「皮なしソーセージってけっこう好きなんだ。たいしてうまくもないんだけど、うまいんだよ」
どっちだよ! と思わず突っ込みたくなるんだが、幼いころにアメリカで過ごしたK氏にとって、朝食に出てきた皮なしソーセージには並々ならぬ思いがあるらしい。
その名も「バルクソーセージ(Bulk Sausage)」。
腸詰めしない、茹でない、燻さない、もはやソーセージというより俵型の豚ハンバーグのような料理なんだが、この簡素さと見た目の歪さが、いかにもホームメイド。個を重んじるアメリカっぽさが表れているようで、K氏にぴったりの料理だと納得した。
バルクソーセージのおいしいポイントは、豚肉のタネに冷水をいれることだ。ソーセージを焼くとどうしても水分が蒸発してしまうので、あらかじめ補ってやることでジューシーな仕上がりになる。
ただしK氏いわく、これは「ジューシーすぎる」らしい。端っこがパサパサに乾いているソーセージ、それこそ本場のバルクソーセージなのだと彼は豪語する。よもや肉をジューシーに焼いて文句を言われるなんて思ってもみなかったが、まあ好みの問題だし、だからこそ思い出の味なんだろう。
今回は手軽にハーブ塩でつくったが、パプリカを入れたらチョリソーっぽくなるし、生のハーブを刻んでいれても風味がいい。
皮なし自家製ソーセージ
材料
豚ひき肉 |
400g |
館ヶ森高原豚を使用 |
砂糖 |
小さじ2 |
|
ハーブ塩(塩) |
8g |
肉の分量の2% |
コリアンダーパウダー |
小さじ1/2 |
|
ニンニク |
1片 |
すりおろす |
黒胡椒 |
小さじ1〜 |
|
冷水 |
大さじ4 |
|
つくりかた
① こねる
ボウルにすべての材料をいれて手早くこねる。あたたかいと豚の脂が溶けだしてしまうので、私はもっぱら木べらを使っている。混ぜ終わったら冷蔵庫で1時間ほど寝かせる。
② 肉を成形する
サランラップに適量のタネをとり、押しつけるようにして長方形に成形する。手に水をつけておくと肉の手離れがいい。
折りたたんでソーセージ型に成形。サランラップの片端をねじり、空気を抜くようにしてもう片方の端もねじる。
あまりに細いと焼きづらいので、ある程度の太さがおすすめ。
④ 冷蔵庫で保存
冷蔵庫で肉を休ませる。一晩おいても大丈夫。
③ 肉を焼く
サランラップを慎重にはがして、ソーセージを転がしながらこんがり焼く。
バルクソーセージを使った一品料理
ソーセージをつくりすぎてしまったら、パスタやスープにいれてリサイクル。
バルクソーセージと菜の花のペペロンチーノ