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時速1kmの思考

ワインに合う鯛のアラ飯

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店では魚をまるごと仕入れると必ずアラがでるんだが、板長が賄いで出してくれる潮汁が最高だ。特に鯛は骨までしゃぶりつきたくなるほどうまい。捨てるところなし。
腐っても鯛とはよく言ったものだ。

そこで鯛のアラを使って、和風の鯛パエリア、いや洋風の鯛飯? をつくることにした。鯛飯といってしまうと語弊がある。鯛のアラ飯だな。

鯛のアラでがっつりとった出汁で飯を炊く。鯛を丸ごと使わないかちょっと貧乏臭いかもしれないけど、潮汁を十二分に吸った米は本当にうまい。大きめのアラが手に入ったらぜひ試してみてほしい。

ワインに合う鯛飯

材料

200g 米1合+もち麦50g
魚貝出汁 600cc  
鯛のアラ 1尾分
ニンニク 1片 みじん切り
タマネギ 1/4個 粗みじん
紫蘇 たっぷり 千切り
塩・胡椒 適量
オリーブオイル 適量

つくりかた

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鯛のアラに塩をしてしばらくおき、熱湯にくぐらせて霜降りにしたら冷水に落とす。血合いと鱗を手でしっかり取り除く。
改めて水、昆布、アラを鍋に入れて、火にかける。湯が沸き始めたら昆布を取り出して弱火にし、のんびり30分以上煮ていく。
出汁が取れたらざるに漉し、身と出汁を分けておく。
骨の周りの身はほぐし、頭とカマは身がついているので、このまま使う。

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鉄鍋(すき焼き鍋)にオリーブオイルを入れ、ニンニク、タマネギ、紫蘇の半量を炒めたのちに出汁を入れ一煮立ちさせ、米を入れて中火で炊いていく。ここで薄く味付けをしておく。
米が見えるくらいに出汁が減ったところで味見をして、まだ固ければ出汁もしくは水を足し、さらに炊く。

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煮汁が減ってきたところにほぐした鯛の身、頭とアラを戻し、230度のオーブンで10分くらい焼く。
表面がパリッとしたらオーブンから取りだし、残りの紫蘇を散らして出来上がり。

鰤のカマは揚げてさっぱり「ぶりかま酢」

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鰤のカマの調理法といえば「焼く」「煮る」くらいしか思いつかなかったし、実際それが定番だろう。
だから、鰤のカマを揚げて、酸味の利いたタレにつけこむ「ぶりかま酢」という料理を板長がつくってくれたときはとても新鮮で、すっかりはまってしまった。

カマの脂×揚げ油。一見、胃もたれしそうな取り合わせなんだが、タレにつけると、それこそタレをすべて飲み干せるほどいい塩梅になるのだ。これこそ料理人の妙技である。

つくりかたはとても簡単だが、ポイントが2つある。
ひとつは、必ず天然のブリのカマを使うこと。たとえばヒラマサのカマでつくると、不思議なことにタレの酸味が立ちすぎてしまう。つまりカマに脂がのっていないと酢を弾かず、タレに負けてしまうのだ。
ちなみにこのタレは、焼餃子にも合うことがわかり、一堂驚いた。

ふたつめは、カマを醤油洗いすること。カマに適量の醤油をかけることで、魚介の生臭みを取りつつ、下味もつけることができる。

とにかく日本酒との相性が抜群で、幸せな気分になる料理だ。

ぶりかま酢

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材料

鰤カマ 適量
濃口醤油 適量
片栗粉 適量
出汁 180cc 昆布とカツオの合わせ出汁
 穀物 60cc
 みりん 少々 隠しみりん
 薄口醤油 少々
 ネギ 適量 小口切り
 七味 少々

つくりかた

1. 鰤カマは鱗をすき引きする。

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包丁での「すき引き」が難しければ、ピーラーや金たわしを使うのも手かもしれない。とにかく、しっかり鱗がとれればいい。

2. ブリカマを一口大に切る

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3. 醤油洗いをする

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ブリカマに濃口醤油をまぶして、手で全体をまぜておく。

4. タレをつくる。

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出汁〜七味までを合わせる。火は通さないので、これを「生あわせ」と呼ぶ。
出汁と穀物酢の割合は3:1。カマの分量が多ければこの割合で増やしてほしい。

5. 揚げる

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ブリカマに片栗粉をまぶして、しっかりと揚げる。






岩鋳製南部鉄器 揚鍋16【揚げ鍋】

●外寸:底径:140 ●内寸:φ160 深さ:75 ●本体重量:1.4kg ●容量:1.1L ●材質:鉄 木 ●電磁調理器対応:200V

6. タレにつける。

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熱々のブリカマをタレにつけたら出来上がり。

激辛爽快! 自家製麻辣油

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食べるラー油が一世を風靡したのが2009年の頃。それまでは餃子につける「赤い色をした油」であり、あくまで中華専用の調味料だった。いつのまにか日本中にご当地ラー油が現れ、そしてまたたく間に日本人のラー油熱は収束していったかのようにも見えたが、それは日本の食卓における定番調味料に落ち着いたのだと、私は理解している。

さて、私が麻辣油をつくり始めたのは5年ほど前。手違いで1kgの唐辛子を購入してしまったのがきっかけだった。

麻辣油は麻(マー:花椒の辛さ)と辣(ラー:唐辛子の辛さ)の、二種類の辛みを併せもつハイブリッド型ラー油。
この麻辣油を使った麻婆豆腐や水餃子を客人に出してみるとおもいのほか評判がよく、レシピを教えてくれだの、一瓶ゆずってくれだのと喜んでくれるので、調子に乗りやすい私はせっせと麻辣油をこしらえ、ついには麻辣油を切らすことに恐怖感さえ覚えはじめ、そしてつくるたびに辛さも過激になっていった。

いまや我が家では欠かせない調味料のひとつに成長した麻辣油の使い道はこんな具合である。

麻辣湯の使い道

皮蛋と豆腐の和え物に加える

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茹でた魚貝や肉、野菜と和える

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芝麻醤と合わせて担々麺のスープの素に

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蒸した鶏肉にかける

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ひと垂らしでなんでもパンチのある中華風になってしまう麻辣油。激辛仕様なのでマイルドがお好みであれば唐辛子を半量にしてほしい。

激辛! 自家製麻辣油

材料

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花椒(ホール) 20g
粉唐辛子 60g
日本酒または水 適量
植物油 360cc 米油を使用
生姜 10g(一片)
ネギ 半本 青い部分でよい
ニンニク 3片
シナモン 1本(5gくらい) 保存容器に合わせて適当に折っておくといい
八角 1個
ローリエ 2枚
ゴマ油 大さじ2

つくりかた

花椒を煎る

花椒をフライパンで香りが出るまで煎る。手で潰すとぽろりと崩れるくらいが目安。

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唐辛子を湿らせる

ボウルに唐辛子を入れて、日本酒または水で湿らせておく。唐辛子の焦げつきを抑えるためだ。

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油に香味野菜・ハーブの香りを移す

鍋に油をいれ、生姜〜ローリエまでの香味を入れて中弱火でゆっくりと温度を上げていく。ネギ、生姜、ニンニクは色付いてきたら引き上げておく。

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油と唐辛子、花椒を合わせる

油が180度に達したら、唐辛子に注ぐ。

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手早くかき混ぜて、蓋をして唐辛子が沈殿するのを待つ。

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唐辛子が沈んだら、挽いた花椒ゴマ油をいれてかき混ぜ、新聞紙で蓋をしてそのまま冷やす。

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常温になったら保存瓶に入れる。ひとつは冷蔵庫へ、残りは冷凍庫。
私はスパイスも瓶に入れてしまう。というのも、この緋色の風景に映るスパイスの影がなんとも美しいからだ。
底からかき混ぜて食べてほしい。

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メゴチを松葉おろしにして天ぷらで喰らう

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魚屋でたまに見かけるメゴチ。たいてい売り場の目立たない場所においてある。
だがこちらもギンポと同じく、江戸前天ぷらの雄。1パック200円と格安なんだが、残念なのは「こちらの魚は下処理いたしません」とパックに明示してあることだ。たしかに、この小さな魚を捌くとなるとそれなりの人件費もかかるわけで、200円じゃ魚屋としても割に合わないんだろう。

konpeito.hatenablog.jp

つまり、メゴチの天ぷらを喰らうには自分で捌くしか選択肢がないというわけだ。
では早速、メゴチを松葉おろしにしてみよう。

松葉おろしは、キス、メゴチ、小さいアジなど小魚に向いた捌きかただ。そのおろした形が松葉に似ていることからこの名前がついている。小さくて最初は手こずるものの、慣れてくるとクセになるのが松葉おろしの醍醐味。なんせ頭でっかちで食べられるところが少ないから腹を満たすには何匹も捌かなくてはならない。だから目に見えるように上達していくのだ。

メゴチを松葉おろしにする

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背びれをちょっと持ち上げて、尾っぽから頭に向かって皮を削いでいく。

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頭のあたりまで削ぎ終わったら、垂直に切り込みを入れる。頭をすべて落とすのではなく、皮ぎりぎり一枚残す。

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身をひっくり返し、頭を折る。

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エラのあたりの中骨を包丁で押さえながら、折った頭を手で左にスライドさせると皮が剥ぎ取れる。これがうまくできると、気持ちいい。

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中骨にそって包丁を入れて片身を剥がしていくが、尾はつなげたまま。

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裏返してもう片方にも包丁を入れて身を剥がす。

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松葉の形になったところで、中骨を尾の付け根で切り落とす。

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しっかりと水気を取り除いたら高温でさっと揚げて天ぷらの出来上がり。

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岩鋳製南部鉄器 揚鍋16【揚げ鍋】

●外寸:底径:140 ●内寸:φ160 深さ:75 ●本体重量:1.4kg ●容量:1.1L ●材質:鉄 木 ●電磁調理器対応:200V

いつかいく旅、蕎麦の旅

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銀座でいつも立ち寄る田中屋という蕎麦屋がある。私のなかではちょっと贅沢な蕎麦屋というカテゴリーに入る。
今日は山かけせいろを堪能し、お勘定をしているときふと、レジ脇に積んであるB5変型サイズの冊子が目に入った。

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ページを捲ると、記事は蕎麦に関することばかり。ずいぶん尖った雑誌があるもんだ。そこで立ち読みするわけにもいかず、店員に声をかけてありがたく頂戴してきたのが「季刊 新そば No.161」だ。

全国のそば老舗店をまとめる「新そば会」という協会が発行しているもので、創刊は昭和35年(1960年)だという。雑誌の廃刊が相次ぐなか、58年も続けているのか。「蕎麦の文化史」とうたうだけあって、その存在がもはや文化の一端を担っていることになんだかありがたささえ感じる。

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見開きの日本地図に書き込まれた加盟店の分布図は、ずっと眺めていても飽きない。猫がいることもあって国内をあまり旅することはできないけれど、いつか新そば会に加盟しているすべての蕎麦屋を巡る旅なんていいかもしれないな...とすでに妄想旅行。

いつかいく蕎麦屋の候補。ふらりと立ち寄った土地で蕎麦は食べたくなったら、この冊子を開けばいいわけだ。とはいえ、いつもこの冊子を持ち歩くのもなぁと思っていたら、公式サイトを見つけた。

全国新そば会net

www.meiten-net.com

そろそろ新蕎麦の季節。蕎麦の旅にでかけたい。

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