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時速1kmの思考

2022年のおせち備忘録

2022年おせちの備忘録
2022年元日

あけまして
おめでとう
ございます

2021年の一大事といえば、家を買ったことだろう。
築88年の古民家はそこかしこにガタがきていて、一筋縄ではいかないボロ具合だった。

猛暑を予感させるかんかん照りの6月。がらんとした薄暗い室内は蒸した陰気がビタッと張り付いていた。不動産屋が小走りで窓をあける。

堰を切ったかのように塩気混じりの空気の塊がどどどっとなだれ込んできた。
縁側から臨む水平線はくっきり海と空を分け、真ん中にぽっかり浮かぶ初島、その奥に霞みがかっている大陸は、大島だった。
「いい風が吹きますねぇ」
「そうなんですよ!」それまでガチガチの営業スマイルだった不動産屋がほころんだ。

7月3日。熱海に土石流が襲った。翌日に二度目の内見を予定していた我々は、まさかと目を疑った。テレビから流れる携帯サイズの映像が生々しく、言葉を失った。道路は寸断され、交通手段もなくなり、内見は延期となった。

1週間後、現地に赴く。えぐられた家々や泥の痕が車窓から見え、同行者はみな絶句。市内ですれ違うのは、全国から駆けつけた自衛隊のものものしいトラックだった。いまだ国道は復旧していないが、全国から援助が届いてありがたいと、担当者がこぼしていた。

数日後、契約書に判を押す。
こんなことがあったばかりだし、これからどうなるかわからないけど、ここに住んでみようと腹をくくる。
その後、不動産にまつわる諸問題がこじれにこじれ、家の鍵が手元にきたのが10月。リフォームの話がようやく進み出した年末だった。

年内に引っ越すプランは崩れ、結局、仮住まいのまま新年を迎えることになった。一年のほとんどが蔓延防止措置だったから、外食も数えるほどで、日々の飯づくりに疲弊。心技体の全てがお節づくりを拒否していた。
そこでWakeaiというサイトで伊勢エビをポチったのが12月4日。これでなんとか体裁をとり繕おうという魂胆だった。

クリスマスを過ぎるとスーパーも俄然前のめりでお節の食材を推しはじめる。見て見ぬふりをしてたけれど、海老芋の特売日を境に、ずるずるとお節アイテムの収集がはじまる。

心技体不完全ながらも、なんとか作り上げた2022年のお節はこんな具合だ。

おせち備忘録

紫芋の栗きんとん

紫芋の栗きんとん
ゴッホな栗きんとん
紫芋 3本(皮をむいたら400g程度だった) 繊維が残らないよう厚めに皮をむいて2cmの輪切り
焼きミョウバン 少々
水飴 255g 甘さ控え目仕様
少々
栗甘露煮 市販
あく抜き(12/28)

たっぷりの水に焼きミョウバン紫芋を入れて一晩おく。

ゆがく(12/29)
  • 紫芋をしばらく水にさらして、柔らかくなるまで湯がく。
  • 水気をきって熱いうちに裏ごしをして、アルミ鍋に移す。
  • 水飴を加え弱火にかけ、木べらで鍋底を掘るようにして、ぽってりとするまで練りあげる。
  • 上がりに塩を加え練ったら、ガラスの器に移して粗熱をとり、冷蔵庫に保存。
栗を包む(12/31)
  • サランラップを広げ、アイスクリームスクープ一杯分の紫芋を中央におく。
  • 真ん中に栗を立てて押しこみ、包んでひねって茶巾に絞る。

干し柿クリームチーズ

干し柿クリームチーズ巻
ワインに合う干し柿
干し柿 4個
kiriクリームチーズ 2個 三等分に切る
干し柿でチーズを包む(12/29)
切る(12/31)

鮭西京焼き

鮭西京焼き、ホタテ黄身焼き
鮭西京焼き、ホタテ黄身焼き
塩鮭の切り身 4切れ
大根おろし 半本分
西京味噌(粒) 漬け込む容器にはいるほど
煮きったみりんと酒 大さじ3〜4 つくりかたはこちらへ

※生鮭が手に入らなかったので、大根おろしで塩気を抜いてから使う。新巻鮭などもこの手段で塩気がいい塩梅に抜け、臭みも和らぐ。

鮭の塩気を抜く(12/28)
塩鮭の塩抜き
塩鮭の塩抜きは大根おろし
味噌に漬ける(12/29)
  • 鮭についた大根おろしを洗い流し、水気をしっかりとる。
  • 西京味噌に煮きりみりん酒を少しずつ加え、マヨネーズよりもやや固いくらいに練ってのばす。
  • バットに味噌の半量をしき、キッチンペーパーをのせて平らにして、重ならないように鮭を並べる。鮭の上にもキッチンペーパーをのせ、残りの西京味噌ではさむ。玄関の寒いところで保存。
焼く(12/31)
鮭西京焼き
できるだけ焦がさないように焼く
  • 鮭を味噌床からだし、一人分ずつに切りわけて魚串にさす。
  • 焦げやすいので、弱火でじっくり焼く。

ホタテ黄身焼き(12/31)

ホタテ黄身焼き
焦がさないよう焼く
ホタテ 11個 冷凍の刺身用を使用
黄身 1個分
  • 2%の塩水でホタテを解凍する。
  • 水気をふいて、酒をからめてから魚串に刺す。
  • 弱火で焦がさないように焼く。両面が白くなったら、片面を刷毛で黄身を塗りながら、乾かす程度に火を入れる。2〜3回くり返す。ときどき串を指先で転がしてあげると、串を抜くときの身離れがよい。
  • 熱いうちに串からはずす。

炊き合わせ【海老芋白煮・タケノコ・いんげん】(12/30)

野菜の炊き合わせと裏白椎茸
3の重:炊き合わせと裏白椎茸
海老芋白煮
  • よく洗って、皮を厚めに、なめらかな切り口になるよう一気にむく。
  • 水1.8Lに焼きミョウバン大さじ1をいれ、海老芋を30分つけたら、水にさらしておく。
  • 米のとぎ汁に酢を少々、海老芋を加え、落としぶたをして火にかける。火が湧いたら芋が躍らないくらいの火加減に落としてごく静かに茹でる(とても割れやすい)。
  • 串がすっと通るほどに芋が柔らかくなったら、落としぶたをしたまま少しずつ水を加え、ぬるくなったら芋のぬめりを優しく洗う。
  • 調味液を火にかけ、温まったら芋を戻す。
出汁 薄口醤油 砂糖 砂糖
400cc 15cc 大さじ2 小さじ1/2
  • キッチンペーパーで鰹節をつつみ、芋の上におく。
  • 落としぶたをしてごくごく弱火。30分ほど炊き、そのまま冷ます。落としラップをして冷蔵庫で保存。
タケノコ
  • 水煮を購入したので、臭味をとるためにさっと下茹でし、一口大に切る。
  • 調味液を沸かし、タケノコを加える。
出汁 薄口 みりん
320cc 40cc 80cc 少々
  • キッチンペーパーで鰹節をつつみ、タケノコの上におく。
  • 落としぶたをして、弱火で30分ほど炊き、そのまま冷ます。落としラップをして冷蔵庫で保存。
いんげん
  • 筋があればとり、塩で板ずりしたら熱湯でさっと湯がき、冷水にさらす。
  • 食べてみて、塩気が足りなければ、うっすらと塩を振って3cmほどに切って冷蔵保存。

裏白椎茸

去年は海老のすり身を使ったが、今年はお安く鶏肉で。普段使いもできてけっこう便利。

鶏胸ひき肉 200g モモ肉の場合、バターは少なめに調整する
ニンジン小 1本(10cmくらい)
バター 20g
ショウガ汁 少々
卵白 1個分
マヨネーズ 大さじ1
椎茸 6個 軸をとり、菜箸で傘をたたいてゴミをとる
裏白椎茸を蒸す(12/30)
  • ニンジンを縦四つ割りにし、バターといっしょにレンジで2分ほどチンして柔らかくする。粗熱がとれたら包丁の背でつぶす。
  • ひき肉に塩ひとつまみ、薄口少々、砂糖小さじ1/2、水、胡椒を加えてよく練る(けっこうゆるい種)。
  • 卵白とマヨネーズも加えてさらに練る。
  • ニンジンを加えたらざっくり混ぜる。
  • 軸をとった椎茸の傘の内側に刷毛で小麦粉をはたき、種をたっぷりと塗る。
  • 蒸籠で5分くらい蒸す。

※この状態でラップをして冷凍しておけば、けっこう日持ちする。

軸をとる笠が小さい場合はややえぐっておくと吉種をつくるシイタケに小麦粉をはたく種を盛る蒸すタレをかけながら焼く半分に切って重箱に盛る
裏白椎茸概要
焼く(12/31)
  • 濃口醤油、酒、みりんを同割りにする。
  • 裏白椎茸を魚串に刺し、タレを刷毛で塗りながら焼く(というよりも乾かすに近い)をくり返す。

蓮根甘酢

蓮根甘酢、二色うずら串、手羽先チューリップの素揚げ
蓮根甘酢、二色うずら串、手羽先チューリップの素揚げ
  • 花蓮根に飾り切りして(蓮根の穴と穴の間を包丁でVの字に切れ目を入れる。穴の周りを皮の中心から切れ目に向かって、穴に沿うよう、かつ丸みを帯びるように皮をむく)、薄切りにして、酢水につけておく。
  • 水:酢:砂糖を2:1:0.5で合わせ、塩少々、昆布ひとかけら、唐辛子半分を加える。
  • 蓮根を茹でて、甘酢につける。

二色うずら

うずらの卵 20個
味噌 適量
粉山椒 少々
梅酢 適量
うずらを茹でる(12/28)
  • うずらを茹でる(熱湯で2分)。急冷して、殻をとる。
漬ける(12/30)
  • 味噌(田舎味噌と八丁味噌の合わせ。色が濃いほうがいい)に粉山椒を加えてよく練る。ラップに味噌を塗って、玉子をはさんで1〜2時間くらい漬ける。
  • 赤梅酢に玉子を漬ける。1時間以上漬けると、しょっぱくなるので要注意。

※つけたては色が濃いが、冷蔵庫にいれると淡く退色する。

手羽先チューリップの素揚げ

手羽 人数分
ポン酢 適量

※基本的なつくりかたはこちら。
konpeito.hatenablog.jp

下ごしらえ(12/30)
  • 手羽先をチューリップに捌き、塩少々を揉み込む。詳細はこちらへ
  • 水1L、みりん大さじ1、砂糖小さじ1を沸かし、手羽先を茹でる。冷めたら冷蔵庫で保存。
揚げる(12/31)
  • 高温で色よく揚げ(2〜2分半くらい)、熱いうちにポン酢に浸す。

蟹爪クリームコロッケ

蟹爪クリームコロッケ
重箱におさまらず、セイロに詰めた

黒船亭のレシピを参考に。

12/30にクリームの具を作り、ひとばん冷蔵庫で休ませ、12/31に揚げる。
冷凍庫では具がかたまり切らず、蟹爪をいれた整形後に冷凍庫で保管。

伊勢海老刺身・炙り(12/31)

伊勢エビの刺身と炙り
三浦水産@伊豆の特大伊勢エビ
伊勢エビを捌く(12/31)
  • 流水に1時間つけて、伊勢エビを解凍。
  • 腹の両側にある黒いヒレをハサミで切り取る。
  • 頭のと胴体の境目に包丁を差し入れて、ぐるりと切り離す。
  • 頭と尾の付け根、両側の蛇腹にハサミで切り込みを入れて、頭をおさえて蛇腹の薄皮を剥がしとる。
  • 頭をひねって、胴と切り離す。
  • 腹にスプーンををいれて、胴から身をはがす。背わたをとり、氷水に放つ。水気をとって、キッチンペーパーとラップでくるみ、ステンレスの容器で保存。
  • 大鍋に塩を加えて沸騰させ、頭(20分くらい)と胴の殻(赤く色がでたら取り出す)を茹でて、冷ます。
解凍@洗面所黒いのが胸びれ胸びれとれた頭にナイフに差し込むぐるりとまわす蛇腹の薄皮のサイドを切る頭と胴にも切り込みを薄皮をべろりと剥がす
伊勢エビを捌く
刺身にする(1/1)
  • 一尾はさっと炙り、もう一尾はそのままで。一口大に切る。
  • 胴の殻を器にみたて、盛る。

エビと銀杏のバター焼き

ミニおせち
3日目のミニおせち。おかずが足りなくなり、急遽エビを投入。
  • エビの殻と背わたをとり、塩少々、片栗粉、水少々を加え、揉み込むようにて洗う。
  • 水で洗い流し、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取るり、酒少々、塩をふっておく。
  • エビに銀杏を巻き付け、爪楊枝で刺す。
  • フライパンにバターを温め、弱火で焼く。
エビと銀杏のバター焼き
普段使いできるエビと銀杏のバター焼き