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時速1kmの思考

安いアンガスビーフのランプ肉を極上ステーキに

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ステーキを焼くのは、簡単でむずかしい。同じように焼いても、和牛と安い輸入牛とではまったく別の料理になってしまう。
サシの入った和牛はさっと炙る程度がうまい。もし多少火が入りすぎたとしても柔らかくジューシーな肉質だ。
輸入された安い牛肉はなぜかぱさつきやすく、固い。食べている餌や育つ環境にもよるんだろう。つまり、輸入牛のほうが調理に技術と工夫が必要だ。

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厚さ1cmほどの佐賀牛サーロインを強火でさっと焼く。口のなかでとろけて脂が甘い。同じ牛とは思えない…。

一昔前までは、「肉汁が逃げないように肉を焼きつける」という手法が当たり前のように料理番組でも採られていた。これはドイツの化学者ユストゥス・フォン・リービッヒが提唱した肉の焼きかただが、1930年代に行われたある実験により、彼の提唱はひっくり返された。

鍋やオーブンの中、あるいはグリルの上で肉がジュージューと音を立て続けるのは、水分がしみ出して蒸発し続ける音である。実際には水分損失は肉の温度と比例するので、高温で焼き付ければ低温の場合よりも肉の表面は乾燥してしまう。
『マギーキッチンサイエンス』より

ただし、肉を焼き付けることにも意味はある。それはメイラード反応により、いかにもうまそうな肉の風味を生み出すことだ。
つまり肉をおいしく焼くには、肉の乾燥を抑えつつ、メイラード反応を起こす必要があるのだ。

古きヨーロッパでは、肉を焼くときに、遠火、もしくは油を塗った紙で包んでローストし、仕上げにさっと表面に焼き色を付けていたという。そういう意味では、今回の手法はむしろ原点回帰に近い。

安い肉を極上に焼く

肉は100g350円、厚さ3cmほどのアンガスビーフのランプを使った。和牛の半値以下である。サシはほとんどはいっていない赤身肉だ。

① 下味をつける

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常温に戻した肉に塩(ハーブ塩を使用)をする。一般的に塩は肉の重量の0.8%が美味しく感じるとされているが、私は1%。なんせ計算が楽だし、焼いているあいだに多少は落ちる。そして油をまんべんなく塗る。今回はオリーブオイルを使用。胡椒は焦げるとまずくなるので使わない。

② 低温のオーブンで焼く(100℃、15分)

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天板に水を注いで網をおき、その上に肉をおいて焼く。

③ 肉をフライパンで焼く

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フライパンを中強火に熱し、油にローズマリーの香りを移してから肉を焼く。2、3回裏返しながらこんがりと焼けたら、アルミホイルにくるんで暖かいところにおいておく。

④ 付け合わせを焼く

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肉を休ませているあいだに野菜を焼こう。今回はズッキーニとパプリカだ。焦る必要はなく、15分ほどかけてじっくりと焼いていく。焼けたら皿にとっておく。

⑤ 仕上げの焼き

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フライパンでバターを熱し、肉を戻す。バターをかけながら肉をさっと焼き、数分休ませて肉を切る。

⑥ 食べる

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肉にバターのソースをかけて、好みで粗塩、胡椒をふる。

どうだろう? ローストビーフに近い雰囲気だがいい感じのレアに仕上がっている。ちょっとレアすぎる感もあるんだが、肉の薄い部分は逆に火が入りすぎて、固くなってしまった。
安い肉はレアくらいのほうが、柔らかくておいしいという結論だ。
脂肪たっぷりの和牛もうまいけど、肉の味をしっかり感じられる輸入牛もまた魅力的なんだよな。