mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

【暮らしの道具】石黒智子の重ね鍋でリスクヘッジする休日のスクランブルエッグ

f:id:Xphi:20170323145719j:plain

我が家の台所は狭い。だからこの鍋を買った理由はひとつだ。重ねられて場所をとらないからである。直火で使える浅鍋と深鍋、そして穴あきのコランダーとボウルにガラスの蓋が付属している。直径14.5cmの小ぶりな鍋が届いたとき、「ボウルはいらないから、鍋をもう一つ増やしてくれればいいのに」というのが率直な感想だった。ステンレスのボウルはすでにいくつか持っていたから、なかなか出番が回ってこなかったのだ。

浅はかだった。ボウルに土下座したい気分である。このボウルはたいへんに便利だったのだ。炊き味噌やカルボナーラといった、ちょっと火を通しすぎると後戻りできない料理の成功率がぐんと高くなったのである。湯煎することで火の通りが柔らかくなるので、素人の私でも焦ることなく調理に集中できる。

「ホテルのスクランブルエッグが食べたいなぁ」
すっきりとした青空の広がる清々しい日曜日の朝だった。さて、このボウルの出番である。

みんなのスクランブルエッグ

ちょっと閑話休題。有名シェフたちはどんなスクランブルエッグをつくるのだろう。今回は三人のスクランブルエッグを調べてみた。注目したいのは、火の入れ方と、使っている調理器具だ。

ゴードン・ラムゼイ(Gordon Ramsay)のスクランブルエッグ*1

直火式。小鍋に玉子とバターを入れ火にかけ、たえずスパチュラでかき混ぜながら、火に近づけたり遠ざけたりして火加減を調整。クレームフレーシュを入れて仕上げる。

玉子 3個  
バター 12.5g  
クレームフレーシュ(Crème fraîche) 大さじ1/2 サワークリームの一種
塩・胡椒 少々  
チャイブ 少々  


ヘストン・ブルーメンソール(Heston Blumenthal)のスクランブルエッグ*2

湯煎式。ガラスのボウルにすべての材料を入れフォークでほぐし、湯を張った鍋に置いて、スパチュラでかき混ぜながら15分ほどじっくりと火を通していく。

玉子 7個  
牛乳 25cc  
生クリーム 20cc  
バター 20g  
塩・胡椒 少々  
シェリービネガー   風味付け
焦がしバター   風味付け


ビル・グレンジャー(Bill Granger)のスクランブルエッグ*3

直火式。熱したフライパンにバターをいれ、すべての材料を混ぜた卵液を一気に流し込み、ヒダを寄せるようにして木べらでゆっくり大きくかき混ぜていく。

玉子 2個  
バター 10g  
生クリーム 80cc
少々  

三者三様だがどれも美味しそうだ。忙しい朝なんかは機関銃よろしくまくし立てるゴードン流がいいし、休日はゆらりとしたヘストン流、子供がいたら材料がシンプルかつフォークで食べやすいビル流がいい。つまり、いつ、誰のためにつくるかで、変わってくるのだ。
我が家ではヘストン流の湯煎式を採用している。なぜなら、スクランブルエッグが炒り卵になってしまうリスクを大幅に軽減することができるからだ。
リスクヘッジというと、なにも玉子料理に大げさな! と思う方もいるだろう。だがぜひやってみてほしい。成功率は99%だ。

石黒鍋でつくる休日のスクランブルエッグ

https://68.media.tumblr.com/2aef513167d4cd081ebe2e4cb495fadb/tumblr_inline_ohjv3730AN1qbouyg_1280.jpg

材料

玉子 4個  
バター 20g もっと多くてもいい
生クリーム 大さじ2  
牛乳 大さじ2  
塩・胡椒 適量  

つくりかた

※石黒智子の重ね鍋の一番深いものとボウルを使う。

  1. 深鍋に湯を沸かす。
  2. ボウルに玉子、バター、生クリーム、塩をいれてよくかき混ぜる。
  3. 深鍋にボウルをのせ、湯煎しながらスパチュラでかき混ぜていく。
  4. 卵液がとろとろのいい具合になったら皿に盛り、好みで胡椒をかける。

隣人愛のスクランブルエッグ

世界各国にスクランブルエッグという料理はある。最後に紹介したいのはインドのスクランブルエッグだ。なんと玉子1000個を使っている。玉子を割るだけで腱鞘炎になりそうだ! 刻んだタマネギと青唐辛子を入れるのがインド流らしい。
どちらかといえば炒り玉子寄りの、大量のスクランブルエッグは小分けに包まれ、近隣の路上生活者に配られている。
栄養満点の完全食。誰もが幸せになってしまうのがスクランブルエッグという料理の魅力なのかもしれない。