私のチキン南蛮歴は短く、食べ始めたのはここ数年のことだ。手伝っていた店が九州料理かつ鶏肉専門だったから、チキン南蛮は避けては通れない看板メニューだったのだ。
チキン南蛮という料理に興味がなかった理由のひとつには、カラッと揚がった肉をわざわざ甘酢で湿らせる意図が理解できなかったことにある。さらに油たっぷりのタルタルソース、ここまでしてカロリーを高めて鶏肉を食べる必要なんてあるだろうか。
家庭でチキン南蛮を食べる習慣もなく、発祥の地である宮崎で生まれた友人でさえ「家庭でつくる人はいるだろうけど…まぁキッチンおぐらで食べますよね」と言う。
「チキン南蛮やると油が汚れるんだよな」
そう愚痴をよくこぼす店主のGさん。こぼしながらも店が終わると、彼はまかないチキン南蛮をつくってくれた。しかもタルタルソースはかけ放題。労働のあとのチキン南蛮とハイボールは、いつのまにか私の体に染み付いてしまった。鶏肉を噛んだときに染みだす甘酢を思い出すだけで、生唾がわくほどだ。
ところで、チキン南蛮はただの鶏の唐揚げに甘酢とタルタルをかけたものではない。鶏肉に小麦粉をつけたあとに卵をつけて揚げるのが正しい作法だ。衣は玉子だから、唐揚げとは違ってふわふわ食感になるため、甘酢もほどよく染みるのだ。
つくるのが面倒なら本場宮崎で食べるのもあり。ジェットスターが12月から宮崎〜成田間を就航させるらしく、名物のチキン南蛮にかけて片道871円で販売している。781円じゃないのは大人の事情だろうか?(応募期間終了)
ふわふわジュワ〜なチキン南蛮
材料
鶏モモ肉 | 1枚(300〜350g) | |
塩 | 適量 | |
片栗粉 | 適量 | |
とき玉子 | 1個分 | |
キャベツ | 適量 | 千切り。付け合わせなのでなんでもいい |
タルタルソース | ||
ゆで玉子 | 1個 | みじん切り(フォークで潰す) |
タマネギ | 1/4個 | みじん切り |
ピクルス | 1個 | みじん切り |
マヨネーズ | 大さじ4〜5 | |
ケチャップ | 小さじ1〜2 | |
和辛子 | 小さじ1~2 | |
レモン | 小さじ1/2 | |
パセリ | 適量 | |
塩・胡椒 | 少々 | |
南蛮酢 | ||
米酢 | 大さじ3 | |
醤油 | 大さじ2 | |
みりん | 大さじ1 | |
砂糖 | 大さじ3 | |
ショウガ | 1片 | |
七味 | 少々 | |
塩 | ひとつまみ |
つくりかた
② タルタルソースをつくる
すべての材料を合わせる。ゆで玉子の大きさによってマヨネーズの量は調整したほうがいい。あまりにソースがゆるいと食べにくいのだ。
付け合わせのキャベツも千切りして冷やしておこう。
③ 南蛮酢をつくる
すべての材料を小鍋に合わせて一煮立ち。味見をしてしっかりめの甘酸っぱさを感じるくらいがパンチがでる。なお、甘酢についてはこちらの記事でもう少し突っ込んで書いてみたので参考までに。
konpeito.hatenablog.jp
⑤ 揚げる
フライパンの高さの半分くらい油を入れて、中火で皮面からじっくりと揚げ焼きする。ぶくぶくと泡が出てくるのでしばらくはあまりいじらない。
鶏肉の周りの衣が固まってきたら、表裏を数回返しながら合計7分揚げる。
7分とはいっても鶏肉の大きさにもよるからこれは目安でしかなく、泡がだんだん小さく落ち着いてくるころを見計らって引き上げ、網の上で8分(つまり、揚げた時間とほぼ同じくらいの時間)休ませる。余熱でしっかり、なかまでじっくりと熱が通る。
仕上げに強火で、片面30秒ずつ揚げる。水分で油がはねまくるので気をつけること。