今年はトマトが豊作なようで、八百屋の店頭はいつも以上に鮮やかだ。ちょっと形が崩れているものならかなりのお買い得の日々がつづいたので、ここのところはガスパチョの試作に取り組んでいた。
名付けて飲む太陽! 特に注力したのは、スープの色、旨み、トマトと野菜のバランスだ。
使っている野菜はトマト、キュウリ、赤ピーマン(パプリカ)、玉ねぎ、ニンニクなどガスパチョとしてはごく一般的なものだが、前回入れたパンは省いている。
それにしてもガスパチョ生活が功を奏したのか、ここのところ体調がすこぶるいい。
色鮮やかなガスパチョをつくるポイント
美しい色のガスパチョをつくるポイントは、キュウリの皮をむくこと。
キュウリの皮の緑とトマトの赤が混ざると、とんでもなく汚い茶色に濁ってしまうのだ。絵の具を混ぜてもそうなるはずだ。
次の写真は、キュウリの皮をむかずにつくったものだ。
透明度において、冒頭の写真と若干の違いがあるのがわかるだろうか? ただし、皮を入れたからといって、決してまずいわけではない。今回は透明感のあるガスパチョにしたかっただけの話である。
和食の「旨み」と言われる三大成分は、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸だ。日本では昆布のグルタミン酸と、かつお節のイノシン酸を掛け合わせて、旨みの詰まった出汁という文化ができあがった。
今回注目するのは、グルタミン酸。実は、トマトはグルタミン酸が豊富な野菜なのだ。
さて、ここでちょっと話がそれるんだが、キュウリが苦手な私はいつも、キュウリを塩もみしている。簡単に説明すると、種をとった薄切りのキュウリを、昆布ひとかけら加えた3%の塩水にしばらく漬けておくのである。これによってキュウリ独特の臭いが軽減され、昆布の旨みがキュウリに移り、キュウリ嫌いの私でさえ、少しなら食べられるようになってきたのだ。
konpeito.hatenablog.jp
ならばこの塩もみしたキュウリを、トマトを合わせれば、グルタミン酸のW効果が期待できるのでは? というのが今回の試みである。
トマトと野菜のバランス
ガスパチョづくりで大事なのは、トマトとその他の野菜のバランスだ。
これまでの検証からすると、玉ねぎはトマトの20%以下に、そして赤ピーマン(パプリカ)とキュウリはトマトの10%ほどにとどめておくのがいいバランス。材料ではキュウリの割合はトマトの11%となっているものの、皮をむいて種をとったら、確実に10%以下である。
もちろん野菜自体がもつ水分量や甘みなど不確定要素は多いので、きっかりこの割合とは言えないことは断っておく。ただざっくりでも目安は必要だ。なので、レシピにはいちばん美味しかったと思える野菜の重量をそのまま書いておくことにした。
材料
完熟トマト |
978g(中玉7個) |
|
新玉ねぎ |
171g(半個) |
トマトの17% |
赤ピーマン |
58g (1個) |
トマトの6% |
キュウリ |
115g(1本) |
トマトの11% |
新ニンニク |
1.5片 |
普通のニンニクならもう少しいれてもいい |
水 |
100cc |
野菜の水分量によって要調整 |
ワインビネガー |
小さじ5 |
甘味の強いものを使用 |
塩 |
小さじ1.5 |
|
オリーブオイル |
大さじ4 |
できるだけ質のよいものを |
つくりかた
キュウリの下ごしらえ
皮を向いて、種をとり、薄切りにする。
ひとかけらの昆布を入れた3%の塩水に漬ける。
トマトの下ごしらえ
トマトを湯むきする。
ヘタはつけたまま、熱湯に浸ける。完熟していないトマトにはお尻に薄く十字に切れ込みをいれるとむきやすくなる。
冷水に浸して、皮をむく。
種を取る。
ざく切りする。
赤ピーマン(パプリカ)・タマネギ・ニンニクの下ごしらえ
ざく切りにする。
芯を取って、ざく切り。
ミキサーにかけて漉す
すべての材料を合わせてミキサーにかけたら、網で漉す。
イワタニ ミルサー 720 ホワイト IFM-720G-W
後継機種あり。
我が家の場合はミキサーが小さいので、少しずつやっている。薄いオレンジ色はオリーブオイルがはいって乳化している部分だ。うっすらとオリーブオイルの文様がはいるくらいががベストなとろみ。
最後に塩で調味したら、しばらく冷蔵庫で寝かせて味を馴染ませる。
次回はガスパチョを使った料理も紹介したい。