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時速1kmの思考

一口サイズでカリッと揚がる、新玉ねぎのかき揚げ

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油は大量に使うし、後片付けも面倒だしで、敬遠しがちだった天ぷら。「揚げ物が一番楽だよ!」という友人のひと言で考え直してみた。たしかに、味付けのことをそこまで深く考える必要はないし、食材の味をそのまま楽しめる点でいえば、これほどシンプルな調理法もない。

そこでスペインのタパスをイメージして、一口サイズでつくってみたら、油も最小限で済むし、小ぶりなので時間もかからず、なにより「今日は揚げ物だ!」みたいな気負いがふっと軽くなった。ひとつは新玉ねぎのみ、もう一つには桜海老も混ぜ込んでいる。

新玉ねぎのかき揚

材料(一口サイズのかき揚げが4つ)

  1. 新タマネギ(薄切り) 1/2個
  2. 片栗粉        適量
  3. 天ぷら粉       大さじ2
  4. 冷水         大さじ4弱

つくりかた

  1. タマネギに片栗粉をまぶし、冷やしておく。ビニール袋を使うと便利だ。
  2. 冷水でといた天ぷら粉にタマネギをいれ、ごくさっくりと混ぜる。
  3. 大さじ1.5ずつ②をすくい、丸く成形しながら揚げる。表面が固まるまであまりいじらないように揚げていく。
  4. 油をよく切って、塩や天つゆで食べる。

おいしいポイント

ジューシーな新玉ねぎは、余計な水分とるために片栗粉をまぶす。揚げている途中の爆発防止にもなるし、よりカラッと仕上がる。

揚げるときは、アイスクリームスプーンがとても便利。大きさもそろい、自然と丸い形に収まってくれるのだ。

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新たまねぎのかき揚げをアレンジする

新玉ねぎとパクチーかき揚

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パクチーが苦手な人にこそ食べてほしい。揚げることでパクチーの香りが和らぐのだ。パクチー好きなら茎もいっしょに揚げてしまおう。白ワインに合う。

新玉ねぎと紅生姜のかき揚

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母が漬けた紅生姜を刻んで加えている。ふわっと香る生姜の風味が食欲をそそる。紅生姜は塩分が強い(自家製だと日持ちさせるために塩は強めにしてある)ので、そのままいただける。

konpeito.hatenablog.jp

新玉ねぎと野菜のかき揚

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ニンジン、ゴボウ、貝割れ大根などあるものを少しずつ寄せてかき揚げに。冷蔵庫の一掃だ。ついつい蕎麦を湯がいてしまい、食べ過ぎに。

ジャガイモさえあれば、ロスティはつくれるぞ!

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チーズ専用おろし器を新調して、はまってしまった料理の一つがロスティ、スイスのジャガイモ料理だ。聞こえはなんだか洒落ているけど、言ってみればジャガイモのお好み焼きだ。ちなみにロスティの青海苔味は見た目、完全にお好み焼きだ。

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コストコAmazonでもレトルトのパウチ商品が売られていたが、その価格には驚愕した。おいおい、こんなのジャガイモさえあれば誰でもつくれるぞ...…それにしても高すぎる。

単品で食べるのもよし、肉料理の付け合わせにするのもよし。超高カロリーかつジャンクでテンションも上がるジャガイモ料理だ。

ロスティ

材料

  1. ジャガイモ     2個
  2. バター(無塩)   20gくらい
  3. 塩         適量

つくりかた

  1. ジャガイモを粗めにすりおろす。チーズおろし器がなければ包丁で千切りだ。
  2. ボウルにジャガイモに塩をいれて手で揉む。水分が出てくるので軽く絞る。
  3. フライパンにバターを熱して、②を流し込み、形を整えながらヘラで押しつけるようにして中火で焼く。両面ともパリっと焼き上げる。

おいしいポイント

カロリーを恐れず、バターはたっぷり使うのがおいしいカギ。

ジャガイモは、下記のチーズおろし器の一番粗い目ですりおろしている。しゃくしゃくとした歯触りが楽しめるし、なにより速い。

テフロンより鉄のフライパン(直径20cmを使用)のほうが、香ばしい焼き目がついておいしい。

泡盛が止まらない! 島らっきょうの胡麻油炒め

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行きつけの沖縄料理店で生まれた一品。もともとは「豚肉と島らっきょうの炒めもの」だったが、あえて豚肉抜きでつくってもらったのが事の始まり。泡盛はもちろん、日本酒もすすむヘルシーな酒菜だ。いつのまにか定番商品になりつつある。

島らっきょうの胡麻油炒め

材料

  1. 島らっきょう  好きなだけ
  2. 出汁醤油    適量
  3. 胡麻油     適量

 つくりかた

  1. 島らっきょうはていねいに洗って泥をとり、固い葉と根を切り落とす。
  2. フライパンで胡麻油を熱し、中火で島らっきょうを炒める。
  3. 仕上げに出汁醤油をさっとふりかけて、皿に盛る。好みで鰹節を添える。

おいしいポイント

島らっきょうは生でも食べられるので、食感を残すようにさっと炒める。

深夜の小腹に効く! 豆腐の卵とじ

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あと一品足りないとき、風邪気味のとき、呑んだあと、ダイエット中でも罪悪感なく食べられる最強の酒菜。

使う食材は豆腐と玉子だけ。こんなに経済的なつまみはない。

調理時間は4分弱。これを作りはじめてから冷蔵庫に豆腐は常備するようになった。

冷奴が寒いと感じる季節になったら、こちらにシフトだ。

豆腐の卵とじ

材料

  1. 豆腐    1丁
  2. 卵     1個
  3. 出汁醤油  大さじ1

出汁醤油は鎌田醤油をダース買いしている。麺つゆ、だし巻き玉子、お浸し、ドレッシング、和風パスタなどなんにでも合う万能醤油で、もう手放せない体質になっている。豆腐は、のどごし柔らかな絹ごしをおすすめしたい。

つくりかた

  1. 豆腐を賽の目に切る。
  2. 小鍋に豆腐、出汁醤油を入れ、強火で温め、ぐつぐつ沸いてきたら弱火にする。
  3. 豆腐が温まったら、溶き卵を回しかけて蓋をする。1分ほどしたら火を止めて蒸らす。途中で溶き卵と豆腐を大きくかき混ぜると、よい半熟加減になる。
  4. アサツキや七味唐辛子、海苔など好みの薬味を添える。

おいしいポイント

卵をいかにとろとろ半熟に仕上げるかが、おいしいカギ。火の通りかたは鍋の材質にもよるが、何度かつくっていくうちに、コツがつかめる。

私が使っているのは、ビタクラフトのミニパンセットの浅鍋だ。直径16cmで、豆腐一丁がまんべんなく入る。ただ材質的に火が通りやすいので、玉子をいれたら予断を許さない。浅い土鍋のほうが火の通りが柔らかいかもしれない。

豆腐の卵とじのアレンジバージョン

エノキと豆腐の玉子とじ

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豆腐が半丁しかなかったのでエノキダケをいれてみる。歯ごたえが加わり、腸に良さそうだ。

【Amazon Prime】EAT THE WORLD ep6. 禁断のキューバ

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青い空、色彩豊かなキューバの首都ハバナは、数十年前と変わらない姿だ。

1960年代のカストロ台頭以来、アメリカにとっては近くて遠い国だったキューバ。この国の食文化は政治に大きな影響を受けてきた。限られた食材や道具で人々の胃袋を満たすべく、キューバのシェフは創造性をふるって、独自の食文化を開花させたのだ。50年もの時を経てついに渡航規制が緩和され、いまやキューバは人気の観光国だ。

エメリル・ラガッセと旅するのは、アーロン・サンチェス(Aarón Sanchez)、ラテン料理の世界的な権威だ。二人は現代ケイジャン料理の父、ポール・プルドームの下で共に学んだ、いわば兄弟弟子だ。腹ぺこのふたりは赤いクラッシック・カーに乗り込み、さっそくキューバ料理を食べにいく。

農場から食卓へ

1993年、キューバではパラダールと呼ばれる民家を改装した家族経営のレストランが認可された。なかでも観光客や要人が訪れる人気店が ラ・グアリーダ(La Guarida)、つまり「隠れ家」だ。

頭がもげた石像が迎えるだだっ広い玄関から螺旋階段が上へと続く。老朽化が進み、今にも崩れそうなこの四階建てのアパートには、シェフをはじめすべての従業員が住んでいる。通されたのはかつてスペイン女王も食事をしたという由緒ある部屋だ。色褪せた黄色い壁は写真で埋め尽くされ、国の歴史と家族の絆の強さを感じさせる。オーナーのエンリケ・ヌニェス(Enrique Nunez)は、パラダールを開いた初めてのキューバ人企業家だ。

ここで合流したのが地元の料理記者アラン・グティエレス(Alan Gutierrez)だ。キューバの食文化や歴史について発信しているキューバきっての食通だ。

アランによれば、キューバ中南米で一番農業が発達しているという。都市農園がその最たるものだ。食べることもままなららない時代、なんとか食糧不足を打開しようと、人々は知恵を絞ってきたのだ。それがキューバの魅力になってると、アランは言う。キューバの食文化は、都市農園に支えられてきたのだ。

ロブスターのクリームライス添え(Lagosta con Arroz Cremoso)

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ニンニクソースが利いたクリームライスの上に、ロブスターがのっている。

ロブスターは、キューバの数少ない輸出品のひとつで、観光客以外がたべることは禁じられている。魚介類は価格が高いので、子供の頃は食べたことがないというアランも、思わず携帯で写真を撮る。

ロブスターの出汁で炊いた米、甘い赤ピーマン、ロブスターもプリプリだと、エメリルはご満悦だ。

子豚のロースト(Cohinillo Lechal Confitado)

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母乳だけで育った子豚を焼いてから細かく刻み、それを一日かけて成形するという手間のかかった一品だ。フォークをいれると、ふわっと崩れる。

伝統的だが洗練されている。付け合わせはマッシュされたサツマイモ。ハチミツとオレンジのソースは甘すぎるわけでもなく、すばらしい味わいだとアーロンは絶賛する。

キューバでは、牛肉を処理するには政府の認可が必要だ。そのため一般的には豚肉が好まれる。安く育てられるのも魅力の一つだ。

La Guarida

Concordia No.418 /Gervasio y Escobar. Centro Habana. Ciudad de la Habana. Cuba.
La Guarida | An emblem of Havana

都市農園の秘密

ハバナの約16キロ東にあるコヒマル(Cojimar)は、ヘミングウェイの小説『老人と海』の舞台になった小さな漁村だ。ここではキューバの新鮮な野菜の秘密を探る。

キューバでは、ソ連崩壊後の経済危機により、輸入食糧は途絶え、石油不足によるエネルギー危機も深刻となった。国営の配給店で売っているのは卵やパン、ぎりぎりの生活必需品のみで、陳列棚は慢性的にがらんとしている。食材を調達することが、とても難しい時代があったのだ。

そこで生まれたのが、都市農園だ。平たく言えば家庭菜園のようなものだが、その規模は大きく、どうみても片手間でできるような菜園ではない。アメリカでも流行しているようだが、キューバでは必然的に生まれたのだ。

二人が案内された都市農園は、バナナやマンゴーの木が生い茂るジャングルのような場所だ。クラントロやカチューチャなど、キューバ特産の野菜も植えられている。

畑は使用済みのペットボトルできれいに区画されている。殺虫剤などないキューバ人の知恵だ。ペットボトルに土をいれて作物を囲むと、熱くなった表面と光の反射で害虫が寄りつかないのだという。必要に迫られたとはいえ、最先端の有機農業じゃないか。

カフェ・アヒアコ(Ajiaco Cafe)では都市農園でつくられた新鮮なキューバ野菜を使い、伝統料理を追求している。オープンテラスのレストランは開放感に満ちていて、いわゆる社会主義的なものは感じない。とはいえ、自営業が認可されたのは2014年と、つい最近のことである。

アヒアコ・スープ(Ajiaco Soup)

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キューバの象徴ともいえる料理だ。「アヒ」はピーマン、「アコ」はスープの意味する。ユッカにカボチャにコーン、肉などがたっぷり入っている。小ぶりのコーンは軸付きのままだ。都市農園で育ったクラントロが味の決め手だ。 

ロパビエハ(Ropa Vieja)

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牛肉はほろほろ、しっとりだ。パセリとユッカ、ピーマン、カチューチャなど野菜もたっぷり。カチューチャはキューバの辛くない唐辛子だ。小ぶりだが味は濃い。 

豆の煮込み(Cuban Beans)

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米に豆をのせて、少量の豚の脂をほんの少し垂らして食べるのが、エメリルのオススメだ。豚の脂が米の一粒一粒や豆を包みこみ、思わずハイタッチしてしまううまさだという。だが食後の葉巻と12年もののラム酒も格別だ。

Ajiaco Cafe

Calle 92, #267 entre 5ta y 3ra E, Cojimar, Habana del Este, Cuba.
Inicio - Ajiaco Café

ピロ流ローストポーク

キューバでは豚肉はあらゆる料理に使われる肉の王様だ。アランの紹介で、エメリルとアーロンは養豚場へ向かう。オーナーのピロ・ヌルケス(Piro Nurquez)は、豚を飼育しローストすることに生涯を捧げている。

ピロが豚をローストしている間、二人もそのお返しに料理をすることになった。料理記者のアランも合流し、記念撮影をしながら農場のスタッフたちと楽しそうに料理をするシェフたち。ピロが食前の祈りを捧げ、さぁ食事だ。

カボチャの花のフリット

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まずはアーロンのカボチャの花のフリットが前菜だ。メキシコのご馳走である。何も無駄にしないキューバ人に捧げる一品だ。カボチャの花にチーズやバジルを詰め、小麦粉、卵、パン粉につけて揚げていく。サルサソースにはカチューチャとローストしたトマトを使っている。

ダーティ・ライス(Dirty Rice)

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エメリルはニューオリンズの定番、ダーティライスをキューバ風にアレンジした。通常は鶏レバーを使うが、エメリルは農場の新鮮な豚レバーを細かくして使う。

セロリにタマネギ、キューバのピーマン、パプリカなどの香味野菜とともに、豚レバーを炒めていく。米をいれて、塩を少し、豚のスープとウスターソースで炊きあげる。

豚のモホソース(Lechon con Mojo

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豚の体を洗い、オレンジやオレガノ、ニンニク、黒胡椒でつくったマリネ液を手で塗り込んでいく。これが豚を黄金色に焼き上げる秘密だ。

古パーツからつくった独自のオーブンに入れて、120℃で4時間焼く。その後、手製の焼き台にのせて20分ほど放置して香りをつける。乾いた熱が循環し、皮がパリッと仕上がるのだ。囲炉裏のような上で、燻製しているような状態だ。

豚をスモークしたグァバの葉にのせ、帽子と葉巻で飾るのがピロ流だ。パリパリに焼けた皮は破裂している。切り分けられた肉は見るからにしっとりしていて、美しいピンク色だ。パルミーチという椰子の一種を食べて育った豚は、風味がよいという。 

特別な客へのもてなしの印として、豚の尻尾を差し出されるエメリル。肉は自家製のモホソースをたっぷりかけて食べる。モホはオリーブオイルとニンニク、オレガノ、オレンジなどでつくられる調味料だ。

こんなうまい豚は初めて食べた。味付けも濃すぎず、噛むごとに豚の味が楽しめる。

エメリルの伯父と父も養豚場を経営していた。この匂いや動物とともに育ち、食肉のために豚が処理されていく姿を見ていた幼い頃を思い出し、涙をこぼすエメリル。

今あるものに感謝し、そこから料理を生み出す。すべては時代の必然性からうまれた食の文化なのかもしれないが、創造性を発揮して食べるという行為を楽しむ姿を見ていると、食べるとは人生そのものなのだということを痛感する。

また都市農園の取り組みは、食とはかくあるべきだという原点を、私たちに示しているような気がしてならない。