mogu mogu MOGGY

mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

水溶き片栗粉をソース・ディスペンサーにいれておくと超絶便利だった

f:id:Xphi:20170416192354j:plain

中華屋直伝! 水溶き片栗粉の奥義

いつもの店の、いつものカウンター。今日も厨房を見ながら冷酒をいただく。板前Kの動きはいつ見ても興味深い。ひとつの動作に何か秘密が隠されているんじゃないかと、ストーカーのように目で追ってしまうのは私の悪い癖だ。

テーブル席から注文がはいった。Kは出汁を寸胴鍋から小鍋に移し、お玉で手際よく調味料を入れて味見をする。そしておもむろに透明の容器を左手に取り、しゃかしゃかと振ったかと思うと、小鍋に注ぎ入れた。右手は絶えず小鍋をかき混ぜている。

「ちょっと待った! 今のなに?」
「これ? 水溶き片栗粉だよ」

彼がつくっていたのは銀餡だった。ここはれっきとした和食屋である。

「俺んちの近くの中華屋がやっててさ、便利だから真似したんだよ。このボトルは100円ショップのやつね」

見せてくれたのはプラスチック製のソース・ディスペンサーだ。なんだかここの雰囲気には似つかわしくないけれど、目からウロコがペリペリ剥がれ落ちた。街の中華屋の秘伝の奥義がこんなところで活用されているとは。

水溶き片栗粉は冷蔵庫で保管する

食材にとろみをつけるときは、一般的に片栗粉:水の比率は1:1だといわれている。これは重量比ではなく、容量比である。つまり、大さじ1の片栗粉と大さじ1の水を混ぜるのだ。重さに換算すると片栗粉は9g、水は15gということになる。
ただこの比率は、一瞬にしてとろみがついてしまうので扱いがなかなかに難しく、1:2の割合をオススメする人も多い。

ところで、水溶き片栗粉を使って料理にとろみをつけるとき、いつも困っていたことがある。

調理中に水溶き片栗粉が足りなくなる

スープにレシピ通りの水溶き片栗粉を入れたものの、とろみが弱いので、また片栗粉を水でとく作業をしなくてはならないことがある。まったく二度手間なのだ。

水溶き片栗粉を余らせる

一気に仕上げなくてはならない炒め物は火の入れ方によって水分量がまちまちになるので、準備しておいた水溶き片栗粉を余らせてしまいがちだった。残ったものはどうにもこうにも使いようがない。目をつぶって流してしまうことがほとんどだった。

このチープなソース・ディスペンサーは、そんな悩みを一気に片づけてくれる。
あらかじめ多めにつくった水溶き片栗粉をディスペンサーに入れておけば、無駄な片栗粉を使う必要がない。残ったらそのまま冷蔵庫で保管しておけば日持ちもすると、Kさんは教えてくれた。
そもそも水溶き片栗粉は、片栗粉の粒子が水としっかりと馴染むよう、最低でも30分くらい時間をおいたほうがよいと言われるから、その点でも理にかなっている。

さっそくディスペンサーを買い求め、水と片栗粉を入れた。冷蔵庫に入れておくと片栗粉が沈殿してしまうので、使う前はしっかりボトルを振って撹拌しなければいけない。気合いをいれて15秒ほどしゃかしゃかすればしっかり混ざってくれる。

さて、実際にスープにとろみをつけてみよう。左手にディスペンサー、右手にお玉を持ち、かき混ぜながら水溶き片栗粉を少しずつ鍋に注いでいく。

カンゲキだ! ちょうどいいあんばいにとろみがついた。
無駄が出ない、片手でできる、洗い物も一つ減る。なによりもストレスがない! なんでこんな簡単なこと、いままで思いつかなかったんだろう。