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mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

それぞれのおふくろの味—白和えご飯

食べる レシピ

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「うちのおふくろの味ってなんだったけ?」

そう母にたずねたのは数年前のことだ。気づけば母もそろそろ70歳にとどこうとしている。60代半ばになってサルコイドーシスという難病にかかかり、がくっと痩せて愚痴りがちだが、いまだ銀座へ出かけるとなると生気を取り戻したかのような様子である。どうやら入るサイズの洋服が増えたのが嬉しいらしい。

「なんやろう。わからん」
「茄子の油焼きとかは?」
「そんなん、人に言うたらあかん、恥ずかしい」

その羞恥心はどこからくるのか…よくわからないが、それを「おふくろの味」とは言ってほしくはないらしい。「ケーキなんてどうやろ?」

たしかに狭い台所でケーキを焼いていた母の姿は目に浮かぶけれど、私が求めているのはそういう類のものではない。ホームメイドとはいえど、彼女が本気でつくるケーキはどこか特別感がある。なかなか答えが出てきそうにないので、こちらから話をふってみる。

「たとえば白和えは?」
「まぁ、それならええけど。でも白和えご飯はあかんよ」

それビンゴ! まさにおふくろの味だ。
白和えご飯とは、卑しい食べ物なのかもしれない。白和えをつくったあとのすり鉢に、炊きたてのご飯を混ぜてそのまま食べるのが白和えご飯の流儀。豆腐のカスがついた白飯は、見た目はかなりアレなんだが、うまい。しかも先着一名様という限定飯だ。ただし、家族以外の誰かに見られてはいけない。初めて近しい他人に白和えご飯を見せたとき、彼は少し遠くの人になってしまった。

とにかく白和えはよく食卓に出ていた。定番の具は、ほうれん草、ニンジン、蒟蒻だが、春にはワラビやタケノコ、秋には柿やキノコなど、そのとき家にある食材を入れるから、ほぼ年中食べることになる。母が白和えをつくるとなると、私はすり鉢を押さえる役目を仰せつかる。濡れ布巾の上のすり鉢は、豆腐をすっていると動いてしまうからだ。目分量で大量の砂糖を入れる母。「白和えだけは甘なかったらうまくない」

「外で馬みたいに食べたらあかんよ」というのも母の口癖だ。店で出された小鉢にちょろりと盛られた白和えを初めてみたとき、その真意を知ることになった。
ときには“白和えもどき”に出合うこともある。醤油を入れすぎた褐色の白和えには、心底滅入る。口に入れれば入れるほど、くどく、厚かましく、腹立たしい。

白和えとは、味のついた豆腐を食べる料理ではなく、味のついた野菜を豆腐のソースで和ませて食べるものだと私は思う。そういう意味では、ソースの味で食べさせる他のジャンルの料理とまったく逆をいっているから、日本の料理は面白い。

「ところで、母さんのおふくろの味ってなによ? つまり婆ちゃんの飯ってことだけど」
「そーねぇ。松茸かな。その辺に生えてたし」

なんだその誰も共感してくれないおふくろの味は。山育ち、恐るべしである。とはいえ、だれも人様のおふくろの味なんて理解しないし、できるはずもないし、理解してもらおうなどとみじんも思ってもならない。おふくろの味とは胃袋に押された烙印のようなものだから、そういう意味では究極の孤独のグルメなのかもしれない。

白和えご飯

材料

ほうれん草 2〜3株 下ゆでして冷水にとり、しっかり絞る。3〜4cmに切る
ニンジン 1/4本 3〜4cmに細切り
蒟蒻 50g〜適量 塩もみして下ゆでし、3〜4cmに細切り
乾燥イチジク 1/2〜1個 細切り
調味料   野菜の下煮用
100cc  
出汁醤油 小さじ2  
少々  
あえ衣    
豆腐 1/2丁 キッチンペーパーなどでくるみ、上から重しをして水分をよく切る
胡麻 小さじ1  
砂糖 小さじ1/2〜1 イチジクや柿など甘い食材を入れる場合は調整する
白醤油(もしくは薄口醤油) 小さじ1  
ひとつまみ  

具に関しては、季節の野菜を積極的に使う。分量のことはあんまり意識する必要はない。好きな食材は好きなだけいれる。うちは蒟蒻がかなり多めだ。

つくりかた

  1. 小鍋で調味料を沸かして、蒟蒻を煮る。その後ニンジンも一緒に煮て、火が通ったらそのまま冷ます。冷ましている間に味が染み込む。全体の粗熱がとれたら、ほうれん草も浸しておく。味見したときに、塩っ気はあるが、野菜の味がする程度がいい。https://68.media.tumblr.com/eb58fb72f787dad30a4cdd61bf139608/tumblr_on989nFyzI1tvgyjgo2_1280.jpg
  2. あえ衣をつくる。すり鉢に胡麻をいれてよくすり、砂糖、塩、白醤油を加えさらにする。そこに裏ごしをした豆腐をいれると口当たりなめらかで最高だが、母はそのまま豆腐を入れて念入りにする。https://68.media.tumblr.com/2b6779234808edfc8b0f3fe8ec78fed2/tumblr_on989nFyzI1tvgyjgo3_1280.jpg
  3. 野菜の漬け汁をよく切り、イチジクとともに食べる直前にふんわり和える。和えると水分が出てくるので、作り置きはできない。https://68.media.tumblr.com/819ccc0d3441cac99e03e8cbc6f89dc5/tumblr_on989nFyzI1tvgyjgo4_1280.jpg
  4. 白和えを皿に盛り、あえ衣が張り付いたすり鉢に熱々のご飯を入れて混ぜ、食べる。

使ってよかった暮らしの道具 長谷園の「かまどさん」

道具

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「おめでとう。これ使ってみて」
祝いの品と友人から手渡された箱は、見た目よりもずっしりしていて、ちょうど骨壷のようだ。早速あけてみると、それは黒い土鍋だった。長谷園というメーカーで、読み方はあのお茶漬けの永谷園と同じだ。
「それでお米を炊くと、美味しいよ。うちも使ってるんだ」

もらったときは、嬉しいような、参ったような、複雑な気分ではあった。毎日のことなのに、わざわざ土鍋で米を炊くなんて、ハイセンスな雑誌に出てきそうな理想の家庭だが、このずぼらな自分には手に余るんじゃないか。ふと頭に浮かんだのは「はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣いてもふた取るな*1」という謳い文句だ。

炊飯器が普及する前と後では、旧石器時代新石器時代かくらいの差があるように思える。後者の時代に生まれた者にとっては、この節の意味するところがいったいどんな状況なのかさっぱりわからないが、たしかに昔、母が口ずさんでいた。しかも炊飯器の前で。

それまで我が家で使っていたのは、一人暮らし用の小さな電気釜だった。聞いたこともないメーカーだし、機能的にはあれこれと問題はあったものの、場所もとらないし、壊れてもいないので、買い替える必要性はみじんも感じていなかった。

新しい土鍋を前にし、説明書に目を通す。基本的にはいつもの手順と同じだ。米を研ぎ、鍋に入れる。そして規定量の水…ここでひっかかる。説明書では、二合の米に対して、400ccの水を入れるとなっているのだ。それまでは水と米を同量で炊いていたが、水は米の1.1倍入れることを三十路も過ぎて学んだのである(ただし新米は例外だ)。三十年間、ろくに米も炊けなかったのかと思うと、なんだか情けない。

そして、いざ火入れの時を迎え、妙な緊張感が走る。「はじめチョロチョロ中パッパ」、これは米を炊くときの火加減のコツを手短に唱っている。つまり、弱火から(はじめチョロチョロ)、一気に強火にし(中パッパ)、蒸らす(赤子泣いてもふた取るな)わけである。再度説明書に目を落とす。

中強火で12分。その後20分蒸らす

以上だ。火加減は必要ないのである。あまりにそっけない文章に、これがラブレターだったら号泣するところである。

日本製の炊飯器と言えば、科学技術の粋が詰め込まれた文明の利器だ。炊飯器を買うためにわざわざこの極東の地を訪れる人がいるくらいだから、白米文化に住む者にとっては夢のような魔法の釜、黄金の国ジパングに炊飯器ありなのである。電気釜のなかで、「テルマエ・ロマエ」よろしく奴隷たちが「はじめチョロチョロ中パッパ」を絶妙に制御している…わけではない。

にもかかわらず、この旧石器時代の土鍋は、そんなことはおかまいなしに、ただ火にかけるだけなのである。しかも、わずか十数分だ。手持ちの炊飯器では30分はかかるというのに。とはいえ、この土鍋もその後20分蒸らすわけだから、合計は32分かかることになる。しかし、だ。やはり味が違うのだ。

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ことさら新米を炊くとその違いが歴然だった。黒い釜の中で艶やかな米がびっしりと敬礼している姿にはほれぼれしてしまう。炊きたての米が最高だけど、そうもいかない場合は熱いうちにラップして、冷凍庫へ入れる。保温機能がないのはある意味何かを切り捨てたような、晴れ晴れした気分になれた。炊飯器で保温された黄ばんだ米とはすっかりご無沙汰だ。

もちろん土鍋だから、米を炊くだけにその使命はとどまらない。鍋物は当たり前のこと、洋風の煮込み、アラブの蒸し料理など、その調理の可能性は計り知れない。この土鍋には蓋が二つ付属しているのが大きな特徴のひとつだ。内蓋には一種の圧力鍋のような効果があるようで、スネ肉や羊などの固い肉もほろほろに柔らかくなるのだ。しかも圧力鍋と違って、調理中に蓋を開けていつでも料理の様子をうかがえる。

そういえば、今年に入って不注意から外蓋を割ってしまった。それでも迷うことはなかった。新しい炊飯器を買うという選択肢はもはやなく、買ったのは外蓋のスペアパーツだ。もちろんバカ高いわけでもない。壊れたら次の新商品を、という時代に、同じものを長く売り続けることは大変だろうが、買う側からしてみればこんなにありがたいサービスはない。だからまた、いっそうの愛着も湧く。
store.igamono.jp

ところで、この土鍋を使うようになってから、ひとつ買いましたものがある。キッチンタイマーだ。手持ちのiPhoneにもタイマーはついているが、料理中に携帯をいじるのも不衛生だし、最終的には火を消すのが目的だから、結局キッチンには出向かなければならないのである。ならばキッチンに常設してある大音量のタイマーの方が便利だ。二連式なので、ご飯を炊きながら、半熟卵を茹でるといったこともできるので、重宝している。

この土鍋を使いはじめてからはや四年。つまり姓が変わって四年、長いようであっという間だった。日々米を炊いて、食べて、また研いで、秋には新米が届く。そうして歳を重ねていくのだろう。いつまでそんな暮らしが続くかはわからないが、そんな平々凡々たる暮らしを支えてくれているのが長谷園の「かまどさん」だったのだ。

*1:「はじめチョロチョロ中パッパ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて、ひと握りのわら燃やし、赤子泣いてもふた取るな」というロングバージョンもあるようだ。こちらのが懇切丁寧な説明だ

【続】三ツ星シェフを目指せ! キューバサンドイッチへの道⑤〜キューバブレッドを焼く

食べる 食べる-映画 レシピ

先日の記事でキューバサンドイッチは一度お休みしようと思っていたのだが、やはりキューバブレッドなるものが気になって眠れなくなってしまったので、焼いてみることにした。
参考にしたのは、前回紹介したFood WishesのシェフJohnのレシピだ。
foodwishes.blogspot.jp

キューバブレッド

材料

スターター   パンを焼く前日に仕込む
温水 120cc  
強力粉 60g オリジナルではオールパーパスフラワー
アクティブ・ドライイースト 1.5g 赤サフ使用
生地    
(A) アクティブ・ドライイースト 7g 赤サフ使用。※1
(A) 砂糖 小さじ2 きび砂糖使用
(A) 温水 180cc  
植物性ショートニング 大さじ3 オリジナルではラードを使用
小さじ2  
薄力粉 90g ※2
強力粉 270g ※2
植物油 適量 乾燥防止のため
※1 メモ

アクティブ・ドライイーストは、予備発酵を必要としないイーストだ。オリジナルの分量は1 packageだが、赤サフ(インスタント・ドライイースト)を使う場合は、もう少し抑えてもいいかもしれない。この分量では、驚くほど速く発酵する。

※2 メモ

オリジナルでは中力粉(オールパーパスフラワー)と強力粉を1.5C(180g)ずつ入れているが、中力粉が手元になかったので、上記のような配分にした。

つくりかた

  1. スターターの材料をすべてボウルにいれて、よくかき混ぜ、ラップをかけて冷蔵庫で一晩寝かせる。
  2. (A)を混ぜて、15分おく。イーストが反応して少し泡だってくるはずだ。
  3. 冷蔵庫から出したスターターを一度撹拌し、②へ入れて混ぜる。オリジナルのレシピでは、スターターのうち1/4カップ(60cc)を、次のパン作りのためにとっておいてもよいとあるが、今回は全量を入れた。そのため、生地はかなりゆるくなるので、その分、分量外の打ち粉が多めに必要となった。
  4. 砂糖、塩、ラードを加えて混ぜる。
  5. 小麦粉を少しずつ足しながら、生地をまとめていく。120gほど小麦粉を残し、ある程度まとまったら、調理台の上のせて練る。
  6. 残した粉を打ち粉にして捏ねていくが、だいぶ生地がゆるかったので、分量外の打ち粉もしながら練る。ショートニングの固い塊(冷蔵庫にはいっていたのでかちこち)が滑らかになるくらいを目安に、調理台に生地がつかなくなるまで練った。
  7. 丸く成形した生地をボウルに入れ、乾燥防止の油を塗り、絞った濡れ布巾をかぶせて一次発酵させる。オリジナルでは2時間だが、1時間ほどで2倍に膨らんでいた。https://68.media.tumblr.com/7ab91f6e3d4074f89faa259cc385fa1c/tumblr_on1umzwbaY1tvgyjgo1_540.jpg
  8. 生地を打ち粉をした調理台に戻し、空気を抜くようにして優しく押さえながら、長方形の形に整えて、2分割する。
  9. 手で生地を押さえながら、全長およそ30cmくらいの平たい長方形に整え、端からきつめに巻いていく。
  10. 継ぎ目を下にして置き、上から軽く押さえながら、均一の太さになるように成形する。乾いた布巾をかぶせ、二次発酵させる。オリジナルでは1.5〜2時間とあったが、1時間ほどで倍に膨らんでいた。↓moggy発酵中 https://68.media.tumblr.com/6716bc53d441a57fa95566eaabfe2e20/tumblr_on3rk1cpis1qbz7lgo1_1280.jpg
  11. 発酵後、良く切れるナイフで、パンの中央に縦の切れ目を入れる。https://68.media.tumblr.com/8a5cc3d3828fa64c4828876fbbd4ff12/tumblr_on1umzwbaY1tvgyjgo2_540.jpg
  12. 霧吹きで水をかける。
  13. 200℃で20〜25分焼く。うちのオーブンは少し強いので、190℃で15分で焼いた。なので、見た目は少し白い。ただ、結果これでよかったと思う。というのは、サンドウィッチにするときに、またグリルパンで焼くからだ。https://68.media.tumblr.com/7271ad0678951fe791640b40ce1cadc1/tumblr_on1umzwbaY1tvgyjgo3_540.jpg
  14. 15分ほどラックで休ませる。https://68.media.tumblr.com/c68b6d1fe0c2edea4a4e741c761ab8f4/tumblr_on1umzwbaY1tvgyjgo4_540.jpg

焼きたてはふんわり柔らかく、きめ細かい。食感はコッペパンのようで、サンドイッチにするにはふわふわすぎて心配になるくらいだ。風味もよく、危惧していたイースト臭もあまり感じなかった。
次の日の朝、サンドウィッチにとりかかる。

サンドイッチをつくろう!

1. パンを焼く

パンの内側にたっぷりのバターを塗って焼く

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2. ローストポークを温める

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3. 具を挟む

パン(底部)に、ローストポーク、チーズ、ピクルスをのせて、もう片方のパンにはマスタードを塗り、サンドイッチをとじる。

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4. サンドイッチを焼く

パンの上部とグリルパンにバターをたっぷり塗り、鉄板などで押しながら焼く。片面3分、両面とも焼く。

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5. できあがり

パンがこんがりと焼き上がり、チーズが溶けたらできあがり。

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食べる

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ふわふわだったあのパンが、こんなに変貌するとは想像もしなかった。外側はバターでカリッと焼けているが、ほどよくやわらかさが残ったサンドイッチは、歯切れが良くて食べやすい。どうやらこのパンは、そのまま食べるよりも、焼いてから本領発揮するようだ。

ハード系のバケット類を使ったヨーロッパの噛み応えのある洗練されたサンドイッチとは違い、甘みのあるパンがどこか懐かしく、ジャンクだが勢いがある等身大のサンドイッチ。ローストポークとバターの香り、そして酸味のピクルスとマスタードが絶妙。もう一口、もう一口と、止まらなくなってしまい、二日連続で食べてしまった。しばらくはどっぷりはまってしまいそうだ。

三ツ星シェフを目指せ! キューバサンドイッチへの道④〜ついに完食

食べる 食べる-映画 レシピ


そういえば、すっかりキューバサンドの記事が尻切れとんぼになっていたことに、先日気づいた。そもそも去年パソコンがクラッシュしてから、ブログを更新が滞り、食べたことすら忘れていた始末なので、後ればせながらご報告まで。前回は、肉を焼いたところで終わっていたはずだ。これまでの記事はこちらをご覧ください。
konpeito.hatenablog.jp
konpeito.hatenablog.jp
konpeito.hatenablog.jp

ジョン・ファヴローキューバサンドイッチのつくりかた

材料(6人分)

茹でたハム 170g 薄切り。1人当たり約28g、映画では2枚
ローストポーク 340g 薄切り。1人当たり約57g、映画では3枚
バター たっぷり 室温に戻しておく
バゲット 6切れ 15cm(6インチ)のもの
イエローマスタード たっぷり ディジョンマスタードではなく、アメリカの黄色いやつ
スイスチーズ 227g 1人当たり約38g、映画では2枚
ハーフサワーディルピクルス 3つ 縦に薄切り。映画では2枚。half-sour dill picklesは、酸味の少ないピクルスで、浅漬けのようなものらしい

アメリカ人仕様のボリュームのあるサンドイッチなので、これをアレンジしてつくったほうがいいかもしれない。

つくりかた

  1. グリルパンでハムを中火で焼いていく。一度ひっくり返し、色付くまで1分ほど焼き、別皿に移しておく。
  2. 半分に割ったバケットの内側にたっぷりのバターを塗り、黄金色になるまで1〜2分焼き、調理台に移す。
  3. バケットに、ハム、ローストポーク、チーズ、ピクルスの順に重ね、マスタードをたっぷり塗ったバケットでサンドイッチを閉じる。
  4. たっぷりのバターをハケでバケットに塗り、さらにバターを塗ったグリルパンの上において、鉄板を押し当てながら中火で焼いていく。パンが黄金色になりチーズが溶けるまでだ。片面3分(つまり両面6分)が目安。パニーニプレスで調理するなら3分だ。

とにかくバターもマスタードも肉もケチらずたっぷり入れるのがキューバ流か。日本人にはちとこってりすぎるかもしれない。マヨネーズが入っていないのが意外だった。

それにしても映画を見返すたびにパニーニプレスをポチりそうになる衝動を抑えるのが大変だ。物欲がむらむらとわいていくる。しかも思ったより安いんだよ。唯一の問題は、置き場所だ...。今回は鉄のフライパンで上から押さえつけてつくる。

ついに念願の家キューバサンドイッチ!

バケットは、リラック大崎店で焼いているニッツァを使った。通常のバケットよりも水分が多いのか、やわらかいがもっちりとした食感だ。
また、バターはバケットの内側のみにたっぷり塗った。

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一口食べて、色んな意味で感動した。たしかに、とてもシンプルでうまいこともあるんだけど、ここまでたどり着いた達成感のほうが強かったのかもしれない。その見た目にも満足している。ただ、ここまで数日かけてつくってきたのに、食べるとなるとものの15分のことで、なんと儚い夢のようなサンドイッチだ。

そしていま落ち着いて振り返ってみれば、パンには再考の余地がある。おそらく、映画で使っていたパンは、もう少しソフトな食感ではないかと思うのだ。ニッツァはそれ自体はうまいんだが、ハードすぎる。ほしいのは、ドトールのソフトフランスくらいの食感だ。バターも恐ろしいくらいに吸ってくれるだろう。こちらにキューバのパンのレシピがあったので、また機会があればつくってみたいと思う。

次のキューバサンドイッチは、NYタイムズで有名になった捏ねないパン(No-Knead Bread)を使った。焼きたては買ってきたものより勝るかもしれん。こちらのほうがさくさくで、バターも染み込みやすく、食べやすい。

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cooking.nytimes.com

書いていたら、また映画を見たくなってきた。そして夜中に腹が減ってくるんだろうなぁ…。

白飯おかわり! ボリューム満点のタイ料理—パッタヤ(PATTAYA)

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店は見かけによらぬもの

タイ スムージー&グリル(Thai Somoothie & Grill)マイタイ(Mai Thai)は、グアムで気に入っているタイ料理店だ。思えば、グアムのタイ料理はあまりはずしたことがない。ここパッタヤ(Pattaya)も口コミで評判だ。しかも先日は貸し切りパーティのため入れなかったので、今夜はそのリベンジとなる。

路地の暗がりに怪しく浮かび上がる看板。ここ本当に飲食店なのか、足を踏み入れた途端にダークサイドに引きずりこまれるんじゃないか、と二の足を踏む店構えであることは間違いない。まあ「人は見かけによらぬもの」と言うではないか。必要なのは、ほんの少しの覚悟だ。

カウンターが数席にテーブルも4つほどの、間口同様小さな店だ。ただでさえ狭い店内のそこかしこを飾る国籍不明のアジアン雑貨が不安を煽るものの、店内はほぼ満席で賑わっている。

店員にテイクアウトだと伝えると、「まぁ座ってくれ」とメニューをとりだし、カウンターの席を促してくれた。流暢な英語を話すフレンドリーな青年で、さっきまでくすぶっていた心許ない気分はすっかり晴れた。

待つこと十数分、作り置きかよ! と突っ込みたくなるほどの素速い仕事ぶりなんだが、テイクアウトボックスはしっかり熱い。どうやら出来たてのようだ。

ガパオ(Pad Ka Prao, Regular, $10)

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つゆだくのガパオ。ホテルの部屋に充満する新鮮なバジルとナンプラーの香りが食欲を駆り立てる。インゲン、タマネギ、パプリカなど彩り鮮やかで、鶏肉も惜しみなく入っている。

この歯ごたえが残るくらいの大きさに切られた鶏肉には好感がもてる。挽肉でつくったガパオは魅力が半減だ。このボリュームだと別盛りの白飯がいささか物足りなく感じる。ご飯は大盛りにしてもよかった、いや“すべき”であった。

ちなみにこの店ではほとんどの料理に、普通盛り(Regular)、大盛り(Large)がある。都内で食べたら4人分ほどあるだろうか。これがレギュラーだというからさすがここはUSAである。

チキンヌードルスープ(Chicken Noodle Soup, $10)

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麺とスープが別盛りなのはありがたいが、ひとつ問題が浮上する。麺をスープに入れるのは、どう見たって不可能だ。かといってその逆もしかり…。仕方なく勢いに任せてスープを麺に入れ、麺をスープに移すをくり返すことになった。白いテーブルは悲惨なありさまだ。

そんなことより問題は味。見た目どおりのあっさりしたスープだ。塩分も薄め。スープとしては薄味もいいんだが、これに米麺が入るとなると、いささかパンチが足りない。うっすら赤い脂が浮いているが、まったく辛くない。スパイシーソース、もしくは唐辛子を頼むべきだった。そして個人的には、ブロッコリーがこの料理にはまったく合わない。テイクアウトしたせいもあるが、火の通りすぎた歯ごたえのないブロッコリーほど食えないものはない。

今回頼んだ料理だけではなんとも評価しがたいが、料理によってだいぶムラがある印象だった。次はパッタイグリーンカレーあたりの定番を頼んでみようと思っている。そしてここ数日の教訓は、アジア料理をテイクアウトするなら辛みソースを頼むべし。

ちなみにこの日の夕食には、ペイレスで買ったベビーケールのサラダも追加した。

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プラスチックの容器にパンパンに詰め込まれたベビーケールは142gで6ドルだからお値打ちだ。ひとまず野菜不足は回避。

Information

Pattaya Authentic Thai Cuisine

113 Serenu Ave, Tamuning, Guam 96913
営業時間:月〜土曜日 10:00〜14:30/17:00〜22:00

グアムいち押しのベトナム料理店—フォー バシ(Pho Basi)

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ボリューム満点! うまい! 安い! のフォー専門店

夜の街を走っていると、ひときわ目立つ看板が現れる。フォー バシ(Pho Basi)だ。人気のベトナム料理店らしく、昼も夜も店の前は車でいっぱいだ。

外からは分かりづらいが、白を基調とした店内はとても明るく、清潔そうだ。どのテーブルも地元客でにぎわっている。入口正面はバーカウンターになっていて、爺さんが一人で酒を飲んでいた。家についた猫のような存在なのか、店員も特にかまうことはない。爺さんの並びに腰をかけ、メニューを受けとる。ペイレスでカリフォルニア産のピノを手に入れたから、今日もテイクアウトだ。

フォー、ブンボーフエ、生春巻きといった定番のベトナム料理のほか、ルンピアやケラグエンといったグアムの料理も並んでいる。価格は7.50〜13.95ドルだ。それなりにメニュー数は多く、悩んだあげくに焼きそばと炒め物を注文。相当腹が減っていたんだろう。料理を待つあいだ、店内を観察する。

店を仕切っているのは、小柄なベトナム人女性だった。お世辞にも愛想がいいとは言えないが、若い店員に指示を飛ばしたり、皿を運んだり、会計したりと、とにかくテキパキ仕事をこなしている。ツンデレ女子に違いない。こういう店は、期待がもてる。ときどき、「サービスが悪い」という外国人のレビューを見かけるが、私はいかにもチップ狙いの常に笑顔のサービスなど必要ないと思っている。もちろん、食事がうまければの話だが。これは欧米人とアジア人の違いなのだろうか。

そしてどのテーブルにもある生モヤシと葉野菜が山盛りされた皿を見て、はっとした。そうだ、ここはフォーの店だ。なぜフォーを頼まなかったんだ! と嘆いても時すでに遅し。厨房の奥ではすでに男性が中華鍋をがしがしふっていた。

熱々のテイクアウトボックスを抱えると、空っぽの胃を集中攻撃する芳しい油の匂い。思わずぐっとアクセルを踏み込む。

鶏焼きそば(Chicken Stir Fried Noodles, $8.95)

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一口食べて、フォーバシうまっ! と声をあげてしまった。これは人気がでるはずだ。ところどころ焦げているくらいにしっかりと焼かれた細麺に絡むのは甘めのタレ。鶏肉はとても柔らかく仕上がっているし、ニンジン、キャベツ、袋茸、タケノコなどの野菜もたっぷり入っている。

白米にのっけて、焼きそばご飯。夜中に絶対やっちゃいけないやつなんだが、うまい。休暇中なんだからいいじゃないと、自分を甘やかす。食べ応えのある焼きそばだった。

エビとタケノコの炒め物(Stir Fried Shurimp with Bomboo Shoot, $8.95)

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予想とは違い、餡掛けタイプの炒め物だったので、弁当容器を開けるときに勢い余って盛大にぶちまけてしまった。こちらもまた絶品だ。大ぶりのエビがごろごろ、タケノコも惜しみなくはいっている。味もしっかり決まっているので、白米がすすむ。

フォー バシはまた足を運ぶことになりそうだ。というのは、野菜がしっかり摂れるし、便利な週末営業、そしてフォーとバインミーベトナムのサンドイッチ)も食べてみたいからだ。

Information

Pho Basi

922 Marine Corps Drive, Tamuning, Guam 96913
栄養時間:月〜土曜日 11:00〜22:00
     日曜日   12:00〜21:00

グアムのフードトラックを食い尽くせ①—ハファ フリ(Hafa Huli)

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フードトラックというグルメの原石

メスクラ(Meskla)、モサズ・ジョイントMosa's Joint)の共通点。それはいずれもフードトラックが繁盛していることだ。グアムの飲食業で成功するひとつの道は、フードトラックなのかもしれない。つまり登竜門だ。フードトラックを追っていけば、いつかグアム最高の穴場レストランに巡り会えるのではないかと考え始めると、いてもたってもいられなくなった。

少し雲があるものの、日差しの強いシュノーケル日だ。ファミリービーチへ行きがてら、Hafa Huliへ寄ってみることにした。場所はPiti周辺、Marine Corps Drive(Guam Highway ルート1)沿いにあるはずだが、今日は工事の影響で移動しているらしい。ルート1から一本奥まったアサンプション・ロード(Assumption Dr)にある教会、Our Lady of Assumption Churchの前に店を構えていた。日々場所と開店時間は変わるようなので、あらかじめ公式Facebookで確認しておこう。

ネットの情報によれば、ハワイアンBBQらしく、名物はフリフリチキン(Huli-Huli Chicken)と呼ばれる鶏の丸焼きだ。なるほど。「HAFA」というチャモロ語と「HULIHULI」(ハワイ語で回すという意味)が店の由来なのだろうか。実のところ、BBQにハワイ式、グアム式、フィリピン式と言われても、その棲み分けよくわかってはいないのだが。

白いフードトラックを追って

目印は白いフードトラックだが、特に目立った装飾はされていない。トラックに提げられたメニューを見ると、ビーフ・ブリスケットのほか、カルア・ポーク(Kalua Pork)アヒポキ(Ahi Poke)、ハニーウォルナッツシュリンプ(Honey Walnut Shrimp)など、ハワイの定番グルメが並んでいる。ただ何かが足りない。そう、フリフリチキンが見あたらないのだ。夢じゃなかろうかと目を擦ってみたものの、現実だった。軽くショック…。

いずれも、ご飯かパン、付け合わせにマカロニサラダ(Mac Salad)かコールスローが選べる。まずは本日のスペシャル、チキンのトマト煮込みと、定番のブリスケットを頼んでみよう。

ブリスケット(Smoked Brisket, $7)

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がっつり肉と甘めのBBQソースの香りがたまらない。箸でいとも簡単にほぐれる牛の赤身肉はしっとりしており、ていねいに調理されている印象だ。このボリュームと値段からして、費用対効果は高い。丼の四分の三ほどは白米が占めているから、大食漢でも満足できるはずだ。もう少しBBQソースがかかっていたら、白米もたいらげてしまったかもしれない。育ち盛りに戻った気分だ。

その上でのマカロニサラダ。まさにサラダという名の脂肪と糖である。ただマヨネーズと肉汁がからんだご飯が、これまたジャンクでうまい。泳ぐ前にこれを完食してはえらいことになると、思わず箸を持つ手が躊躇する。しまった、健康のことを考えれば、コールスローを選んでおけばよかった。

チキンのトマト煮込み(Stewed Chicken Bowl, $6)

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グアムにしてはお上品な味。といっては失礼な話だけれど、塩分控え目で、優しい丼だった。タマネギとトマトがたっぷりはいっているので、ヘルシーかつ爽やか。ドレッシングで和えたシンプルなコールスローがありがたい。

ちなみに、Facebokでは「すばらしい」「非常に良い」「良い」「まあまあ」「よくない」という五段階の評価基準があるので、私はこの店に星を3つつけた。すると店からメッセージが届いたのだ。

食事を楽しんでもらえなかったようで残念です。もしよければ、何を食べたのか、そして改善点があれば教えてください。

私としては「良い」評価だったのだが、どうやら相手はそう思っていない。しばらく考えて、こう返信した。

食事はとても楽しめました。目当てのフリフリチキンが食べられなかったのが残念ですが、次回の楽しみにとっておきます。

個人的には丼スタイルより、いわゆる弁当容器のほうがありがたいです。また、肉になにかしらの辛みソースをつけてくれたらいいですね。

料理の費用対効果は抜群です。来年も行く予定なので、がんばってください!

それにしても、こうやって連絡がくるというのは、もっとおいしいものを提供したいと向上心の表れだろう。いつかグアムの中心街でHafa Huliが店を出す日が来るのだろうか。今後がとても楽しみな店である。

その夕方、店からまた連絡があった。どうやら鶏肉を回転させる機材が故障したため、フリフリチキンをお休みしていたそうだ。次こそは食べに行くと約束する。

Information

96915 Piti, Guam
Facebook で場所を確認のこと。

営業時間 火〜金曜日 10:30〜13:00