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mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

脱力系農業はじめました

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夜型人間に農業はできないのか?

2016年の秋、台風が北海道を直撃し、タマネギ、ジャガイモ、ニンジンが数倍に跳ね上がり、鍋の季節になっても白菜の値段は落ち着かず、レタスにいたってはひと玉500円に達する日もあった。もはやセレブの食べ物である。

「やってられないよ、赤字だよ!」
都内で居酒屋を営む友人は会うたびに愚痴っている。そんな彼は都内近郊に土地を借りて農業をやっている。平日は本業で忙しいので、いわゆる週末農業というやつだ。冬のあいだは無農薬のカブや葉レタスなどを振る舞ってくれた。身体に染み渡るみずみずしい無農薬の野菜に感服する。こんなのが家で食べられたら最高だろうに。

「この(フリル)レタスならほっといても育つよ。畑においでよ?」
「何時に行くんですか?」
「早朝だよ」

気力はあるが体力が…。はなから諦めモードで申し訳ないが、起きる自信がみじんもない。農業ってのは夜型人間にとっては縁のない職業なのだ。

農業の3K

農業といえば「きつい」「汚い」「かっこわるい」の3Kのうえに「稼げない」「結婚できない」が加わり5Kなんて揶揄されていた。今でこそ「農業はかっこいい」という気運が高まっているが、実際はどうなんだろう。

農家の友人が辛いとこぼしていたのは、天候の不振が夫婦や家族のケンカの種になってしまうことらしい。こればかりは誰のせいでもないから、跡継ぎにとっては八方ふさがりだ。繁忙期は家を離れることは許されないうえ、家族経営の場合はプライバシーなんてあってないようなものだという。
3K以上に、農業の問題は根深いのかもしれない。

都市農園というコンセプト

キューバに「都市農園」というものがあるのを知ったのは、今年に入ってからだ。

キューバでは、ソ連崩壊後の経済危機により、輸入食糧は途絶え、石油不足によるエネルギー危機も深刻となった。国営の配給店で売っているのは卵やパン、ぎりぎりの生活必需品のみで、陳列棚は慢性的にがらんとしている。食材を調達することが、とても難しい時代があったのだ。 そこで生まれたのが、都市農園だ。平たく言えば家庭菜園のようなものだが、その規模は大きく、どうみても片手間でできるような菜園ではない。アメリカでも流行しているようだが、キューバでは必然的に生まれたのだ。

EAT THE WORLD ep6. 禁断のキューバ - mogu mogu MOGGY

都市で農園。食材と台所が直結した風通しのいい食卓。青空の下で真っ黒に焼けた彼らのしなやかな肢体はいかにも健康そうだし、ラム酒もがぶがぶ飲んでいる。このコンセプトをうまくパクれないものか。

私自身も数年前からハーブは育てている。夏にはイタリアンパセリや紫蘇、バジルが生い茂り、自己満足ながらちょっとした楽園である。問題は冬なのだ。耐寒性のあるパセリやローズマリーなんかは細々と生き残っているものの、ほとんどのハーブは枯れてしまう。寒空のなかテラスから足は遠のく。まして水なんて触りたくもない。

つまりは根っからのナマケモノなのだ。食べたいくせに働きたくないのだ。できれば酒でも飲みながら種をまき、収穫して、そのまま食べられたら最高だ。「簡単」「快適」「健康的」。これが私の目指す3Kだ。

目指すは脱力系農業

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さぁ農業を始めよう。ひとまず「脱力系農業」とでも呼んでおこう。脱力系農業は手間と金を惜しむのが大前提だ。でないと長続きしないだろうから。

手間をかけない

なにが面倒臭いって、水やりだ。本業の方々におしかりを受けそうなんだが、面倒臭いと思ったんだから仕方ない。野菜が勝手に育ってくれるのが理想形である。

金をかけない

できるかぎり身近にあるもので菜園をつくる。スーパーで買う以上に金がかかっては本末転倒、コストパフォーマンスを重視すること。

ということで、必要なのは部屋で耕せる農地だ。まずはプランターをつくることにした。

つづく