朝から腰だけでなく、全身の調子がイマイチで、処方された痛み止めがまったく効かない。薬味と梅干しをトッピングした温冷麦で温活してみるが効果なく、グダグダと午後を費やしてしまった。
家人は会食なので今晩は一人飯だ。なにか滋養に良いものにしよう。たしか成城石井にパウチの参鶏湯があったなと、炎天下のなか店へ向かったが、何かの試練なのだろうか、空振り。しかしすでにサムゲタン腹になってしまった。
帰宅してすぐに、先日求めた白い土鍋に鶏モモ肉、ネギ、ニンニク、タマネギ、棗を放り込んで点火。丁寧に灰汁をとったら、横浜中華街で「スゴクキクヨ!」と猛烈に推された高麗人参茶を加えて蓋をする。煮込んでいるあいだは腰痛体操に励むとしよう。
ところで、網代の駅前に七福神というリサイクルショップがある。食器や衣類、雑貨など、昭和テイスト溢れる物が雑多に並んでおり、ここで掘り出し物を探すのが趣味のひとつだ。「ゆっくり見てね」という女店主の社交辞令をまにうけ、べったり1時間は宝探しに興じるのが常だ。
6月に手に入れたのは白い土鍋、破格の1000円だ。蓋に穴が空いてない土鍋は珍しい。直径が20cmと小ぶりかつ縦長のつくりで、奥の1番小さなコンロにおいても邪魔にならないのが気に入っている。ここのところ出番が多い鍋だ。
閑話休題、1時間後、参鶏湯もどきの出来上がり。スープを飲み干せるかわからなかったので餅米は入れず、麦飯を別盛りにした。肉が残れば明日は麺にすればいい。
と思っていたんだが、箸で崩れるほど柔らかく煮えており、藻塩をちょんとつけると食べるとシンプルながらも旨い。透き通ったスープの滋味は体中をかけめぐっていくようだ。もう少し、もう少しとやってるうちに、250gをペロリとたいらげてしまった。
身体が痛いだけで、普通に食欲はあるんだな。ちょっと恐ろしくなりながら、クーラーの効いたリビングのソファに倒れ込む。