来客時にかぎってアクシデントはあるもので、先日は鍋の蓋が壊れてしまった。正確にいうと、持ち手の部分が溶けてポロリと落ちたのだ。
なんたることか! 愛用していたのは自立する鍋蓋で、ゆるやかなドーム状になっているものだった。複数の大きさの鍋にも対応するので、相当に酷使していたのは確かなんだが、こんな日に限って、参った。
アクアパッツァ用の魚はすでに手配済みである。ネットでは間に合わないので慌てて大手スーパーやホームセンターに駆け込んだ。 ウーウェンパンのようなドーム状の蓋があれば即買い! なんて思ってたが、考えが甘かった。そもそも30cmの蓋など売ってないのだ。
スーパーで途方にくれながら、大きなステンレスのボウルを鍋に合わせて「こういうのがほしいんだけど…」とぼやく。
「それで試してみたら?」
そのひと言で目が覚めた。なるほど、ボウルで代用できそうだ!
アクアパッツァは見事に出来上がった。ボウルの蓋は大成功したのだ。蓋のつまみは、iMacの液晶を剥がすときに使うバキュームリフターを使った。
このボウル蓋の利点はいくつかある。
ひとつには、中華鍋に簡易の蒸し器をしいて大きな魚を蒸したとしても、魚が鍋蓋に接触することがない。
もうひとつには、つまみが外せるので普段はボウルとして使用できるうえ、収納もボウルとしていつもの場所に重ねておけばいいのだ。
あれ、いいことずくめじゃないか?
唯一の問題点は、バキュームリフターの耐熱温度がわからないことだ。溶けてしまう可能性もあるので調理中は使わずに、蓋を開けるときにだけ瞬間的に使ったほうが無難だろう。
耐熱の着脱式鍋つまみがあったらぜひにも欲しいんだが、どこか開発しないだろうか。というか、すでにあるなら教えてほしい。
あくまでも応急処置だが、もし突然、鍋の蓋が壊れたら試す価値はあるかもしれない。