どうやって焼けばいいんだ!?
猫に食べられないよう冷蔵庫に隠しておいたホットドッグ用のコッペパンは、すっかり冷えきってしまったうえに、固い。
もともと食パンや好物のイングリッシュマフィンは、台所に備え付けてある魚焼きグリルで焼いているが、高さのあるコッペパンは天がつっかえてしまうから、あっという間に燃えてしまうのは火を見るよりも明らかだ。パンを握りしめたまま朝っぱらから途方に暮れる。
諸事情によりいまは電子レンジもオーブンもないので、温める手段としての熱源はガスの直火のみ。いってみればこりゃ、キャンプにきたようなものである。となれば、網焼きするしかないと取り出したのが「Kan焼き上手」、ガスコンロにのっけて焼くタイプの魚焼き器だ。
芯まで冷え切った裸のままのパンをのせれば表面ばかり焼けてしまうだろうから、アルミホイルで包んでじっくりと焼くことにした。
ふわっとパンの甘い香りが立ち上ったところでひっくり返し、またじっくり焼いていく。
アルミホイルを開けてみると、見事にふんわりとパンが復活していた。茹でたソーセージを2本挟んで、マスタードとケチャップをたっぷり塗り、目玉焼きと自家製ピクルスを添えてブランチとする。
アルミホイルのおかげで冷たい陶器の皿の上でも温かさがキープできるし、手も汚れずなかなか具合がいい。生粋のインドア派だが、キャンプも悪くないかもとうっかり口に出しそうになったのは、この春の陽気のせいに違いない。
ちょうど桜は満開だけれど、今年も花見は自粛することにした。来年こそはホットドッグを小脇に抱えて花見にでかけたい。