょうがないので、まずはカルボナーラをつくってみた。
ベーコンを炒めて、パスタの湯がき汁でのばしたらパスタを入れる。ひたすらかき混ぜていくとだんだんとろりと乳化してくるが、鍋の色が明るいためその様子がとてもよくわかる。
そして、パスタではフライパンをあおるという行為がよく見られるが、ヤットコばさみでも余裕でクリア。鍋の高さがあるので、素人でもソースの飛び散りが軽減されるうえに、アルミパンと違って柄が熱くならないのが最大の強みか。なおアルミ鍋は傷がつきやすいので、混ぜるときはシリコンでカバーされたトングや菜箸を使うことを強くおすすめする。
カルボナーラの正念場は卵液を加えてとろりと仕上げる過程だが、温度が高すぎると卵が固まってボソボソになってしまう。ここは火を切って余熱で手早くかき混ぜると失敗が少ない。
そうしてカルボナーラは無事に完成したのだ。出来映えもまずまず。
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アルミ鍋の黒ずみを簡単にとる方法(2019年5月追記)

やっとこ鍋
すっかり黒ずんでしまったヤットコ鍋
ていねいに取り扱っていたはずのヤットコ鍋が、真っ黒になってしまった。原因は、水道水を長い時間沸騰させ続けてしまったことだ。アルミニウムと水が酸化して、水酸化アルミニウムが表面に付着してしまったのだ。ちなみに、卵を茹でても鍋は黒ずむ。これは炭酸カルシウムが化学反応を起こしている。

この黒ずみ、体に害はないが、やはり見てくれが悪いのと、出汁の微妙な色あいが判別しずらいのは問題だ。そこで一般的な対処法を検討してみる。

  • レモンの切り口で磨く→ひとつ200円もする国産レモンを使うにはもったいなさすぎるので却下。
  • クエン酸を入れて沸かす→わざわざ買うのもどうなのか? 保留したのち却下。
  • 酢を沸かす→黒ずみの高さによっては相当な量の酢が必要になる。
  • リンゴの皮をいれて沸かす→リンゴの季節じゃなかったので却下。
  • 金たわしとクレンザーでがしがし磨く→傷がつくからあり得ん! 却下。

どれも納得のいく対処方法でなく、鍋の黒ずみはしばらく放置することになってしまった。
ところがある日、あの頑固な黒ずみはすっかり消えていたのだ。

一石二鳥にヤットコ鍋の黒ずみをとる方法

それは、土佐酢をつくった直後のことだった。
結果的に対処法③の「酢をわかす」に近いことをやっていたわけだが、酢を無駄にすることもないし、土佐酢もできるしで、一石二鳥だ。
後日、ピクルスの原液を沸かしてみたところ、こちらも同様に効果あり、黒ずみがすっきり落ちた。
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また別の日には、自家製トマトソースでパスタをつくってみたところ、これまた黒ずみがすっきり落ちた!
つまり、酸の強い料理をつくれば、黒ずみは無理なく、自然にとれるのだ。
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アルミ鍋と相性がいいのはアクリルたわし

アクリルたわし
最後にオススメしたいのは、アクリルたわしだ。
まるでおばぁのようにかぎ針でグラニースクエアを編むことにはまっていた時期があり、もう一生分ほど在庫がある。これはなんとか消費したいと、掃除用具として使ってみることにした。
水だけで落ちると評判のアクリルたわしだが、食器に関しては正直、普通のスポンジのほうが汚れが落ちる。
だが、油分がついて黄色っぽくなってしまったアルミ鍋を、アクリルたわしで磨くと面白いほど汚れが落ちるのだ。繊維が細かいので、鍋を傷つけることもない。
アクリルたわしを知人に配りまくるお節介おばぁがいたら、ありがた〜くもらっておいたほうがいいのだ。