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時速1kmの思考

技術

八百屋に学ぶ白菜の漬け物のコツ

普段の食事のあれこれに物言いをつける家人だが、こと漬け物に関してはまことにうるさい。市販の漬け物にも手厳しく、「これは甘い」だとか「余計な味付けがしてある」だとか、難癖をつけるのが趣味なのだろうか。もしくは単なるマニアか。ではどんな漬け物…

アルミパンで魚の皮をキレイにパリパリに焼く方法

キンキのアクアパッツァアルミパンでアクアパッツァをつくると、魚の皮がはがれてしまい見た目がボロボロになって困るという記事を書いたことがある。 konpeito.hatenablog.jp当時はその解決策を4つほど提案していたが、このほどもっと完璧なやり方を見つけ…

ワサビの辛みは砂糖で引き出せ

ワサビの茎@伊豆村の駅週に一度は函南のスーパーをパトロールしている。 伊豆・村の駅は地物の新鮮な野菜と沼津漁港から直で仕入れた魚が並んでおり、ディズニーさながらのワンダーランドである。静岡ならではと思うのは、ワサビコーナーが常設されている点…

心おきなく銀杏を食べたい

翡翠銀杏地獄の銀杏割りから数日後、銀杏割り器が届いたので、まだ在庫があるというのに慌てて真鶴へ遠征、フレッシュな銀杏を手に入れた。フレッシュといっても果肉を取り除いた核の部分である。はるか昔は、イチョウ並木のど真ん中に居を構える祖母と銀杏…

山葵風味のバルサミコソース

5年ほど前から年に一度、定期便のように訪れるぎっくり腰。ここのところ調子が良かったもんで、今年はなんとなくやり過ごせる気がしていたが、やはり魔女の一撃は交わせなかった。 台所に立つにもオットセイのような声が漏れ、くしゃみの時には全身で身構え…

酒とみりん、煮きりの極意

酒やみりんからアルコール成分を飛ばすことを「煮きる」という。煮きった酒やみりんには旨味や甘味が凝縮していて、料理に加えると風味や味がよくなることは、料理をたしなむ人ならご存知だろう。西洋料理でいう「フランベ: Flambé」に近いかもしれないが、…

板長、本気の河豚の煮こごり【ゼラチンと寒天の科学】

初めて河豚の煮こごりを食べたときの感動は忘れがたい。まるで一口サイズの水族館。ぷるぷるむっちりしたフグのゼラチンが口の中でするりと溶けていく。「これが(市販の)ゼラチンを一切使わない正式の煮こごりだよ」と板長がいうのも、最近は河豚をケチっ…

ワラビのあく抜きとその科学

ワラビは山菜のなかでも灰汁(アク)が強いので、生で食べると中毒を起こしてしまう。なんでそんな毒性のある植物を人は手間暇かけて食べようと思ったのか、不可思議極まりないが、「五月蕨嫁に食わすな」なんて諺があるくらいだから、やはりワラビの美味さ…

名バイプレーヤー再び! 冬のポン酢のつくりかた

最高のポン酢のつくりかたをこのBlogで紹介したのが2018年の夏。基本のポン酢を夏用だとすれば、冬用のポン酢も紹介しなくては・・・と使命感に燃えていたにもかかわらず、どうも冬はBlog熱が冷めてしまうのはなぜだろう。寒いから、としかいいようがない。ぜひ…

1:2:3:4ですき焼きの割り下

その昔、すき焼きは家で食べるご馳走で、家族がそろったときに鍋を囲むのが当然の行事だった。鉄鍋に母は砂糖と醤油と酒を手早く加え、ひと舐めしては「ちょっと甘さが・・・」と呟きまた砂糖をがさっと入れる。思えば、実家のすき焼きはかなり甘ったるく、食べ…

自家製焼肉のたれと道具について

暑くもなく、寒くもなく、テラスで過ごすにはベストシーズン。九月最後の週末は、友人と焼肉をつっつきながら飲むことになった。 せっかくなのでちょっと奮発して、黒毛和牛に手をだす。肩ロース、ともさんかく、ざぶとん・・・近頃は肉の部位がずいぶんと細分…

図解でわかるアジの三枚おろし

三枚おろしの練習をするのに、アジほど格好の魚はいない。 なにせ安いから繰り返し練習できるし、ごく一般的な魚の形状をしたアジさえ攻略すれば、大半の魚は捌けるようになるはずだ。2013年の日記を振り返ると、どうやって魚をさばけばいいのか、試行錯誤し…

猫に学んだ、計量いらずの一番だし

一番だしのとり方なんて、ネットで検索すればあまた出てくる。和食の本をめくれば1ページ目に書いてある基本中の基本、政治家風にいえば“和食の一丁目一番地”なのである。 だがこのご時世、出汁をとるのは面倒臭い。味噌汁一杯つくるのに出汁をひく時間が惜…

ホップ・ステップ・手羽先チューリップ!

世の中に、手羽先嫌いがいるとは思わなかった。なぜ手羽先が嫌いなのか尋ねてみると、 手が汚れるから 骨が邪魔だから モモ肉のほうがうまいから という理由だ。 なるほど、一理ある。だがね、大人の事情で毎度正肉を食卓にあげることはできんのだよ。 そこ…

砂糖をハチミツに代用する法則

By Fir0002 - 投稿者自身による作品, GFDL 1.2, Link 蜂はどこへ消えた? 蜂が地球上から消えているというニュースを見た。どうやら、人間には無害(と言われている)のネオニコチノイド系農薬が、蜂にとっては有害極まりないもので、蜂が失踪している、もし…

激辛爽快! 自家製麻辣油

食べるラー油が一世を風靡したのが2009年の頃。それまでは餃子につける「赤い色をした油」であり、あくまで中華専用の調味料だった。いつのまにか日本中にご当地ラー油が現れ、そしてまたたく間に日本人のラー油熱は収束していったかのようにも見えたが、そ…

カボスをもっとジューシーに、もっと甘くする裏技

すっかり秋も深まって、いつのまにやらカボスの季節。毎年思うことなんだが、あと数ヶ月で一年が終わるなんて震撼する。今年はいったい何をやってきたんだろうと。 さらに参ってしまうのは、毎年のように「これはカボス? それともスダチ」と同じ会話をくり…

料理を引き立てる名バイプレーヤー! 最高のポン酢のつくりかた

最高のポン酢——それはまろやかな酸味で料理を引き立ててくれる名バイプレーヤー。シンプルな食材、混ざりっけ一切なしのポン酢は、背筋がシャキッと伸びるような爽快さと、胃袋の細胞が覚醒するような滋養があり、「もうこのポン酢さえあれば!」という気に…

【プロの技】味も歯ざわりも断違い! 料亭仕込みのキュウリの塩もみ

酢の物、ポテトサラダ、漬物……夏本番に向けてキュウリの出番が増えてくるわけだが、今日は板長が伝授する「料亭でのキュウリの下処理」を紹介したい。 料亭ではただキュウリを切って客に出すわけにはいかない。ひと手間かけることで普通のキュウリが極上のキ…

殻つき牡蠣の開けかたと、家で安全においしく食べる方法

兵庫県産の生牡蠣が手に入った。もちろん信頼できる魚屋仕入れだ。生でいけるというのでワイン売場へ直行しスパークリングワインも買った。 よし、今日こそ修行の成果を発揮するぞ!店でも牡蠣を大量に仕入れる時期があって、そのときは一日30個の牡蠣を開け…

プロ直伝! 料亭仕込みのまろやかな土佐酢

酢が苦手な人に食べてほしい板長の土佐酢 酢をつかった料理は、なぜか男受けが悪い。遺伝子レベルで雄は酸味に弱いとか諸説あるが、たしかに酢を好む男は周りでも少数派。 にもかかわらず板長の土佐酢は男性客の人気が高い。決定的な違いは、酸味がとてもや…

【プロの技】薄造り

夕飯の買い出しを済ませて店に立ち寄った。ビールを飲み干し、汗がようやく引いてきたところでメールが届く。 「今日はメシいならい」おい! 思わず目の前にいる板長に愚痴ってみる。 「せっかくイワシ買ってきたのに、帰ってこないとさ」 魚の入った容器を…

【プロの技】鱧の串打ち

店では鱧落とし(湯引き)と同じくらい人気が高いのが鱧の照り焼きだ。どちらかといえば、通はこちらを食べる傾向にあるような気がする。でもまぁ、どちらも趣が違うし、どちらもうまいことには変わりない。 konpeito.hatenablog.jp今日は宴会。マダムたちの…

【プロの技】鱧の骨切りと落とし

板長が立派な鱧を仕入れてきた。 まだちゃんとした鱧を食べたことがない私に、驚きとなかば呆れ顔の板長が味見させてくれるという。 しかも目の前で調理してくれるというので、目を皿のようにして観察してきた。 鱧の骨切り 天板にごく薄塩をする。いざ、骨…

色よく仕上がる“ナスの揚げ浸し”のコツ

ナスの揚げ浸しがむずかしいのは、揚げたナスの色が悪くなってしまうことだ。いかに美しい紫色を出すか、これがナス料理の真骨頂だろう。 こちらは色が抜けてしまった失敗作。いやぁ、目もあてられん。悲哀に満ちた色合いに食欲も吹っ飛んだ。これまで何度も…

食べる救急箱! 夏の薬味セットを保存しよう

夏の食卓には薬味がかかせない。 素麺、冷や奴に焼きなす。食べる都度に薬味を切るのがいちばんだけれど、頻度が高くなってくると数種類の薬味を毎度刻むのがついつい億劫に感じてしまう。店ではよく使う薬味をステンレス製のふたつきバットに並べて収めてい…

料理は幾何学だ! 超簡単な螺旋切りで白瓜の雷干し

キュウリをはじめ瓜系を毛嫌いしてきたんだが、ついに白瓜が食べられるようになった。40年越しの快挙だ! 瓜嫌いの私でも「おいしい」と感じたその秘密は、雷干しだった。雷干しをすることで独特の臭みが抜け食べやすくなるのだ。雷干しの難関は、らせん切り…

こんにゃくで刺身を引く特訓開始!

「ひさびさに見つけたよ〜、ひろこん!」 ちょっと興奮気味の板長は嬉しそうだ。ひろこんとは、広こん。つまり広島特産の刺身こんにゃくのことだった。その昔は、ふぐの調理師免許を取るときに、この広島こんにゃくで鍛錬を積んだという。たしかに、見習いが…

乾麺の蕎麦が劇的にうまくなる、プロの茹でかた・洗いかた・しめかた

ざる蕎麦は手打ちに限る! 乾麺はしょせん乾麺、生麺を超えることはない…。 たしかに、それはそうかもしれない。打ち立てにこだわるなら、自ら打つか、専門店へ出向くしかない。でも真の蕎麦好きなら、いつでもどこでも蕎麦が食べたいはずだ。深夜に帰宅した…

見た目だけじゃなくて意味がある、菊花かぶの塩水漬け

菊花かぶは甘酢漬けにするのが定番だけど、塩水漬けも悪くない。甘酢もうまいんだが、どうしても売れ残ってしまうからだ。 ところでわざわざ菊花に切るメリットは見た目の美しさがひとつ、そして早く漬かるという嬉しいオマケもある。小さなかぶを使うと、野…