2018年3月6日/太陽視黄経 345 度
陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也(暦便覧)
啓蟄という時期は面白い。面白いほどに、空気が春めいてくるのがわかる。ほとんど家から出ることのない私でさえ、ちょっと出かけてみようかという気分になった。土から穴から、もぞもぞと頭を出すのは虫も人間も変わらない。
陽が降りそそぐ駒沢通りを代官山方面へ歩く。じわっと汗ばむほどだ。羽織を脱ぐ。しばらく散歩をして、代官山から恵比寿方面に折り返してくるころ、冷たい風に襲われ身震いする。羽織に首を引っ込めて、手近なカフェで温かいコーヒーをいただく。そうなると、もう帰りたくなってきた。勘定を済ませて帰路につく。
久々に歩き回ったものだから、疲れたんだろう。夕飯もそこそこに、布団に潜り込んだ。あぁ、最高だ! 寝返りを打って丸くなったとたん、意識は深く沈み込んだ。まだまだ穴の中で縮まっていたい。啓蟄はそんな季節だ。
啓蟄の八寸
アサリ、春キャベツ、山芋の春巻き(Spring Roll with Clam, Cabbage and Yum)
すり下ろした山芋に卵白、湯がいてみじん切りした春キャベツを混ぜたものとアサリを4分の1サイズの春巻きの皮で巻いて揚げる。
ササミとししとうの辛子和え(Chicken and Sweet Green Pepper with mustard)
塩と酒で下味をつけたササミを熱湯にくぐらせ氷水にとり、一口大に切る。出汁、醤油、からしを混ぜて、グリルで焼いたししとうを浸けて冷やし、食べる直前にササミと和える。
米ナスの豆板醤味噌焼(Grilled Eggplant with Miso and Doubanjiang)
縦半分に切った米ナスは縁をくりぬき、格子状に切り目を入れたら塩をふっておく。灰汁が浮いてくるので拭き取ったら、切り口に胡麻油を塗ってオーブンで焼く。ナスに火が通ったら味噌と豆板醤を合わせたものを塗り、味噌に焦げ目がつくまで焼く。