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時速1kmの思考

腰痛からの便秘が改善! 薬膳的な菊芋と鶏肉の腸活スープ

キクイモと鶏肉のスープ

今年に入って何回目だろう。また腰痛が振り返した。急に寒くなってきたせいかもしれないが、とにかく痛い。
10分でも立って同じ作業をしていれば、腰のあたりがジクジクと痛む。あたり、というのは、もうどこが痛いのか分からなくなっているのだ。気を紛らわせるべく腰をクネクネひねりながらなんとかもちこたえようとするが、ジクジクの痛みがどこか一点に絞られたのちに激痛に変わる。いわく、これは腰痛貯金というものらしいが、そんな貯金はありがたくもなんともないのである。

買い出しに出かけても、大根や油など重たいモノを買ってしまった日にはほうほうのていで帰宅し、しばらくは動けなくなる。貯金が加算されたのか太腿が痺れ、なぜだか上の奥歯や顎まで痛い始末。

一番不便なのは大便の時だ。尻を拭くにも腰は重要だったらしい。手が届かないのだ。たしか元横綱小錦は現役の時、お付きの人に尻を拭ってもらっていたとなにかで聞いたが、私にそんなお付きもいるわけなく、悲鳴をあげながらトイレで孤独に渾身のひねり技を繰り出しているのである。

このような外的痛みに輪をかけて辛いのが、便秘だ。腰を労わるようソロリソロリと歩いてるもんだから、内臓が通常運転していないようだ。
それゆえ腸の動きが滞っているらしく、腹もあんまり減らず、食欲がわかない。

裸で横を向き鏡を見れば、ポッコリと出っ張った腹にゲンナリ。痛みで真っ直ぐに立てないせいもあるが、腰の下あたりの肉が硬くなっている。もちろんこれが筋肉ではないことは明らかだ。

スーパーへ行き、なにが食べたいのかもわからず、痛みを引きずりながら何周めかに見かけたのが朝鮮人参茶。なんだか身体に良さげなオーラは出ている。昔よく同僚が出張土産に朝鮮人参チョコレートを買ってきていたが、味が悪いと大変な不評であった。にもかかわらず土産置き場にいつでも必ず置いてあるという誰も幸せにならない土産であった。
おそらく痛みで思考停止していたのだろう。普段買わないものを買ってしまうという落とし穴にハマる。

キクイモと鶏肉のスープ

案の定、朝鮮人参茶はまずかった。味的には葛根湯とか顆粒パブロンといった生薬。これを湯に溶かして飲むのは修行の趣がある。でもまあ抜き差しならない体調だから、両親が差し入れてくれた菊芋と一緒にチキンスープをこしらえることにした。菊芋はちょっと土臭い香りがするので、参鶏湯のようなものになるに違いないと踏んだのだ。

じっくり煮込んだ朝鮮人参茶入りのチキンスープは思いの外美味しく、当日は食べ切ってしまい、翌々日、次はたっぷりつくって三日三晩食べた。

すると身体が驚きの反応をみせたのだ。
大便が、止まらないのだ。汚い話で申し訳ないが、最初はかなり長めのバナナ型、その次はちょっと下痢気味、その後は小型の奴がでてきた。オイオイ、大丈夫かよと自分でも心配になり、体重計に乗ってみると700gも減っている。

ギョッとして家人にきいてみた。「最近便通どお?」
「なんだか最近、日に二回はトイレ行ってんだけど。痩せちゃうよ、どうしよう」

家人はどちらかと言えば痩せ型かつスポーツオタクなためさらに痩せてしまうのは問題だが、とにかく出るらしい。

同じものを食べているので、原因はこのチキンスープであることは明白だった。
使ったのは、鶏肉、菊芋、エノキダケ朝鮮人参茶、それにナツメやニンニク、生姜といった類のものである。

後調べではあるが、どうやら菊芋にはイヌリン、エノキダケにはビタミンB1や不溶性食物繊維が豊富に含まれており、これが便秘にかなり効いたのだと想像できた。
さらにナツメ(大棗)は、中国では「一日食三棗, 青春永不老(1日に3粒食べるだけで年を取らない)」と言われるほど古来からその効能が珍重されており、今回は血流をよくして内臓の働きを良くして滋養強壮に効いた感じがある。
乾燥ナツメ。そのまま食べてもさしてうまいとは思わないが、スープに入れて鶏肉としっしょに食べるとほのかな甘味がアクセントになって意外と食える! という印象だった。

さらに鶏肉たっぷりなのでタンパク質もコラーゲンも必然的に摂取できるため、体を動かした後に野菜スープでは物足りないという家人でも比較的受け入れやすい仕様に、結果的になっていたというのが事実である。

あともう一つ実践したことがある。腰痛対策ではあるが、テニスボールでのマッサージを始めたのだ。腰、足の付け根、臀部などあちこちにボールを押し当て刺激しているが、一番痛いのはヘソを中心とした腹回りだ。

腰の痛みが酷いので、はじめはうつ伏せになってボールを腹の痛いところに当て、トドのようにのっかっているだけだったが、慣れてくると、足を曲げたり、バタバタさせたり、つま先で床を蹴るようにして腹の下のボールを動かせるようになってきた。
マッサージをした後は、腸がグルグルと音を出して、まさにリブートしたのが感じられる。

結局、スープとマッサージのどちらが効いたのかは定かではないが、健康診断オールAである家人の便の便りがいちばん信憑性がある。
便秘が辛くてお困りの方は、下剤を使う前に、ぜひ試してみていただきたいのだ。

薬膳的な菊芋と鶏肉のスープ

キクイモと鶏肉のスープ

材料

材料をざっと書いてはみたものの、あまり神経質にならずとも問題なし。

鶏もも肉 300g
手羽 8本
菊芋 10個 タワシでよく洗って皮ごとスライス
エノキダケ 1パック みじん切り
乾燥ナツメ 6個
ニンニク 3片
ネギの青いところ 2本分
ショウガ 親指くらいの大きさ2片
大根の端っこ 5cm
朝鮮人参茶 3g×2パック
3.5L

つくりかた

キクイモと鶏肉のスープ

  • 鶏肉は沸騰させた湯にくぐらせて、全体が白くなったら冷水に入れてよく洗う。
  • 鍋に水をはり、鶏肉、ナツメ、ニンニク、ネギ、ショウガ、大根の端っこを加えて煮立たせてアクをとる。弱火に落として朝鮮人参茶を加えたら、蓋をちょこっとずらして2時間煮込む。

キクイモと鶏肉のスープ

  • ほろほろになった鶏肉を取り出して、細かく割く。
  • 鶏肉を戻して、塩で味付けしたら、菊芋とエノキダケを加えて一煮立ちさせたら出来上がり。

キクイモと鶏肉のスープ

ご飯を加えておじやにしたり、ライスヌードルを加えて軽い昼食にしたりと汎用性がある。

キクイモと鶏肉のスープ