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時速1kmの思考

温泉×MYTREXのシャワーヘッド


本ブログは食に関する投稿をメインだが、リフォーム・熱海への移住に伴い生活が一変したので、備忘録として残しておきたい暮らしのことも細々と書いていきたいと思う。

先日、入浴システムを銭湯スタイルに変えたという話をした折、「浴室はリフォームを行わなかった」と書いたが、実はひとつだけ買い足したものがある。
シャワーヘッドだ。

リフォームせずとも概ね使用には問題なかった風呂だが、旧式のシャワーヘッドだけは酷い代物だった。
曰く、「爺さんのション便のよう」というのが家人の喩えだが、爺さんのション便とはこんなにも弱々しいくせに四方八方に飛び散るものかと愕然とした。トイレ掃除を想像すると震える。

奇しくも、2023年はシャワーヘッド元年と呼ぶにふさわしい年だそうだ。
美容に特化した、高額なシャワーヘッドが飛ぶように売れているとなにかで読んだ。
シャワーヘッドなど購入したことがないので、まずはリサーチから始める。

知名度が高いのはCMをよく打っているミラブルだろうか。肌に塗った油性ペンがシャワーの水圧だけでするりと落ちるという手品のようなアレである。他の商品と比べようもないため、これが第一候補だったが、ひとつ気になるレビューを見かけた。

それは、「ミストの状態にすると、湯が冷たくなる」という点だ。
高級シャワーヘッドはたいてい、強、弱、ミストなど三段階ほど湯のバリエーションを備えている。
ミストにすれば、湯が極細でジェット噴射するわけだから、構造上温度を保つのが難しいというのは、なんとなく理解できる。

そこでミストでも温度が下がらないシャワーヘッドを探してみたところ、MYTREXというメーカーのHIHO FINE BUBBLE+という商品に行き着いた。
売りは、最大5億3000万個の超微細バブルと、ミストにしても温かいという点だ。後発組ならではだが、温かいミストという点に重きをおいて開発したという。

実はもうひとつ候補にあがっていたのが、ReFaという美容メーカーのものだったが、価格の点で最終的にはMYTREXを採用することになった。

アイコンはモデルのローラだし、美容を唱っているからターゲットは若い女性と推察していたんだが、これは男性こそ使うべき商品、というのが所感だ。

若かった家人もここ最近、加齢臭のようなものを放ちはじめた。毎日シャワーを浴びているが、落とし切れない臭いの蓄積ってのものがある。そこで「毎日ミストで体を清めよ」と指令を出したところ、おじさん臭がだいぶ、落ち着いてきたのだ。

水圧を強めれば頭皮のマッサージにもなるし、またミストで顔を噴射してから馬油を塗ると、すぅ~っと吸い込んでいくような感覚にも驚きだった。
水圧も改善し、若干高い買い物ではあったが、非常に満足のいく商品であったことは間違いない。

しかしその後、ひとつ問題が持ち上がった。
爺さんのション便が、若者のソレとなってしまったのだ。
高圧洗浄機さながらに、湯が浴室の扉に勢いよく直撃してしまう。うっかり扉が開いたときは、あわや大惨事になるところだった。
浴室の構造の問題か、シャワーヘッドの問題か、とにかくシャワーヘッドをシャワーフックにかけたまま放水すると暴発してしまうから、終始シャワーヘッドを持ったまま浴びなければいけない。つまり、角度が悪いのだ。

出入りしている工務店に相談したところ、角度を調整できるシャワーフックを取り付ければいいということで、TOTO製の物を勧められた。
「以前TOTOさんも角度の悪いシャワーヘッドをつくってしまったことがあって、慌てて開発した商品」だそう。




角度調節式シャワーハンガー
シャワーヘッドを10°単位、5段階でお好みの角度に調節できます
素材: ステンレス鋼


やるじゃないか、TOTO。取り付けも自分で出来て、フックにかかったシャワーヘッドから流れ出る湯はもれなく身体を包んでくれるようになった。(ただし、浴室の壁面にねじ穴がないと取り付けられないのでご注意ください。)

これですべて解決した。温泉×シャワーヘッドで、いまは毎日の入浴がさらに充実したものになっている。

入浴システムは銭湯スタイルで

本ブログは食に関する投稿をメインだが、リフォーム・熱海への移住に伴い生活が一変したので、備忘録として残しておきたい暮らしのことも細々と書いていきたいと思う。

熱海といえば温泉。
そして我が家の風呂は、温泉だ。黄色くて、しょっぱい。

家を購入した当時、毎月温泉の使用料がかかると知り、「温泉は不要」と不動産屋に相談したことがある。そんな当時の自分を平手打ちしてやりたいほど、いまは温泉にどっぷり浸かっている。

風呂場は比較的きれいな状態だったため、リフォームは行わなかった。全面が御影石で覆われており、前オーナーの風呂へのこだわりっぷりをひしひしと感じる。

始めて入浴したのは、移住したその当日のこと。二日間にわたっての引越だったため、ファーストペンギンとして家人が試してみることになったのだ。
入浴後、彼は言った。
「腰痛が治ったよ!」
ほら吹きかと一笑に付した。ついには他人にまでその魔法のような効果を吹聴するまでになり、皆が「そんなわけあるまい」「The気のせい」と口を揃えるなか、彼の腰痛はすっかり完治してしまった。そして彼の風呂嫌いも完治した。

近所への挨拶回りのついでに、温泉の効能について尋ねてみたところ、成分表を見せてくれた。その心身への効能はすさまじく、二年以上の仮住まいで疲弊しきっていた我々にはうってつけの湯であることがわかった。

ひとたび湯に浸かれば、泥のように眠りこけてしまう。やばい睡眠導入剤でも混入してるんじゃないかと心配になるほどである。
頼朝、家康、そしてあまたの傷痍軍人たちの傷を癒やしてした湯は、伊達じゃなかった。


さて、風呂といえば、風呂掃除はつきものである。そして私は風呂の掃除が大嫌いだ。
これまではマンション暮らしだったので、ユニットバスだった。常に換気扇をまわしていても、色とりどりのカビがしれっと発生する。猫が同居しているため極力薬剤は使いたくないので、力任せにこすりまくっていた。

床や浴槽はまだいい。地味に不快であったのは、常設のシャンプーやリンスのボトル周りにこびりつく水垢や滑り、石けんカスだ。しつこいうえにキリがない。まったく、うんざりだ。
せっかくの温泉なのだから、デッキブラシで豪快に磨いてザブンと入浴できないものか。そう悶々と考えていたある日のこと、ズボラの神が降りてきた。

風呂場になにも置かなければいいじゃないか。
銭湯にいくときは皆、風呂桶に自分専用の石けんなりシャンプーなりを詰め込み、すべてを持ち帰る。帰るころには乾いているだろうから、カビる余地がないはずだ。

100円ショップに走り、カゴ及びそれに収まるボトル類や石けん入れを求めた。入浴後は水滴が垂れるだろうから、受け皿として収納箱のふたも購入し、締めて600円。風呂場の一角に銭湯セットを置く場所を設ければ、まさにここは銭湯だ。

最初に入浴する者が銭湯セットを持ち込み、最後の入浴する者が引きあげる。
この方式を採用してそろそろ3カ月が経とうとしているが、いまだ目立った汚れはない。受け皿には若干汚れがたまるが、形状がフラットなため洗うのも億劫ではない。

こうして長年の風呂掃除との闘いに、終始符が打たれたのだ。

アラを干物化して冷凍貯金にする

ち鯛532円@小田原

明日の土曜日、友人が来熱する。隅から隅まで、掃除などせねばならない。庭の手入れもせねばなるまい。飯もつくらねばならない。酒も調達せねばならない。
にもかかわらず、なぜ魚を買ってしまったのだろう。
こんな時に限って、魚が安いのは大変に困るのだ。

湯河原のスーパーで求めたのはチダイ532円、7尾入り。別名、春子鯛(かすご)だ。
現代の市場では真鯛や黄鯛の幼魚もすべて「カスゴ」扱いになっているが、昔は赤味を帯びたチダイの子こそが「春子鯛」を冠したというのは、阿部狐柳*1氏の受け売りだ。

とにかくこの魚と出会ったからには、酢〆にしないと気が済まない性分だ。
konpeito.hatenablog.jp

常日頃は散漫としている集中力を総動員して魚の解体にとりかかる。
三枚おろしにし、小骨を抜いたら2%の立て塩につけ・・・(中略)・・・酢で〆たのち、冷蔵庫へ収めて一安心。
のはずだったが、どうも台所が生臭い。

「リフォームしたばかりなのに、この家なんだか生臭いねぇ」などと友人たちに思われたらどうしようという不安に襲われる。
冷蔵庫もゴミ箱もスペースはあまりない。しかもゴミが捨てられるのは、友人が帰る日曜日である。その間、彼らは生臭い部屋に幽閉されることになる。これはまずい事態だ。少しでもゴミを減らしたい。

そこでハッとした。焼いてしまえば冷凍庫貯金できるんじゃないか? 後日ラーメンの出汁にでもしたらどうだろう。ここ熱海では金目鯛のラーメンが名物だ。春子鯛ラーメンもありじゃないか!

チダイ, ホウボウ
立て塩に浮かぶチダイ7尾+ホウボウ1尾のアラ

さっそく立て塩につけておいたアラの水気をとり、アルミホイルを敷いた天板に並べていく。いったいなにをやっているんだろうと頭に疑問符が浮かんでくるが、知ったこっちゃない。

チダイ, ホウボウ
魚パズル

250度に余熱したオーブンで15分くらいか。換気扇が追っつかないのか、部屋中に焼き魚臭が蔓延し、奇しくも生臭さはかき消された。

アラは見事に干物化している。
唯一の心残りは、アルミホイルをぐちゃぐちゃに丸めてから天板に敷いておくべきだったということ。特に中骨の部分を引きはがすのに苦労してしまった。

チダイ, ホウボウ
干物化したアラ

あら熱がとれたら、ビニール袋に入れ、冷凍庫へ収める。ゴミもだいぶ減った。もろもろ晴れ晴れとした気分だ。

これなら、いくらでも貯められそうだ。
肝心の金のほうは一向に貯まる気配はないのが残念だ。

*1:『日本料理秘密箱』

ワサビの辛みは砂糖で引き出せ

ワサビ
ワサビの茎@伊豆村の駅

週に一度は函南のスーパーをパトロールしている。
伊豆・村の駅は地物の新鮮な野菜と沼津漁港から直で仕入れた魚が並んでおり、ディズニーさながらのワンダーランドである。

静岡ならではと思うのは、ワサビコーナーが常設されている点だ。もちろんチューブのヤツではなく、生の本ワサビである。
以前、タイの友人が来日した際、ワサビを持って帰りたいというので、スーパーで求めタイ大使館へ届けたことがある。細く萎びたワサビが1本1000円を優に超えていた。普段気軽に買える代物ではない。

ワサビコーナー@伊豆村の駅

村の駅ではもう少しお安く手に入るが、狙うはさらにお手頃な「茎」や「花ワサビ」だ。
「花ワサビの辛みを引き出すには、砂糖の使い方が肝なんだよ」とかつて師匠は話していた。
彼は、これでもかと辛みの効かせたワサビや辛子で女を涙させるのが趣味なのだ。もっといい趣味はないのかよと口からこぼれそうになったが、文春砲にすっぱ抜かれるようなクズ野郎の泣かせ方ではないので、よしとしよう。

師匠のワサビの辛みの出し方は、まず砂糖を揉み込んでから、塩や醤油で好みに調味をしていくというものだった。
ところで実は、ワサビの茎はそのまま生で食べてもさほど辛くはない。ふんわりとワサビの風味がするだけなのだ。食えなくもないが、舌にえぐみも残り特にうまくもない。もしかしたら、沢で直に囓ったらうまいのかもしれない。

ではなぜワサビは辛いのか?
これにはアブラナ科・ワサビならではの特殊な物質が関係している。

あの鼻にツンとくる刺激は、ワサビ自身が持っているイソチオシアネート類(ワサビの場合はアリルイソチオシアネート)という化学物質によるもので、しかもワサビの組織が破壊されたときにしか生成されないのだ。

傷つけられたワサビが、防御反応として辛み成分を噴出しているとすれば、実に自然の理にかなっている。スカンクは敵に襲われれば屁をこくし、トリカブトは毒をつくる。動物から食べられぬよう、刺激臭を繰り出し自衛するワサビ。しかしワサビの思惑は大いに外れることとなる。人間という動物はこの刺激が大好きだった・・・・・。

砂糖に話を戻そう。砂糖を揉み込むという行為は、ワサビを傷つける行為ほかならない。さらに砂糖には脱水効果が期待できる。同じく脱水効果のある塩よりも分子が大きいため、傷もつきやすいだろうし、同時にアクも染み出しやすくなるだろう。また脱水を塩ばかりに頼りすぎれば塩抜きせねば食えぬという問題も持ち上がる。

どこの誰がワサビと砂糖の組み合わせを試みたかは不明だが、実は「ワサビが辛すぎたから砂糖で甘くしようとしたら失敗してもっと辛くなっちまったよ」というポンコツ説に期待している。

ワサビの茎の塩漬け

ワサビの塩漬け
シャキシャキでツーン! 白米のお供に最高です!

「みんなの料理」奥村 彪生氏を参考。

材料

ワサビの茎 洗う前に重さを量っておく
砂糖 ワサビの重量の2%
ワサビの重量の3%
保存瓶 煮沸しておく

つくりかた

②砂糖でもむ ④湯をかける
  1. ワサビの茎をよく洗い、2cmくらいに切る。
  2. ワサビと砂糖を合わせ、手でしっかり揉み込んでいくと、水分と滑りが出てくる。ラップをかけて30分おく。
  3. 湯を沸かして80度に調整しておく。
  4. ワサビを一回り小さいザルに移し、ボウルにのせて、80度の湯をかけまわし、2分おく。
  5. 湯を流し、水気をよく絞ったワサビを瓶に入れる(けっこう熱いので注意)。
  6. ワサビに塩を加え、瓶のふたを閉めたら、塩が溶けるまで振りまくる。
  7. 色止めするなら、瓶ごと氷水にいれておけばよいだろう。2、3日目が食べ頃。

ワサビの塩漬け

クロアチア風アンコウのスープ【熱海バージョン】

熱海の老舗、村越魚店で求めたアンコウ500円。店主いわく、最近とれなくなってきているそうだ。
無茶苦茶キレイな白い身で、肝もたっぷり。どう調理したってうまそうだが、悩んだ末に、本日はクロアチア風のスープ仕立てに。目指せ熱海名物!

つくりかたは以前に紹介したクロアチア風スープと変わらないが、アンコウはぬめりと独特の臭いがあるので、下処理は念入りにしたほうがいい。
konpeito.hatenablog.jp

このスープの肝は、大量のニンニク、大量のショウガ、大量のレモングラスだ。レモングラスはどうにかして生を仕入れてもらいたい!

スープが残ったら明日はリゾット? ドリア?  と夢は膨らむばかり。
いい買い物だった。

村越魚店

熱海, 村越魚店
糸川沿いの新柳橋の角にある村越魚店

住所:静岡県熱海市中央町7−4
営業時間:9:30~19:00 日曜定休
鮮魚、刺身、寿司のほか、揚げ物などの惣菜もある。事前に頼んでおけば、刺身の盛り合わせにも対応してくれるそうだ。

熱海, 村越魚店, サギ, 鷺
毎日、常連客で賑わっている村越魚店。

クロアチア風アンコウのスープ


材料

アンコウ たっぷり
ジャガイモ 2個~ 今回は小ぶりの新ジャガを使ったので、6個ほど、皮付きで投入
長ネギ 1/2本 青い部分もいれて問題ない
タマネギ 1/2個 薄切り
ショウガ 親指ほど 薄切り
ニンニク 2片 薄切り
レモングラス(生) 3本 茎の分を使用。包丁叩いたり切れ目を入れて香りを出やすくしておく
ベイリーフ 1枚
サフラン ひとつまみ 少量の水で色出ししておく
イタリアンパセリ 適量
塩・胡椒 適量
白ワイン 60cc

つくりかた

アンコウの下ごしらえ

今回はすでに切り分けられたアンコウを使っている。

  • アンコウに塩を一握りほどまぶし、ザルにあげて15分ほどおく。
  • あん肝は、血管がついている場合は包丁で切れ目をいれ、指でそっと、潰さないように絞り出す。塩と酒につけておく。
  • 大鍋に湯を沸かす。アンコウは水洗いする。
  • アンコウの身を熱湯で霜降りする。湯の温度が下がらないように、2~3切れずつ湯に通して、身の周りがうっすら白くなったら、冷水に落とす。
スープ
  1. オリーブオイルで長ネギとタマネギを焦がさないようしっかり炒める。
  2. ニンニクの加えてさらに炒め、香りが出たら白ワインを加えてアルコール分を飛ばす。
  3. 水を加えて沸騰させる(今回は1リットル)。
  4. アンコウの骨がある部位、ショウガを加えて煮立たせる。アクは適宜とる。
  5. ベイリーフレモングラス、ジャガイモを加えて弱火で煮る。
  6. 弱火で20分ほど煮込んだら塩胡椒で味を整え、アンコウの身、さっと洗った肝、サフランを加える。
  7. アンコウの身に火が通ったらできあがり。好みでイタリアンパセリを散らす。

スープが残ったら
焼き雑炊はどうでしょう?


冷蔵庫にいれておいたスープはコラーゲンでぷるんぷるん。これを飲み干さない手はない。
洒落っ気を出してリゾットにしたいところだが、冷凍ごはんが余っているのでこちらを使ってしまいたい。ということで、焼き雑炊はいかがでしょう?

ざっと洗った冷やごはんを煮立たせたスープに投入。スープをたっぷり吸わせたら耐熱容器に移し、とろけるチーズをのっけて250度のオーブンで5分ほど焼いたらできあがり。ブランチに最適解。