肉うどんをつくるべく、鍋に調味料を加えて肉を煮立たせるうちに固くてパサパサになってしまった…という経験がないだろうか? 特に輸入モノの牛肉は、一概にはいえないが固くなりやすい傾向がある。
そこで、どんな肉でもやわらかくてジューシーな肉うどんのための肉をつくろうというのが今回のお題。肉うどんに使うのは、細切れとか、薄切りとか、牛肉でも比較的安価なものだ。
肉はある一定の温度以上に加熱されるとタンパク質が変性してしまい……つまりは固くなってしまうので、肉の火入れの技術というだけで一冊の本が出来上がってしまうほどその調理はセンシティブなものだ。
だから温度を測って調理するのがいちばん失敗しない手法かもしれないけれど、家庭ではもっと感覚的に調理しなければ、日々の食事の支度に支障をきたすだろう。
そこでオススメしたいのが、先に調味液をつくっておいて、そこに軽く茹でた牛肉を漬け込んでおくやりかた。これならば、じっくり味見をして自分の味を決められるし、肉を煮すぎて固くなることもない。しかもあらかじめ「しゃぶしゃぶ」しておくことで、アクや臭味も抜けるのだ。
調味液ごと冷蔵庫にいれておけば数日もつので、在宅勤務がつづく昨今では重宝している。
肉うどんのための肉
材料
牛こまぎれ肉 | 200g | |
日本酒 | 200cc | 煮きる |
濃口醤油 | 小さじ4 | 薄口醤油はNG。肉の臭味がたってしまう |
きび砂糖 | 小さじ3 | |
ショウガ汁 | 少々 | お好みで |
そのままつまみで食べられるくらい甘さすっきり系の味付けなので、甘辛がお好みなら調味料を増やしてほしい。ポイントは、調味液を自分好みに決めてしまうことだ。
また、日本酒を水で代用する場合は、砂糖をがっつり増やしたほうがいい。
つくりかた
日本酒を煮きったのち、濃口醤油、きび砂糖を加えて一煮立ちさせたら生姜汁を加え、鍋ごと冷やしておく。酒の煮きりかたについてはこちらを参考に。
konpeito.hatenablog.jp
70℃くらいの湯で、牛肉を茹でる。70℃はお茶に適した温度らしくて、あるお茶屋のサイトによれば、
沸騰したお湯1ℓに0.5ℓのお水を入れて火を止めれば、ほぼ70度になる
とあり、これは簡単でいい。
水温が下がらないよう、肉は少しずつ湯にくぐらせて、色が変わればザルに引き上げる。
調味液が薄まらないよう、水気をよく切る。
冷ましておいた調味液につける。
落としラップをして冷蔵庫で保存。肉が調味液に浸っている状態が理想だ。数時間はこのまま味を含ませていきたい。