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時速1kmの思考

春子鯛の中落ちそぼろ餡かけ豆腐

春子鯛の中落ちそぼる餡かけ豆腐
茶碗蒸しよりイージーな自家製豆腐をアレンジ

ここのところ茶碗蒸しが続いていたので、久々にアレをつくろうと思い立つ。以前も紹介した豆乳をつかった自家製豆腐だ。

konpeito.hatenablog.jp

この自家製豆腐がいいのは、味付けなし、出汁いらず、適当に蒸せば固まる、など茶碗蒸しに比べてハードルが低いうえ、暖がとれて胃にもやさしい点である。酒を飲む前に食べておくと、翌日の二日酔いが軽減されるような気がするのもポイントが高い。

春子鯛春子鯛
今季初の春子鯛は7尾400円

ちょうど懐には今季初の春子鯛が7尾。すでに頭は落としてあったので、すべて三枚おろしにして、5尾は酢締めにし、2尾は天ぷら、骨はスープをとって(3日後に具なしの鯛出汁茶碗蒸しとなりました)、中落ちは餡かけの具にすることで成仏してもらう作戦だ。

春子鯛の中落ちそぼろ餡かけ豆腐

春子鯛
春子鯛の中骨

本日の主役は中落ちである。別に春子鯛でなくてもいいんだが、本ブログは備忘録も兼ねているゆえ、あえてこの長ったらしい名前にさせてもらった。

材料

自家製豆腐 二人分(器にもよるが500cc弱) つくりかたの詳細はこちらへ
春子鯛の中骨 7尾分
酒と水 同割で60ccくらい 鍋によるがそぼろがかくれるくらい
出汁 150cc 鰹節と昆布の合わせ
薄口醤油 30cc
みりん 30cc
水溶き片栗粉 適量

つくりかた

自家製豆腐を蒸す。豆乳に対して1%のにがりをよく混ぜ、強火で10分、弱火で10分、火を消して余熱で5分蒸すだけだ。
詳細はこちらを参照ください。
konpeito.hatenablog.jp

春子鯛の中落ちそぼる餡かけ豆腐
中落ちをスプーンでけずる

骨から中落ちをスプーンで削り出す。捌きが下手くそなせいか、けっこうとれるものである。そのうえ「無駄にしてないですよ」感が自己満足を刺激してくれるため、苦にならない作業だ。

小鍋に同量の酒と水、そぼろを加えて火にかける。水分を飛ばしていきたいので、そぼろがかぶるくらいの水分量で調整している。コツとしては、鍋が冷たいうちからよくかき混ぜてそぼろをポロポロにしておくこと。これは鶏そぼろで師匠に習った小技だ。

あらかた水分が飛んだら、出汁:薄口:みりんを5:1:1の割合で加えひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
5:1:1だとかなり濃い味の餡かけになるが、豆腐に一切味がついていないこと、それに今回はひとり250ccもの豆腐だったので、この塩梅となった。
豆腐の量が少ない場合は、もっと薄味の餡にするとか、かける餡の分量で調整すればよし、ということにしたい。

春子鯛の中落ちそぼろ餡かけ豆腐
しっかり春子鯛の味がする

豆腐に餡をのせ、黒胡椒をアクセントにぱらり。熱々のうちにいただきたい。

肉は骨のまわりが一番うまいというが、これは魚にも通じるのだろう。ミニサイズだろうが鯛由来の隠しきれない上品な風味がプレーンの豆腐を引き立てている。正直、爆上げという感じだ。こういう副産物的料理は今後も追求していきたいものだ。常温の麦焼酎をコップになみなみ注ぎ、晩酌開始。

【秋の炊き込みご飯祭り第二弾】金魚サイズの「のどぐろ飯」

ノドグロ飯
ノドグロ

近所の魚屋で見つけたのは島根県産のノドグロ。普段は手がだせない高級魚が、あろうことか4尾で400円だ。ラスト2パックだったが、残っていたことがミラクルである。

それにしてもなんだか既視感があるノドグロだ。
はるか遠い夏祭りのある日、友人の娘と金魚すくいに興じた。たくさんは飼えないからと、吟味した赤くかわいらしい小指ほどの金魚を彼女は大事そうに連れ帰っていった。
数年後にその友人宅へお邪魔すると、玄関先の水槽で不明な物体がやおら浮遊している。
「育ちすぎちゃったんだよね・・・・・・」あの時の金魚だった。元気そうでなによりだが、可憐な面影は消え去り、友人が水槽を横切るたびに金魚はこちらを凝視して口をぱくつかせている。まさにいま目の前にいるノドグロのサイズだった。

金魚サイズの隣に陳列された大人のノドグロは1860円である。白身の王様といわれるだけあって、価格もキングである。迷わず金魚サイズをカートに入れる。

ノドグロ

ノドグロ飯ノドグロ飯
頭をとるともはや金魚にしか見えなくなってきた
材料
ノドグロ 4尾 三枚おろしにする
2合 洗って水をきっておく
 昆布出汁 400cc
 ・薄口醤油 大さじ1
 ・酒 大さじ2
 ・塩 ひとつまみ
薬味 適量 海苔、小口ネギ、山椒などお好みで

頭をとったノドグロは完全に金魚化してしまった。ただここは腐っても鯛、ではなく金魚サイズでもノドグロ。捌いている時点でぬらぬらと指に脂がはりつく。

ノドグロ飯ノドグロ飯
頭と骨を炙る

頭と骨は軽く塩をして脱水し、こんがり焼く。

ノドグロ飯
調味液400cc、米2合、頭と骨をのせて炊飯

昆布出汁に調味料を加えてさっと沸かし、塩少々で調整。吸い物よりしょっぱいくらいが目安。脂がのっていたのでみりんは省く。
土鍋に米、調味液、焼いた頭と骨をのせて炊飯開始。長谷園の土鍋だと強火で10分程度。その後火を止めて15分ほど蒸らす。

ノドグロ飯ノドグロ飯
身も軽く炙る

三枚におろした身は小骨を取り除き、皮が縮まぬよう浅く切れ目を入れ、軽く塩をしたら網にのせて炙る。バチバチと脂のはぜる音が食欲を刺激する。このまま食べてもきっと旨いはずだ。裏はさっとで半生に仕上げたら、炊きあがった飯に並べる。

ノドグロ飯
金魚サイズなので2合土鍋にぴったりだった

ご飯をさっくりと混ぜ、ノドグロを一枚のせ、海苔とネギを添えるどんぶりスタイルで臨む。

ノドグロ飯
薬味をのせてどんぶりスタイルでいざ実食

「このご飯、鰻みたいな脂だね」
白身のトロって言われてるんだよ」
ついさっき仕入れたばかりの浅知識を披露しつつ、米一粒一粒にまとった良質の脂特有の甘さを鼻腔で堪能する。

「ちょっとさ、山椒とってくれない?」
これが大正解だった。鰻につきものの山椒だが、ノドグロ飯にも完璧に合う。というか爽やかさがプラスされて飯をかきこむスピードが倍速となる。もしかしたら木の芽もいけるんじゃないか? がぜん春が待ち遠しい。

惜しむらくは、〆の茶漬けまで碗がすすめられなかったことだが、うまいものほどほどほどにしておいた方が身のためだ。肥大化した金魚がゆらゆらと脳裏を霞む。

非常に満足しきって箸をおく。


追記:

腹が減った数日後の深夜、冷凍したのどぐろ飯をあたため、熱い湯をかけて出汁醤油を少々、海苔をのせてかきこんだ。
一度冷えたせいもあるのか、旨みの凝縮がすさまじく、人生最高の茶漬け経験のひとつになった。


追記②:2021年11月17日
ちなみに、魚をさっと炙りたいとき、こちらの商品がたいへん便利です。



長谷園 土鍋 ご飯鍋 かまどさん 二合炊
21 cm 直火 専用 黒 伊賀焼 日本製 鍋敷き & しゃもじ & レシピ 付 CT-03

【秋の炊き込みご飯祭】カマス飯

カマスの炊き込みご飯
【秋の炊き込み飯祭り】カマス

今日も今日とて、買い出しだ。
が、今日はちょっとだけいつもと違う。湯河原まで足を伸ばしたのだ。
というのも、熱海に家を買ってしまったからだ。昭和8年築の平屋で、海ビューつき、茶室つき、温泉つき、という変わった物件であった。
トイレにおいては三つもついている。洋式、和式、それに男子専用の便器が一箇所にまとまっている便器天国だ。なんでもつけりゃぁいいってもんじゃない。三つの便器を掃除する自分を慮り、リフォームに踏み切ることになった。

折をみて熱海に通うことになった晩秋。熱海への移住は長らく楽しみにしていたが、心配の種がひとつある。買い出し案件だ。

「このあたりじゃ皆イオンですね」と不動産屋はいう。イオンかぁ・・・・・・。イオンの旗艦店がそびえる品川シーサイドで育った自分は、昔からイオンの世話になってきたものの、いま仮住まいしている東戸塚にもイオンがあり、熱海でもイオンなのだと一方的に宣告を受け、少々がっかりしたのである。

もちろん真っ先に熱海のイオンを視察した。街のど真ん中に位置するせいか大型スーパーにしては手狭で、商品ラインナップからしてもミニチュア版イオンといった小粒感が否めない。さすが魚貝コーナーは旗艦店よりも活気があったが、その他はおしなべて "Theイオン"だった。

そこで熱海の隣町、湯河原のスーパーはどうだろう、という話になったのだ。これはいわば「買い出し」という名目の市場調査である。
まずは魚屋だ。刺身、干物、冷凍モノが一通り揃っており、売場の通路も二車線で快適。丸の魚は少ないが、もしかしたら我々の奇襲調査が時間的に遅れをとったとも考えられる。刺身の盛り合わせに、プラスチックじゃない、菊の生花をあしらっているあたりはかなり好感がもてる。今日のおすすめは小田原産のカマス、5尾400円だ。秒でカートに入れる。

次は肉屋。パック詰めされている安いものから、量り売りしてくれる肉屋も併設。これも合格。
焼きたてのパンもある。胡桃入りのバケットを手に取る。
このあたりから買い出しを忘れて調査に没頭。豆腐や調味料コーナーは外せない。ご当地ならではの商品が拝める貴重な売り場だ。

カートを操り奥へ奥へとさまよっていると、いつのまにか併設している「業務用スーパー」へ突入していた。一生分かというほどの福神漬、大手メーカーをパクったであろうパッケージのレトルト食品、どこから輸入したんだという謎のエスニック食材などなど、どれも規格外の怪しさを孕んでおり、眺めているだけで時間が過ぎていく。「カマス大丈夫?」と家人にせっつかれ、後ろ髪をひかれながらレジへ向かう。

カマス

小田原産カマス
小田原産カマス

見立てどおり、カマスは素晴らしく新鮮だった。真偽のほどはわからないが、長い系の魚は尾っぽを握ったときにピンとまっすぐ立つと新鮮な証拠だと聞いたことがあるが、どれもが該当していた。

5尾はすべて三枚おろしにして、2尾はカマス飯用に、3尾は炙って刺身にした。ということで、カマス飯の材料はこんな感じだ。

2合 洗って水をきっておく
三枚におろしたカマス 2尾分 小骨は抜く
カマスの頭と中骨 5尾分
昆布出汁 400cc
 ・薄口醤油 大さじ1〜
 ・酒 大さじ1
 ・みりん 大さじ1/2
 ・塩 ひとつまみ
紫蘇 好きなだけ 千切りして水にさらしておく

まず、ひとかけらの昆布に水を入れ、弱火でゆったり出汁をとる。沸騰する前に取り出したら、調味料で味付けをする。だいたい、昆布出汁が400ccくらいだとして、その0.5%くらいの塩を投入し、薄口醤油で好みのしょっぱさ(吸い物よりもしょっぱいくらい)にもっていくのが自分流だ。さっと沸かせて塩が溶けたら、水を張ったボウルに鍋ごといれて、冷やしておく。

カマスの三枚おろし
カマスの頭と中骨を焼く

カマスを三枚におろし、頭と中骨は軽く塩をして脱水した後、こんがり焼いておく。

カマス飯
焼いた頭と中骨を釜に放り込む

釜に米2合、味付けした出汁400ccを加え、その上に頭と骨をのせて、飯を炊く。長谷園の土鍋であれば時間にして強火で10分程度だ。その間に、三枚おろしにした身を皮からこんがり炙る。軽くこげ目がついたら、裏はさっと白くなる程度で十分だ。

カマス飯カマス飯
三枚におろしたカマスをさっと炙る

炊いて10分くらい蒸らした釜をあけ、頭と中骨を取り除くが、骨周りや頬に残っている身もうまいこと箸の先でこそげとれたら最上だ。
そこに先ほど炙ったカマスをのせて、蓋をして5分蒸らす。

カマス飯
薬味は紫蘇

仕上げに紫蘇の葉を散らして食卓へ。
「おっ、今日はグレーリング飯か!?」
のたまう家人を無視して、飯を混ぜる。しっかり混ぜてもよし、カマスはざっくりでもよし。

「こりゃ、うまいな」と家人。
たしかにそのひと言に尽きる旨さだった。これまで炊き込みご飯というジャンルにおいて、和よりもパエリアやピラフといった洋を好んでいた我々だったが、口にいれた瞬間にその思いは和へと舵を切り、原点回帰を果たしたのだ。

炙った皮の香りに爽やかな紫蘇が、脳内の多幸感を麻痺させていくような感覚。
炙った刺身と一緒に食べるとまた絶品で、腹がはち切れるまで貪らざるをえなくなり、これぞ秋の炊き込みご飯祭りといった晩飯となった。

konpeito.hatenablog.jp

今日も今日とて、米を食い過ぎたのだった。

追記:2021年11月17日
ちなみに、さっと炙りたいとき、こちらの商品がたいへん便利です。

カマスを4尾炊き込んだ豪華版もどうぞ。
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山うにとうふを隠密食いする

山うにとうふ
山うにとうふ

「珍味が食べたくなる」という謎のワクチン副反応で衝動買いしてしまった「山うにとうふ」。本当にウニの味がするのか期待先走るところだが、ここは平常心で臨むべくまずは説明書に目を通す。

  • これは豆腐の味噌漬けである。
  • 壇ノ浦の戦いで滅びた平家の落ち武者によってつくられた保存食である。
  • 山奥に潜伏していた落人にとっては貴重なタンパク源。
  • 表面にでる白い斑点状のものはチロシンというタンパク質が分解されたもの。

チロシン必須アミノ酸物質で、主に「鬱病を改善する」「集中力を高める」「ストレスを軽減する」「白髪を予防する」などの効果があるという。茹でたタケノコを割るとついている白いカッテージチーズみたいなやつもチロシンのようで、これまできれいに洗い流していったことをひどく後悔する検索結果となった。

実験的に染髪をやめて四ヶ月ほどたって頭はごま塩状態だし、コロナで外出が楽しくない気鬱、仮住まいに甘んじているストレス、目の焦点が合わなくて読書が続かないなどあちこちにガタがきている自分にとって、読めば読むほどいま足りていないものをしっかり補ってくれる優秀な食品を無意識のうちに選んでいたことが判明し、運命を感じざるえない。

山うにとうふ
山うにとうふ

もんじゃ焼きのヘラで小皿に盛る。思ったより柔らかくて崩れやすく、酒粕のようなかおりがする。思わずヘラを舐めてみた。
なるほど。生ウニというより、瓶詰めされた加工品のウニの味に近い。ややしょっぱさが立つのでこれは白米と合わせるのがベストだろうと、急遽米をとぎはじめる。

山うにとうふ
山うにとうふ定食

献立は、白米、ネギと大根のみそ汁、鰺のひらき、もずく、ソーセージ、あんずの紫蘇まき、そしてメインは山うにとうふとなった。

満を持して、山うにごはんを実食。

うまいっ! うまいっ! うまいっ!

植物由来とは思えないこの濃厚さ。ほんのりと香るウニっぽさ。疑似ウニとしては大成功しているんではないか。というか、ヘタしたらウニより斜め上をいっている。ウニの加工瓶詰めは商品によってはきついほどアルコール臭がするからある日を境に買うのをやめてしまったのだ。しかもウニと違ってコレステロールも気にすることない。罪悪感もゼロ。万能栄養食じゃない。
それと同時にチーズのような芳香も感じられ、お酒とも合わないはずがないと確信する。付属のレシピには「冷凍して一口大にカット」とあった。しまった、目の前の山うにとうふはすでにボロボロ崩れてしまった状態である。次回に持ち越そう。

山うにとうふ
白米がとまらない山うにとうふ

800年も昔の落人はこんなうまい珍なるものを食べていたのか。これが世間に知れたら追っ手がかかるのも時間の問題。ひっそりとひっそりと食べ繋いできたんだなぁ。

さぁ、もう少し食べようとヘラを構える。いや待てよ、珍味というものは舐めるようにチビチビ食べるもんだ。自らを戒め、そっとふたを閉じて、家人に見つからぬよう冷蔵庫の死角に隠す。

このような隠密食いを続けた結果、飯を食ったあとに、山うにとうふでもう一杯飯をおかわりし、アドレナリン全開で床につくという悪癖がついてしまった。よもや、よもや。

イチジクの白和え

イチジク, クリームチーズ, 生ハム
イチジクの白和え

起床。また正午を超えてしまった。人生にたとえるなら四十代は正午、五十代は黄昏だとある心理学者が言っていたが、なんだか意味をはき違えて実践している気がしないでもない。

家人がいれたコーヒーはすでに冷え切っていたので、温め直しにふらふら台所へ赴くと、目の前には驚愕の光景が。

シンクに洗い物が、ひとつも、ない。

夕食後は洗う気力が欠片も残ってない(というか飲酒による後遺症と見立てている)のが常なので、起きて最初の仕事は大量の洗い物だ(だから起きたくない、という説もある)。
それが、ない。狐につままれたような、は今こそ使うべき言葉だろう。

温まったコーヒーを片手にTwitterを開く。
阿蘇山噴火。警戒レベル引き上げ」の見出しが飛び込んできた。最近地震が続いているし、先日大陸プレートと地震のメカニズムを解明する深夜番組を興味深くみてしまったから一層心がざわつく。

これは家人が気まぐれにも洗い物なんかしてしまったからなのか?という疑惑ばかりが募る。
なんせ雪が降るよりまれとおぼしき、噴火である。これは由々しきことだ。

とはいえ、光っているシンクを見れば、料理に取り掛かろうと思えるものである。食用菊やオクラなどを下ごしらえ、出汁をとり、夕飯は何にしようかと思案する。
そうだ、お勤め品のイチジクを食べてしまわないといけない。

もともとイチジクに一切興味を示さない家人だが、先日つくったイチジクの白和えは「生ハムメロンより格段にマリアージュしている」と好評を得たばかりである。
白和えといっても和え衣には豆腐でなくクリームチーズを使ってるせいか、ワインとの相性がすこぶるよい。パックに添えられていた紙きれによれば「イチジクはカリウムと食物繊維が豊富です」とある。知らなかった。これからは前のめりに摂取していきたい。

手の平サイズの火山からとろり垂れそうなマグマを齧ると、控えめながらも情熱的な香りがふんわり広がった。

イチジクの白和え

イチジクの白和え
デザートカップふたつ分の分量です

材料

イチジク 2個 皮をむいて八つ切り
kiriクリームチーズ 2個 室温でやわらかくしておく
ヨーグルト 小さじ2ほど
生ハム(小さめ) 2枚 千切り
黒胡椒 少々

つくりかた

  1. クリームチーズにヨーグルトと胡椒を加えてよく混ぜる。ホイップクリームくらいの固さになったら生ハムも加えてよく混ぜる。
  2. イチジクを加えて、つぶさないようゴムべらでさっくりと混ぜ、冷蔵庫で冷やす(チーズが冷やされていい感じに絡む)。
  3. 器に盛って、お好みで黒胡椒をかける。