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時速1kmの思考

暮らしの散文

熱海雑魚定食(カゴカキダイ・カイワリ・キントキ)

キントキ・カイワリアジ・カゴカキダイトロ箱には夢がある。 極小魚、珍魚、場違いにトロピカルな魚、ちょっと傷ついて値がつかない魚。世の中から弾かれてしまった者たちが、ひとつの箱に無秩序に並んでいる。宝箱をひっくりかえしたような陳列なので、底の…

カイワリアジはひっそりと

カイワリ @湯河原のFinds Foodカイワリアジは真鶴の寿司屋で食べて以来、推し魚のひとつだ。扁平だけど尾には背骨のようなぜいご有。つまりはやはり、これでも鯵の仲間なんだろう。 近代魚類分類学の父・田中茂穂の『魚の味』によれば、鯵はムロアジ類、マア…

業務スーパーの火鍋の素はガチだった

業務スーパーの火鍋の素全国的に寒波がくるというニュースをききつけ、薄切りの羊を買っておいた。築90年を迎える我が家はとにかく寒い。ここは火鍋で乗り越えようという目論みだ。 懐疑的だった業務スーパーの火鍋の素はかなり本格的だ。それに棗、ショウガ…

クリガニとボレロ

クリガニの甲羅焼き伊豆山の魚屋・魚久でクリガニを手に入れた。一杯350円。自分の手のひらよりも小ぶりだが、しっかり生きている。連れ帰ってすぐに店でもらった海水に放ち、蒲鉾を与えた。最後の晩餐になるだろう。カニ初見の黒猫を傍らに存分に観察したの…

メアジのお味は

真鶴産メアジ熱海に移住した当初から気になっていた魚がいた。メアジだ。手元の魚図鑑にも掲載されておらず、情報が少ない。価格は良心的だが、マアジと並べて売られていると、まぁわざわざ冒険せずともと、ついつい食べ損ねてきたのだ。地物を取り扱ってい…

移住して一年。熱海での害虫・害獣対策

熱海に移住して無事に1年がたった。 生活は一変した。なにより、マンション暮らしから平屋になったところが大きいのだろう。 窓にのぞむ相模湾の絶景、癒やしの温泉、階下を気にせず走り回る猫・・・・・・移住のメリットはたくさんあったが、もちろんいいことばか…

熱海定点観測2023

熱海に移住して一年がたとうとしている。はやいもんだ。 konpeito.hatenablog.jp東京まで新幹線でたった35分のはずが、めったに遠征しなくなった。というか根がはったように家にいる。 あきれかえった友人らは皆、こう口をそろえる。「いったい毎日なにやっ…

新春かき揚げ初め

かき揚げ初め元旦は、義理兄宅に集まり新年を祝うのが恒例となっている。姪っ子も小学生となり、バイオリンや塾に勤しんでいるようだ。さまざまな小学生必須アイテムを見せてもらい、懐かしいと同時に驚きもあった。たとえば、習字だ。冬休みの宿題の定番と…

2024年おせち備忘録

2024年初日の出@熱海あけまして おめでとう ございます2023年は引越のバタバタでおせちづくりをスキップしたので、二年ぶりだ。しかも熱海に移住して初の年越しである。湯河原のFinds Food, エスポット、熱海の中島水産、いつもの移動八百屋で野菜を調達。28…

水炊きの朝〆は中華そうめんで

もれなく熱海にも寒波が襲来した。 移動式八百屋で品出しと片付けを手伝うのが週に一度の趣味になっている。いつもなら段ボールを運ぶうちにじっとり汗をかくほどなのに、昨晩は一滴もでなかった。かじかんだ指先を切りつける段ボールの端がじわじわと余裕を…

丹波の黒豆

丹波の黒豆年に二回届く丹波の黒豆。早生とよばれる若い黒豆は8月、そして秋深まる10月にはさらに完熟したものが送られてくる。 今年も叔母から、東京の母経由で送られてきた。日照りがよかったせいか豊作だそうで、あいかわらず見事な大粒だ。 2023年秋きた…

ミズカマス飯

なぜ元恋人というものは、突然に現れるのだろう。しかも夢の中にだ。 今回はすでに別れている設定らしく、駅前のホテルの前でばったりとでくわすと、「アッ」などと素っ頓狂な声をあげていた。 「アッ」と言いたいのはこっちである。君が勝手に私の夢に登場…

鰯の肝を喰う

8月6日、熱海。 朝から雨と晴れが拮抗している。夕方になると、水面のあちらこちらがふんわり浮いていた。雲の影響だと思うが、淡くてとてもいい。2ヶ月ぶりに伊豆山の魚屋、魚久へ。五月から店舗のリニューアルをしていたうえに、我が家も車がない時期が重…

正しい干物の焼き方を考える

移住してからちょくちょく、干物を買うようになった。 一品足りない時は、干物屋へ走る。 「犬も歩けば干物屋へ当たる」くらいに熱海の干物屋は充実している。これまで干物にまったく興味のない人生を歩んでいたが、いまではそれなりの干物女と言えるのでは…

冷やしたぬき蕎麦

「食品サンプルみたいだね。あっ、誉め言葉だよ」「いただきます」の前のひと言をどう受け止めたらいいのかは不明だったが、昼こしらえた冷やしたぬき蕎麦はうまかった。 うどんならきつね派なんだが、蕎麦だとたぬき派なのは、完全にマルちゃんの戦略に踊ら…

伊豆山土石流災害から2年

サイレンの音で目が覚めた、7月3日。 熱海・伊豆山で起きた土砂崩れから丸二年がたった。この災害で国道135号線が封鎖され、在来線も止まり、家の内見が延期になった。 携帯で撮影された映像をテレビでみたときは、現実のこととは思えなかった。そしていま熱…

赤備えの花咲蟹飯

かに飯なのかヤドカリ飯なのか、いまだに謎店頭では異彩を放っていたんだが、連れ帰ったらややキモいなという印象だったハナサキガニ。GW中に花咲蟹飯と洒落こもうという目論みだった。ハナサキガニの概要を所々からかいつまむとこうある。 ・旬は夏(7~9月…

熱海製麺で食す、相模湾印の濃厚魚介ラーメン

伊豆山の魚屋・魚久で熱海製麺の生ラーメンをみつけた刹那、貯金を全額ひきおろす時がきたと確信した。 konpeito.hatenablog.jp冷凍貯金しておいたのは、チダイが7尾に、ホウボウが1尾のアラをこんがり焼いたものだ。熱海では金目鯛ラーメンが名物なので、チ…

蜜柑の花と鯵三昧

週に一度は、新聞やペットボトルといったリサイクル系のゴミを捨てに、湯河原のスーパーを訪れることにしている。ゴミを捨てるだけでポイントが溜まるというシステムが、自称ポイント乞食である家人のガッツに火をつけてしまったのだ。通常運転なので諦めつ…

飲める刺身、「快力」

快力騒々しいカエルの合唱で目が覚めた。まだ5時前だ。猫が窓の外をじっとり眺めているので覗いてみたら、小鳥とは言えぬ、じゃあ中鳥か、くらいのサイズが数羽、喋りまくっていた。とにかくやかましい。 「茶色・鳥・うるさい」で検索してみると、正体はす…

初夏の薬味蕎麦

薬味蕎麦「椿の新芽を毛虫が食べにくるんですよ」 そう隣人が教えてくれた。我が家にも椿の木が4本、植わっている。移住するまでに時間がかかったから、すっかり巨大化しており、窓から見えるはずの初島をすっぽり隠してしまっている。毛虫も山ほどいるに違…

温泉×MYTREXのシャワーヘッド

本ブログは食に関する投稿をメインだが、リフォーム・熱海への移住に伴い生活が一変したので、備忘録として残しておきたい暮らしのことも細々と書いていきたいと思う。 先日、入浴システムを銭湯スタイルに変えたという話をした折、「浴室はリフォームを行わ…

入浴システムは銭湯スタイルで

本ブログは食に関する投稿をメインだが、リフォーム・熱海への移住に伴い生活が一変したので、備忘録として残しておきたい暮らしのことも細々と書いていきたいと思う。 熱海といえば温泉。 そして我が家の風呂は、温泉だ。黄色くて、しょっぱい。家を購入し…

アラを干物化して冷凍貯金にする

ち鯛532円@小田原明日の土曜日、友人が来熱する。隅から隅まで、掃除などせねばならない。庭の手入れもせねばなるまい。飯もつくらねばならない。酒も調達せねばならない。 にもかかわらず、なぜ魚を買ってしまったのだろう。 こんな時に限って、魚が安いの…

新聞紙で包丁を収納する小技

「包丁に椿油を塗って保管しておくと切れ味が長持ちしますよ」と教えてくれたのは仮住まいの最寄りスーパーに月一で現れる研ぎ師の兄さんだ。ただ毎度それをするのか?と問われると、ズボラの民には厳しいものがある。そこで注目したのが、研いだあとの包丁…

クレヨン王国に移住しました!

コロナで在宅勤務になり、仕事部屋が必要になって品川を引き払ったのが2019年師走。横浜に腰を落ち着け、背水の陣での家探しが始まった。 当初は湘南や三浦が射程圏内だったが、世は地方移住と大河・鎌倉殿のブーム真っ只中。折り合いつかぬままどんどん南下…

ソーメン神7

素麺といえば「揖保の糸」の一択。 というのも、母の故郷は兵庫県。親戚が贈ってくれた夏の中元といえば、もれなく素麺かカルピス、ときどきゴーフルだった。トップ当選はカルピスだ。 カルピスが嫌いな子供が昭和にいただろうか。そもそもジュース類をあま…

見切り野菜のスープ

食材の買い出し前に古本屋を散歩するのが最近唯一の運動だ。 つま先立ちで腕と首を伸ばして上段の棚を眺め、中段は足を肩の位置まで開き腰を捻る。下段ともなればなかばスクワットの状態まで腰を下ろすから、長居すればするほどじわじわと効いているはずだ。…

羊の串焼き

目的もなくスーパーをふらつくとこういうことになる。 ソテー用のラム肉が半値まで落ちているのだ。 厚みは2cmほどか。しかも残り2パック。ややドリップがでてるものの黒ずんだところもなく、悪くない。いや、上等上等。そうして不用意に買ってしまったラム…

明日葉の天ぷら蕎麦

明日菜の天ぷら蕎麦明日葉の天ぷらを初めて食べたのは、もう10年以上も前のこと。友人のデザイナーに連れて行かれた原宿の雑居ビルにある八丈島料理の専門店だった。さくさくに揚がった明日葉は軽やかで、ほろ苦く、野趣あふれている。食べるほどに健やかに…