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時速1kmの思考

グアムのお袋の味—リンダズ コーヒーショップ(Linda's Coffee Shop)

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2016.01.23 初出
2017.02.08 更新(2017.01.22に再訪。「困ったときの、リンダ頼み」を末尾に追記)

食堂というホーム

世界中どこへいっても、居心地のいい小さな食堂はあるものだ。

雑多でありながらどこか規則正しく、ただ淡々と食事が運ばれてくるその場所は、家族連れ、カップル、一人者、来る者すべてを受け入れてくる度量の深さを持っている。

創業者の Linda 夫人はそんな人柄だったんだろう。リンダズ コーヒー ショップ (Linda's Coffee Shop)のカウンターの中央には、笑顔の夫人の写真が飾られている。この食堂はすべて、彼女のレシピから始まったのだ。

朝や昼のセットをはじめ、サンドウィッチ、フライドライス、オムレツ、前菜、メインなど、とにかくメニューの幅が広い。そのほとんどは特別なものではなく、実に家庭的で素朴な料理ばかりだ。

隣のテーブルでは、三世代家族が総出で食事をしている。どうやら、お婆さんの誕生日を祝っているらしい。飽きた子どもは店内に置かれたすっかり時代遅れのゲームに走り、テーブルの上には豪快に食べ散らかした大皿の数々。それでもまだ、パーティは終わらない。

価格も良心的なのが、地元の人々に愛される理由のひとつに違いない。

グアムのオムライス

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頼んだチキンフライドライス(Chicken Fried Rice)はかなりのボリュームだが、これで半量だ。(Half:$5.25/Full:$9.50)

フライドライスだけでも11種類もあるので迷ってしまう。ハーフで$4.00、フルで$7.00を追加すれば、玉子をつけることができる。すると、オムライスのような形になって出てくるというわけだ。

その昔、母親がつくったオムライスのような玉子の巻き方。今はやりのトロッとした感じは一切ない。だからこそ懐かしい、なんだか家に帰ってきたような気分にひたれるのだ。

テーブルの端には、塩・胡椒をはじめ、基本的な調味料が置いてある。

だがちょっと待て!
これにケチャップをかけてはならない!

最高にうまい!
グアム版オムライスのおいしい作法

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グアムの食卓には、このフィナデニソースが欠かせない。

基本は、醤油系ベースに柑橘類や酢、野菜、唐辛子が漬け込まれている。肉、魚、野菜となんにでも合う、辛いポン酢だと思ってほしい。

もちろん、各家庭やレストランによっても、その作り方は変わる。こちらのフィナデニは、大きめに切られた野菜が主張するタイプだ。生の唐辛子もたっぷりはいっている。

さて、オムライスを食べるか。

まずは、半分に割り、ひと口、ふた口、そのまま味わう。

そしてフィナデニソースを恐れることなくばしゃばしゃとかけ、

がっつく!

ちょっと多いか!? くらいかけて問題ない。

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言ってみれば炒飯なので、それなりに脂っこいわけだが、フィナデニがそれを中和し、次々と口へ運んでしまう次元を越えたフライドライスへと変貌するのだ。

唐辛子と一緒に食べれば、言うことなしの絶品である。

リンダはいつでも待っている
うれしい24時間営業

なによりもありがたいのは、24時間営業だということだ。

昼間をビーチで過ごし、夜は土産を物色していたら、気づけばレストランが閉まっていた……疲れ切った嫁も子供もベッドでごろごろ。

ここが親父の腕の見せ所。店に駆け込み、コンボ フライドライス(Combo Fried Rice)お持ち帰り用に包んでもらうのだ!

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チャモロソーセージとチキンのコンボ。できたて熱々をホテルに持ち帰り、ビールとともに一気に腹へ流し込む。

これ以上の幸せが、あるだろうか?

家庭円満間違いなしである。

困ったときの、リンダ頼み

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2017年1月22日、あいにくの曇天だ。

こんな日は買いものに出かけるしかない。レンタカーでショッピングモールを一通りまわり、夕刻に帰宅。シャワーを浴びて、さぁ夕飯だ。

「しまった、今日は日曜日!」

暑さに浮かれて失念していた。気になっていたレストランのほとんどは、日曜定休なのだ。悩んだあげく、

「困ったときはリンダでしょ」

ということで、一路Linda's Coffee Shopへ車を走らせる。

扉をあけると、いつもの光景、いつもの店員。あぁ、帰ってきたなという安堵感を覚える。

「今日はパロットフィッシュがはいってるよ!」

パロットフィッシュの素揚げ(Deep Fried Parrot Fish, Medium, $18)

f:id:Xphi:20170208174720j:plain本日のスペシャルはパロットフィッシュ。素揚げにしてもらった。

グアムでは肉より魚が高価だ。ペイレスで売っているパロットフィッシュは12ドルだったから、良心的な値段設定と言えるだろう。

いささか揚げすぎな気もしたが、テイクアウトをしたので余熱で火が通ってしまったのかもしれない。

フィナデニをかけて食べるシンプルな一品は、とにかく白いご飯がすすむのだ。

カドンピカ(Kadon Pika)

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チャモロのお袋の味、カドンピカ。醤油、酢、タマネギ、ニンニク、黒胡椒などでマリネした鶏肉を、唐辛子、ココナッツミルクで煮込んだ辛いシチューだ。

カドンピカは店や家によって味付けも変わってくるが、リンダのものはココナッツミルクが入っていない透き通ったスープで、伝統的なタイプといっていいだろう。

一口食べると、むせかえるほど辛い。碗には大量の唐辛子が浮いている。だが、これがクセになってしまうのだ。

汗をかきかき、上半身裸で汁をすすり、ほろほろに煮崩れた骨付き肉にかぶりつく。辛い、暑い、と言いながらも、箸が止まらない。

通常カドンピカには酢が入っているが、酸味は強くなく、タマネギの甘みが十分に引き出されているため、日本の肉じゃがにかなり近い味だ。いや、とびきり辛い肉じゃがなんだが。

Information

場  所:Marine Corps Drive, Hagåtña, グアム

営業時間:24時間

駐車場有り