mogu mogu MOGGY

mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

グアム食文化の期待の星—キッチン リンゴ(Kitchen Lingo)

f:id:Xphi:20160122003520j:plain

2016.01.22 初出
2017.02.06 更新 2017年1月時点では改装中のため閉店中。
2017.06.10 更新 ディナータイムの営業のみに変更。公式サイトでの予約を開始。
2019.01.26 更新 2019年1月、リニューアル後に再訪。最新記事を更新。

konpeito.hatenablog.jp

進化形! チャモロ料理

ひと昔前であれば、肉・肉・とどめの肉!(ときどき魚)といったグアムの食文化が、ここにきて一気に開花してきたと言わざるを得ない。

食のホットスポット、アガニャ(Hagana)の小さなレストラン、キッチン リンゴ(Kitchen Lingo)では、地元でとれた新鮮野菜を中心に、進化形チャモロ料理を楽しむことができる。

グアムの食事情

まずは、これまでグアムであまり食べることがなかったのが、野菜である。訪れるたびに、野菜不足で肌が荒れ、便秘に悩み、ようやく生まれたMr.ブラウンは異様に臭い。

地元のスーパーでカット野菜を買おうにも、6ドルはざら。
その代わり、肉はとんでもなく安い。我が太ももほどの肉でも、12ドルほどで売っているのである。また、安いモノのほとんどは、外から輸入されたものだといっていい。

先住民族であるチャモロ人は、政府から助成金をもらっているほどの生活だ。なかには金持ちもいるだろうが、少ないだろう。肌感覚で言ってしまえば、雇用における人種差別もいまだある。安くて力のつく食材、そしてBBQ好きなら、確実に肉を買うはずだ。多くの島民が「不健康に太っている/もしくは痩せすぎ」なのも、うなずける。

そんななか、ファーム・トゥー・テーブル(Farm to Table)という試みが始まっているという。日本ではもはや珍しいことではないが、地産地消をめざした農業改革で、グアムで収穫された食材とレストランを結びつけ、新たな付加価値をつけていこうという試みらしい。

Kitchen Lingoも、Farm to Table に参加するレストランのひとつ(ほかに、Pika's Cafe!、9th Street Rotary、Mosa's Joint なども参加している)。

Kitchen Lingoでとにかく食べてほしいのは、
「ケールのシーザーサラダ(Kale Caesar)」($14.00)

f:id:Xphi:20160122003355j:plain

青汁やグリーンスムージーがはやりだして、日本のスーパーでもよく見かけるケール。最寄りのスーパーでは、大手ドールブランドが並ぶ。ただこのケール、正直、買おうとしたことがなかった。色は悪いし、しなびている。葉物で輸入だとしたら、どんだけ農薬ぶちまけてるんだ、という不安もある。そんな理由で実は食べたことがない食材だった。

ということで、期待と不安を胸に、口へ運ぶ。

「ケール、うまっ!」

ちょっとコクがあるのは胡麻ドレッシングだったのか。ぱりぱりに揚げたタロイモがアクセント。ケールの玉座に収まる5-minute egg は温泉玉子に近い。ほどよくチーズとドレッシングを纏わせたほろ苦いケールに玉子を絡ませる瞬間は、まさに至福。

リースリングをボトル($34.00)で頼んで大正解だったのだ(ちょっと甘すぎたけど)。

本日の魚(Local Fish)はマヒマヒ($29.00)

Kitchen Lingo のメニューは、とても大まかだ。おそらく、今日仕入れることができた食材でつくってます! ということなんだろう。とはいえ、「本日のXXX」と書かれてしまうと、頼まずにはいられない。

f:id:Xphi:20160122003427j:plain

グリルしたマヒマヒに、タイのグリーンカレーベースのソース、付け合わせは空芯菜、オクラ、クスクスという、非常にフュージョンな一品。まとまりがあるかと言われれば、ない。なのに、食べていてとても楽しい一品だから不思議。ズッキーニや南瓜など、別でローストして散らしているあたりも、繊細さを感じる。

箸で切れるラムショルダー($32.00)

f:id:Xphi:20160122004019j:plain

よく煮込まれたラムはとても濃厚。若干濃厚過ぎるくらいだが、肉の下からあふれ出るマッシュポテトらしきものが絶妙に緩和してくれる。ポレンタのようなねっとりした食感。名産のタロイモなのだろうか!? とにかくこれが絶品。芽キャベツや青菜、キノコなど、野菜もたっぷりとれるのも嬉しい。

はたしてプライスレスか!?

グアムのレストランにしては、量は少ないし(とはいえ日本人からしてみれば適量かもしれない)、価格も安くはない。

だが、シェフがひと皿ずつ、専用ライトを引きよせては、盛りつけをして、飛び散ったソースを拭う姿には、こだわりを感じられる。

もちろん、ホテルのレストランではどこもやっていることなんだろうけど、やっぱり地元に根ざして、地元の人々もたくさんきて、隣どおしで冗談も言い合える空間って、無条件にいいじゃない!?

そういう意味ではプライスレスな経験ができるグアムでも貴重なレストランだろう。

Information

f:id:Xphi:20160122010753j:plain

18時に予約したが、家族づれ、同僚、カップルなどで次々と席が埋まっていく。20時には次の予約の客が列をなしていた。20席ほどの小さなレストランなので、予約は必須だ(オンラインでの予約も開始)。

www.kitchenlingoguam.com

場所:153 Martyr St. 101-A Agana, GU 96910
営業時間:【バー】 月〜金曜日 17:00〜21:00、【ディナー】 月〜土曜日 17:30〜21:00
TEL:+1-671-472-5550
Facebook@kitchenlingo
Instagram@kitchenlingoguam
WEBhttps://www.kitchenlingoguam.com/