フライドポテトは別腹らしく、どんな宴会でも必ずあっという間に売り切れるからあきれてしまう。
フライドポテトは手軽にみえて奥の深い料理だと思う。表面はカリッと中はほくほくのフライドポテトをつくるにはなかなかに難しい。
理論上は、低温(120〜165℃)で8〜10分、そして高温(175〜190℃)で3〜4分揚げると出来上がるわけだが、そのために二度揚げしたり、油の温度を調整したり、休ませる時間を設けたりと、細やかな調理が要求される。
そうやって生真面目に揚げたジャガイモはとてもうまいが、宴会となると自分も参加したいし、かといって調理するのは自分しかいないし、他の料理もあることを考えたら調理時間は短いほうがいい。
ということで、いかに揚げる時間を短くし、かつ表面はカリッと中はしっとりを目指したフライドポテトを揚げるのかを考えてみた。
ある程度の下ごしらえをしておけば、当日は強火でがんがん揚げるだけ。細かいことを気にしなくていいので宴会にも集中できるってわけだ。ポイントは3つある。
フライドポテトをカリッと揚げる3つのポイント
水にさらす
たっぷりの水に切ったジャガイモをさらすことで、アクによる変色を防ぎつつ、デンプン質を洗い流すことによって、カリッとした食感が生まれる。
水にさらしたあとは、ザルにざざぁ〜と流してはいけない。これはフレンチの巨匠ジョエル・ロブションも指摘していることだが、せっかく落ちたデンプンがまたジャガイモについてしまう。
なので上澄みをすくうように、そっと手でザルに移して水切りしよう。
水から茹でる
ジャガイモは、低温で下ごしらえすることで、ある程度の型崩れを防ぎならジューシーに調理することができる。
これにはジャガイモのデンプン質が糊化する温度(ジャガイモの場合「糊化温度」は58〜66℃)が関係してくるわけだが、ざっくりいうと、この温度を保って加熱すれば、その後長時間加熱しても固さが保たれる性質がある。
「ジャガイモは水から茹でろ」というのはこの性質を利用したもので、温度をゆっくり上昇させることで、外側がしっかりとかたまれば煮崩れしにくいのだ。
ジャガイモのほかにサツマイモ、ビーツ、ニンジン、カブ、カリフラワー、豆、トマト、リンゴなども同じような性質がある。
コーティングして高温で揚げる
ジャガイモの表面にバッター液(水や牛乳で小麦粉を溶いたもの)などでコーティングしてから揚げることで、ある程度時間が経ってもカリッと食感が持続する。
時間が経ってもへにゃっとしないのは、宴会向けである。
皮付きフライドポテト
材料
ジャガイモ | 5個 | ヒネもの |
塩 | 少々 | |
強力粉 | 適量 | |
青海苔 | 適量 |
つくりかた
- ジャガイモをくし切りにして、水にしばらくつける。
- やっとこ鍋にジャガイモ、2〜3%の塩水をひたひたになるまで入れて、火をつける。沸騰寸前に火を止め、蓋をして余熱で調理。常温になるまで放置する。水気をしっかりとったら冷蔵庫で保存。ここまでは前日までに準備ができる。
- 小麦粉を薄くつける。
- 高温で一気に揚げる。ジャガイモはすでに加熱済みなので、菜箸でつまんで表面がカリッと黄金色になるまで中・強火でがんがん揚げる。だいたい2〜3分だろう。
- 揚がったジャガイモに塩、青海苔を振って、できあがり。
ジャガイモは下味をつけたのでそのまま食べてもうまい。あまったらサラダの付け合わせにもなるので、多めに下ごしらえしている。