黒猫に起こされて5時起床。いつもなら問答無用に二度寝だが、珍しく目が冴えてしまい、サンビーチまで歩いてみることにした。朝6時の海岸、人はまばら。砂浜にはカラスの足跡。遮るものがない日向は皮膚がじりじりするほど熱を感じるが、木陰にはいれば乾いた風が吹くもんだから半袖のTシャツだと身震いする。熱海を散歩するには今が一番いい季節かもしれない。明日で五月も終わり。ジャカランダの紫の花が見頃だ。花言葉は、「栄光」「名誉」。自分には縁遠い言葉だが、近くに咲いていれば恩恵にあずかれるかもしれない。
人なつっこいイソヒヨドリが太陽を背に死角から現れ、触れるほどの距離で首をかしげてこちらを観察している。海をのぞくとカゴカキダイのような縞々模様、トロピカルに青い魚が群れている。
犬と散歩する夫婦、トレーニングする若者、水着姿の外国人観光客、謎の老人の団体など、いつのまにか海岸は賑やかになっていた。
7時だ。海岸のジョナサンが開店する。一番のりして、海の見える席でモーニングをゆっくり食べる。家人はフレンチトーストを、自分は家でもしょっちゅう食べるハムチーズサンド。味は凡庸だが、誰かがつくってくれた朝食は心の栄養だ。非常に満足する。たっぷり2時間半歩き回り、汗だくで帰宅。昼食後、心地よい疲れと涼風が眠気を誘う。
夕方いつもの八百屋で野菜を買い足す。
インゲン、オクラ、ブロッコリー、クレソン、赤玉葱。特にインゲンが好みの長さ、細さで満点だ。
ラインナップは先週とさほど変わらないけれど、野菜の緑がより濃く、力強くなっており、こちらも季節のカードそろってきている。
赤ワインビネガーと美味しいオリーブオイルを1:3の割合で、ディジョンを少々、塩胡椒。
最近はマコーミックのセパレートタイプのドレッシングを常用し、手抜きを図っていたが、やはり作った方が野菜の味が感じられることを思い出す。どれが欠けても成立しない、初夏のサラダだった。