mogu mogu MOGGY

mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

【祝】ブログの記事を100件書くという目標を達成

https://68.media.tumblr.com/4f9eb87bf8a971efd8e3896a9cbb2d6d/tumblr_o0f49nabei1qbz7lgo1_1280.jpg

ブログをはじめたきっかけ

このブログを開設したのが2016年の1月。何を書いていくのか、どう書いていくのか、明確には決めていなかったものの、とにかく新しいことをやりたいと見切り発進で始まった。

そのとき、まずは100件の記事を書こうと決意した。それを達成するまでは、旧知の友人であってもこのブログの存在は知らせない。もともと飽き性なところがあって、いつやめてしまうのかもわからなかったし(これまでも放置してしまったブログがいくつかある)、知り合いのことを一般的に書くのに気を遣うのもばからしいし、自分がどういうテンションで書いていくのか模索している状態でもあったからだ。

途中、PCが壊れてしまい半年ほど中断してしまったが、今年にはいって復活を果たし、前回の記事でついに100件を達成した。なかにはどうしようもない記事もあるけれど、達成できたことは素直に嬉しい。

先月には“はてブ”のおかげで、瞬間風速的に一日1000人以上の方がこのブログを訪れてくれたし、コメントもいただいた。これは本当に励みになったし、モチベーションが上がった。この場を借りて、お礼を申し上げたい。

記事を100件書いてみて

そこでこの機会に、このブログについて考えなおしてみたいと思う。このブログは誰かの役に立っているのだろうか? 楽しめるものになっているだろうか? というのがいちばん気になるところである。

ときどき文章に赤字を入れてもらうんだけれど、私の文章は固すぎて万人受けしない、面白くないと言われた。そしてもっと自分の気持ちを書いていくべきだとも言われた。まだまだ文章にむき出しの自分が表れていないのは、大いに反省すべき点であり、今後の課題でもある。

このブログを始める前は、Tumblrを二年ほど書いていた。今も継続中だ。これは毎日の食事の記録である。最初はこれにレシピを書いていくはずだったが、毎日の食事のすべてをレシピ化するのは途方もなく膨大な作業であることがわかり、今ではただ写真を並べているだけである。
55cooking.tumblr.com
そんなTumblrにも意味はあって、直近何を食べたのかがわかるし、旬の食材もおのずも見えてくる、なにより日々の食事の支度が楽になることがわかった。

どうやら今の私は食に興味がある。ただこれでは雲を摑むような話だ。だからこのブログではもう少し、食と自分を深掘りしていきたい。

今後このブログを通じて実現したいこと

世界の料理を研究したい、色々な食材を組み合わせる、パーティ用の料理を効率的につくる、火の入れ方を科学的に実験する、旬の食材を使って新しい料理を生み出す、保存食をつくる、いい道具とは何かを考える、自分で食材を育てる……いつかは自分の店を持つ野望さえある。

書きながら考えて、考えながら食事をつくり、食事をつくりながら書く。レシピなどあってないようなものなんだから、自分の美味しいと思えるものを突き詰めて、それを誰かに伝えたい。

最近では食を通して、シェフと知りあうことが多くなってきた。先日はメキシコ料理店のシェフ兼オーナーを務める女性が来日した。和食について、そして日本独自の食材を彼女に紹介するのが私のミッションのひとつだった。

これがなかなかに難しいことだった。たとえば「三色生麩の揚げ出し」なんて、説明に困った料理のひとつだ。生麩のつくりかたは理解しているはずが、うまく説明できない。三色とは、プレーン、ヨモギ、粟入りの生麩のことだけれど、「粟」なんて普段に食べないから単語すらわからない。

今後はこういう機会も増えていくだろう。だから日本の食材や調理法についてもっと学び、説明できるくらいの知識を身につけなければならない。そういうことについても積極的に書いていきたい。

どこかの誰かのためになるブログが、自分のためにもなるブログ。今後はそんなブログを目指していきたい。

やっぱり文章が固いかな。さて、今週末のパーティの仕込みでもするか。

お題「ブログをはじめたきっかけ」

【イノシシを食べる④】リベンジ! 猪肉のロースト

https://68.media.tumblr.com/e1b1433301821c082e2987238070b716/tumblr_ongittxQu31tvgyjgo1_1280.jpg

以前、猪肉をローストしたときの反省点として、コンベクション・オーブンの熱風で肉の表面が乾いてしまったことがあった。
konpeito.hatenablog.jp

そこでこちらの方法を試してみる。
前とは肉の部位も重さも違うので、完全に比較することはできないけれど、小さめの肉ならこちらのほうが手軽かもしれない。

① 下味をつける

皮面に格子状の切り目を5mm間隔程度に入れる。
肉の重量(今回の猪肉は450g)の1%の塩(ハーブ塩を使用)を揉み込み、しばらくおいておく。

② フライパンで焼く

油を馴染ませたフライパンで肉を皮面からじっくり焼いていく。脂がどんどんと流れてくるが、いささか鳥獣臭さがあるのでこれは捨てる。
皮がこんがりと焼けたら、ほかの面をさっと焼いて火からあげ、肉を休ませる。

③ オーブンで焼く(200℃で10分、15分休ませる)

天板に水をしき、その上に網、肉をおく。天板の全体をアルミホイルでふんわりと包み、余熱したオーブンで焼いて休ませる。
これを2回おこなう。

④ オーブンで焼く(250℃で3分)

皮をパリッとさせるべく、アルミホイルを取って、仕上げの焼き。肉汁がでないよう、休ませてから切る。

オーブンに入れたり出したりでちょっと手間はかかるような気もするけれど、きれいなロゼに焼き上がった断面を見ると、そんなことは忘れてしまうのだ。
前回と比べても肉質がしっとりしているので、こってりしたソースよりも塩だけのほうが美味しい。

残った肉は後日、猪肉炒飯になりました。
https://68.media.tumblr.com/5b1d2c6e9c92436c9f553430b9b451fa/tumblr_ontf9wwGDe1tvgyjgo1_1280.jpg

konpeito.hatenablog.jp
konpeito.hatenablog.jp

【イノシシを食べる③】猪肉の麻婆豆腐

https://68.media.tumblr.com/19c27f313e2515dad0ada0f67ff04f79/tumblr_opxf5esubf1tvgyjgo5_1280.jpg

猪肉を使った料理のなかでいちばん気に入っているのが麻婆豆腐だ。豚肉よりも強い脂の風味を感じる麻婆豆腐は、やたら白飯かきこみたくなるパンチの効いた味である。

麻婆豆腐の決めてとなる調味料、豆板醤は中華圏へいくたびに土産リストの筆頭にあがってくるんだが、驚いたのはメーカーによって味がまったく違うことだ。変なものを買ってしまうと麻婆豆腐が台無しになってしまう。とにかく混ぜものない、シンプルな原材料の豆板醤を買い求めるところからこの料理は始まるといっていい。

f:id:Xphi:20170515125228j:plain

好んで使っていたのは、塩分が強いが旨みのある香港の九龍醬園の豆板醤だったが、今は手に入りやすく原材料もシンプルなユウキを使っている。九龍醬園のものと比べると熟成度合いが低く、発酵した味噌っぽさよりとんがった辛みがたつので、瓶に書いてある分量(大さじ1)だと相当に辛い。
中華の鉄人、陳建一氏が愛用しているという郫県豆板醤は三年熟成のため、色合いも八丁味噌っぽい色をしている。つまり、どの豆板醤を使うかによって、その他の辛みスパイス、粉唐辛子、花椒、胡椒を調整する必要性がでてくるから、たいていはレシピ通りにいかなくて当然だと考えるべきだ。

そしてどの辛みスパイスをメインにもっていくるかによって、オリジナリティを発揮できるのが麻婆豆腐の沼にはまる理由のひとつ。私は痺れる辛さが好きなので、自家製のラー油にも大量の花椒を入れたうえで、麻婆豆腐にも花椒を大量にふりかけて食べる。夏だろうが冬だろうが、汗腺は大解放される。

辛旨! イノシシの麻婆豆腐をつくろう

まずは中華の鉄人に御指南いただくにかぎる。(残念ながら動画が削除されたようだ)。せわしないイメージのある中華だけど、しっかり香りを確かめながらつくる陳さんの動作はとても勉強になる。葉ニンニクなんかは手に入りづらいので割愛している。

材料

猪肉 100g 粗みじん
豆腐 1丁(300g) 賽の目に切る
長ネギ 山盛り大さじ3 みじん切り。葉ニンニクを使うと本場っぽいが、ニラで代用する手もある
合わせ調味料A   あらかじめ準備しておくといい
 豆板醤 小さじ2〜3  
 甜麺醤 大さじ1
 豆鼓 小さじ2 みじん切り
 ニンニク(すりおろし) 小さじ1
 唐辛子(粉) 小さじ1
 ラー油 小さじ1 自家製の麻辣油を使用
調味料B
 鶏ガラスープ 150cc 塩分が入っている場合味付けを注意
 紹興酒 大さじ1
 醤油 大さじ1弱
 塩・胡椒 少々
水溶き片栗粉 大さじ2 ソースディスペンサーにつくりおき
胡麻 小さじ2
ラー油・山椒油 適量
花椒 たっぷり

konpeito.hatenablog.jp

つくりかた

① 豆腐を温める

https://68.media.tumblr.com/37991685110e49f1d856becd770a11e2/tumblr_opxf5esubf1tvgyjgo3_1280.jpg

1リットルくらいの湯に塩を大さじ半分ほど入れ、賽の目の豆腐をいれて弱火で温める。

② 猪肉を炒める

https://68.media.tumblr.com/94706926f21a40ce68d5c0fa4bada880/tumblr_opxf5esubf1tvgyjgo7_1280.jpg

少量の油を鍋に入れ、強火で肉を炒める。猪肉から脂がかなり溶けだしてくるはずだ。肉に焦げ目がつき、油が透き通るまで炒める。

③ 調味料Aを加えて炒める

https://68.media.tumblr.com/2559eb83605dff509cfa1c5362cca261/tumblr_opxf5esubf1tvgyjgo1_1280.jpg

弱火に落として猪肉を鍋肌に寄せ、油だけを手前のほうに寄せ、その脂で調味料Aを炒める。焦がさないように注意しつつ、しっかり香りを出す。香りが出たら肉と合わせる。

https://68.media.tumblr.com/00bfba8bf569f02700c5a399a5d02c6b/tumblr_opxf5esubf1tvgyjgo4_1280.jpg

④ 調味料Bと豆腐を入れて煮込む

鶏ガラスープを入れて煮立たせて、その他の調味料Bで味をつける。湯切りした豆腐を入れる。やさしくお玉の背で混ぜながら数分煮て、豆腐に味を含ませる。豆腐が隠れるくらいの水分がいい。

⑤ とろみをつける

水分が減ってきて味が決まったらネギを加えてひと混ぜ。水溶き片栗粉を少しずつ入れてとろみをつける。
konpeito.hatenablog.jp

⑥ 焼き付ける

胡麻油を鍋肌から入れ、鍋を揺すりながら焼き付ける。仕上げにラー油や山椒油(好み。私は油が多すぎると腹の具合が悪くなるので入れない)を入れて、花椒をかける。

https://68.media.tumblr.com/5f4695b4327b4c66bfd7b6683a16ff53/tumblr_opxf5esubf1tvgyjgo8_1280.jpg

麻婆豆腐は土鍋に入れて食卓に出すと冷めにくいし、その間にもう一品つくれるので便利だ。この分量だと長谷園のみそ汁鍋にぴったり収まる。

ジビエをつかったおすすめレシピ

猪肉のイタリア風煮込み

konpeito.hatenablog.jp

鹿肉の麻婆豆腐

konpeito.hatenablog.jp

鴨しゃぶ鍋

konpeito.hatenablog.jp

誰でもマンマ。自家製だからうまい全粒粉入り手打ちパスタ

https://68.media.tumblr.com/65f77499877f11624527c874f33ffee4/tumblr_omdtz7etBI1tvgyjgo3_1280.jpg

最近すっかりはまっている手打ちパスタ。「手打ち」という魔性の言葉にひかれ、レストランでは必ず注文してしまうんだけれど、これが家でも食べられたら……くすぶっていた食い意地がついに目覚めたのだ。

いざ手打ちパスタを巡る冒険に一歩踏み出してみたわけだが、これが拍子抜けするほど愉快なものだった。毎回太さが違う、歯ごたえも違うけど、それすら食卓の話題になってしまう。それでもつくるほどに少しずつ上手くなってくるものらしい。いまでは食べた人がどんな反応をするのか観察するのが密かな楽しみになってしまった。

私たちの母親が米を炊くのと同じように、イタリアのマンマはパスタをゆであげる。だからなにも片ひじはる必要はない。肩の力を抜き、太っ腹のマンマになったつもりでつくるのがおいしいコツだ。

自家製手打ちパスタ

材料

強力粉 80g カメリア使用
全粒粉 20g 薄力粉でもいい
玉子 1個(60g) カラザをとり、卵液が60gになるように水で調整
ひとつまみ  
小麦粉の配合について

強力粉100%でも問題なかったが、コシが強く喉ごしがいまいちだったのと、生地をこねるのもかなり力がいったので、現時点ではこの配合に落ち着いている。

つくりかた

① 小麦粉を混ぜる

https://68.media.tumblr.com/ff2caca36d00447289cc040dba646f08/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo1_1280.jpg

② 粉と玉子を合わせる

https://68.media.tumblr.com/5669838438a69769aab3a8112eb40bae/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo6_1280.jpg

粉の真ん中に玉子を入れて、フォークを使って中心から混ぜていき、少しずつ外側の粉と馴染ませていく。だんだんと大きな塊になってくる。

③ こねる

https://68.media.tumblr.com/26e1d4eaf3fe646b2fc43508c4e351bb/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo2_1280.jpg

生地がだいたいまとまったら、フォークについた生地もとり、体重をかけて何度も折りたたむようにしてこねていく。写真は15分くらいこねたところだ。つややかな生地になったら丸く成形してラップで包み、冷蔵庫で1時間以上寝かせる。

④ 生地をのばす

https://68.media.tumblr.com/f63890f106d24d73bcb0c530d6ee25cd/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo3_1280.jpg

打ち粉をした台に生地をおく。

https://68.media.tumblr.com/c80664dac9d172ca4ae1cf0d97b3227b/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo4_1280.jpg

手の平で押しつぶす。

https://68.media.tumblr.com/f01e2934c1a520b664c707488832ec60/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo5_1280.jpg

麺棒で長方形に伸ばしていく。

https://68.media.tumblr.com/58237d50e4f722f45d105f60dc588068/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo7_1280.jpg

麺棒に巻きつけながら伸ばすと薄く伸びる。

手打ちパスタ

ある程度伸びたら、折り紙のように前後左右を折りたたんで四角形にし、しばらく放置してからまた麺棒で伸ばしていくと、きれいな長方形になる。

⑤ 生地を切る

https://68.media.tumblr.com/a114631c11ca60004d20ba48ec64bf3e/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo8_1280.jpg

生地を折り目がつかぬようふんわりと折りたたんで、よく切れる包丁で端から切っていく。茹でると倍くらいの太さになることを頭に入れて、好きな太さを目指そう。

https://66.media.tumblr.com/4a56a6fe6e6231600e27a370cfb5d4f8/tumblr_onz3bbOWJr1tvgyjgo1_1280.jpg

切った麺は一本ずつ伸ばしながらよくほぐし、しっかりと打ち粉をふる。

⑥ 麺を乾燥させる

https://68.media.tumblr.com/477fabc2a59a1707affdb4753a7355ab/tumblr_opprwvDFYM1tvgyjgo10_1280.jpg

食べるまで、冷蔵庫で保管する。水分がでてこないよう、クッキングペーパーで挟む。絶対にラップはしないこと。以前は冒頭の写真のように干していたが、乾燥している冷蔵庫にいれておくだけで十分だった。

⑥ 麺をゆでる

https://68.media.tumblr.com/af744e38c2f48540fe48236cfa15bcce/tumblr_inline_opprr81N7F1qbouyg_1280.jpg

沸騰したたっぷりの湯に塩をひとつかみ入れ、麺を1分半ほどゆでる。

⑦ 麺を湯切りする

https://68.media.tumblr.com/57e99ffd5a9b335a97021f989d507952/tumblr_inline_opprr8j2El1qbouyg_1280.jpg

パスタソースに和える場合は準備しておいたソースに入れる。パスタソースをかける場合はさっとオリーブオイルを振りかけておく。

自家製の手打ちパスタに合うおすすめソース

手打ちパスタにはこってり系のソースが合う。

サーモンとカブの葉のクリームパスタ

https://68.media.tumblr.com/c6047dfc0f08f9c0c3ee08f95248c60c/tumblr_onz3bbOWJr1tvgyjgo2_1280.jpg

ラムのラグー

https://78.media.tumblr.com/cc15a054c126161ec49d729fc9a2de6a/tumblr_p5gwkuPTuC1tvgyjgo2_1280.jpg
konpeito.hatenablog.jp

猪肉のイタリア風煮込み

konpeito.hatenablog.jp

鶏肉とセージバターソースのパスタ

鶏肉とセージバターソースのタリアテッレ

【イノシシを食べる②】猪肉のイタリア風煮込み

https://68.media.tumblr.com/aa7c7a98f817a6276c1a62fec0d4c42a/tumblr_inline_oppqpmyL9p1qbouyg_1280.jpg

先日、イノシシが京都のホテルに出没し、従業員が軽傷を負ったというニュースが流れた。他県でも同様の事件が多発しているらしいが、猟師の高齢化も進み、駆除するにもなかなか難しい状況にあるという。そんなニュースを見たあと、こんな小咄を聞いた。

あるとき神様が、生きとし生けるものたちにこう言った。
「明日、君たちの願い一つだけ叶えてあげよう。ただし、より多数の者が願うもの一つだ」
人間たちは「平和な世界」「貧困のない世界」「差別のない世界」など、それぞれに願った。
次の日、神様は言った。
「願いを叶えよう。みなの総意で、人類を滅亡させることにする」

つまり、人間以外の生き物すべてが「人間がいなくなればいい」と願ったという話だ。
考えてみれば、人間ほど身勝手で、悪意に満ち、こざかしい生き物もいない。人間がいなくなれば、人間が願った望みさえも叶えられることになるというのも皮肉な話である。ふと手塚治虫氏のエッセイ『ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)』を想い出した。

適正個体数とはなにをもって適正なのか? 「害獣」というレッテルを貼られてしまった動物にとっては、人類こそが害獣なわけだから、いつか我々が駆逐されたとしても文句は言えないし、人口減少の社会も彼らの総意なのかもしれず、より適正個数への道を辿っているだけなのかもしれない。

なーんて考えてしまったが、気を取り直していこう。前回の猪肉のローストに引き続き、次は猪肉を煮込んでみることにした。ラグーにしようか。いや、せっかくの塊肉を細切れにするのは忍びないので、大ぶりにカットして肉の存在感あふれるイタリア風の煮込みにしよう。

本来は牛肉を使う Stufato di Manzo という料理だけれど、猪肉だから Stufato di Cinghiale だな。イタリア中部のウンブリア地方ではよくイノシシを食べるらしいから、こんな料理だってきっとあるはずだ。

猪肉のイタリア風煮込み

材料

ソフリット   ※1
 タマネギ 50g みじん切り
 セロリ 25g みじん切り
 ニンジン 25g みじん切り
 オリーブオイル 適量  
猪肉 500g 大ぶりの一口大に切る※2
 塩・胡椒 適量  
 強力粉 適量  
オリーブオイル 大さじ3  
ローズマリー 1枝  
120cc 赤ワインがベスト
トマト缶 200g ダイスか裏ごししたもの
180g  
小さじ1/2  
砂糖 小さじ1 酸味のカドがとれる
トマトペースト 小さじ1 なければケチャップ

※1 セロリとニンジンはタマネギの半量を目安にしている。大量につくって冷凍しておくと便利。

※2 ジビエ特有の鳥獣臭さは皮と脂肪にあるので、もし臭いと感じたら皮をとっておいたほうが無難。今回はそのまま使っている。

つくりかた

ソフリットをつくる

https://68.media.tumblr.com/73c4672f97a4d63b1b215300fe21b1ae/tumblr_opprosFjMf1tvgyjgo9_1280.jpg

タマネギ、セロリ、ニンジンをオリーブオイルで炒める。がちゃがちゃかき回さずに、じっくり揚げ焼きして水分を飛ばす。

③ 猪肉に塩・胡椒をして強力粉をはたく。

https://68.media.tumblr.com/1f44ce2b30f2829d83f4c06bcf89dbe6/tumblr_opprosFjMf1tvgyjgo10_1280.jpg

④ 猪肉を焼く

https://68.media.tumblr.com/434f580208a12c24df2b9a78e72380de/tumblr_opprosFjMf1tvgyjgo4_1280.jpg

オリーブオイルを馴染ませたフライパンに肉が重ならないよう配置し、その上にローズマリーをおき、強火で焼く。血がにじんできたころをひっくり返す。肉は焦げるくらいが理想だけど、ローズマリーは焦がさないように途中で引きあげる(煮込むときに使うのでとっておく)。

https://68.media.tumblr.com/03bdb9f45586018f36d5d53e1c38086b/tumblr_opprosFjMf1tvgyjgo5_1280.jpg

⑤ 煮込む

https://68.media.tumblr.com/10f31f9d843f8d4eb553434470d923d4/tumblr_opprosFjMf1tvgyjgo6_1280.jpg

肉とソフリットを煮込み鍋に移し、鍋が十分温まったら酒を入れてアルコール分を飛ばす。

https://68.media.tumblr.com/50dc00e94d5a1ed6893bd9271b5df71f/tumblr_opprosFjMf1tvgyjgo7_1280.jpg

全体がどろっとしてきたらトマト缶を入れて水分を飛ばすように炒め合わせ、水を加える。肉がすっかり隠れるくらいがいい。一煮立ちしたら塩をいれる。表面がぽこぽこと沸く火加減で、蓋をせずに30分〜1時間煮込む。小麦粉のせいでかなり鍋底が焦げやすいので、ちょくちょく鍋全体をかき回してやる。

https://68.media.tumblr.com/52ec923cdfa455cb4ee8fd85787cf2fe/tumblr_inline_oppqmb3XUM1qbouyg_1280.jpg

⑥ 仕上げ

https://68.media.tumblr.com/066036429e7f0a3b3c22113844e4b635/tumblr_inline_oppqmc2noy1qbouyg_1280.jpg

表面に赤い油の膜がはってきたらおいしく出来上がっている合図。塩・胡椒・砂糖・トマトペーストで調味し、食べるまで蓋をしておく。

付け合わせは太めの手打ちパスタにしよう。
konpeito.hatenablog.jp