mogu mogu MOGGY

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時速1kmの思考

牡蠣と熱海レモンのマリネ

庭仕事の疲労が抜けない。まるで鉛製の背後霊に憑かれたかのように気だるく、ギリギリの戦闘力でスーパーを徘徊。パック売りしている牡蠣を見つけた刹那、身体の全細胞がタウリン!と叫んだ。 そういえば去年の今頃は厚岸から殻付きの牡蠣が届き、引越後の錆…

イドニッシュオムレツ

熱海に移住して2年目。2月までにはやることがある。庭の木の剪定だ。 去年はびびりすぎて九分刈りにとどめたせいか、夏を迎えるころに庭はジャングルと化した。ジャングルは天国なのだろう。虫も鳥も動物もひっきりなしに現れ、人生を謳歌していた。生半可な…

ダルバート覚書

上から時計回りに、ジャガイモ、干し大根、チキンカレー、トマトと発酵青唐辛子のアチャール、水菜の漬物、ダルスープ熱海駅前の第1ビルに入っているネパール料理屋「circle(サークル)」で、ダルバート定食をはじめたとききつけお邪魔した。チキンカレー…

出汁要らずなのに旨い鶏ひき肉のフォー

骨から透き通った出汁をひき、鶏肉を茹で、湯がいた米麺を丼に盛りつけ熱々のスープをはる。ナンプラーやレモンで好みの味付けにし、香草や野菜のせていただく。 鶏肉のフォーはまじめに作ろうとするとけっこう手間がかかる食べ物だ。朝にさくっと食べたいと…

青梗菜と椎茸の塩炒め

目覚めると、左顔面が鈍く痛む。どうしたことか。そっと触れてみても判然としない。寝ぼけ目でよろよろと洗面所へ向かい、電気をつけると、鏡のむこうにお岩さんが立っていた。左目が腫れ上がっているのだ。顔を近づけてよくよく観察すると、顔面の左側だけ…

ムツのアクアパッツァ、コブミカン風味

ムツのアクアパッツァ移住してから魚が手に入りやすくなったこともあり、夕食にアクアパッツァが定番化している。今回は湯河原で手に入れた地元のムツだ。全長約20cmと小ぶりだが、むき出した歯は鋭く、獰猛な面構えをしている。アンコウやタラと同じく深海…

熱海雑魚定食(カゴカキダイ・カイワリ・キントキ)

キントキ・カイワリアジ・カゴカキダイトロ箱には夢がある。 極小魚、珍魚、場違いにトロピカルな魚、ちょっと傷ついて値がつかない魚。世の中から弾かれてしまった者たちが、ひとつの箱に無秩序に並んでいる。宝箱をひっくりかえしたような陳列なので、底の…

藻塩で漬けるシンプルな白菜の漬け物

関東で雪が積もる天気予報。白菜を漬けるには絶好の日和だ。 今回は八百屋に教えてもらったコツを踏まえてバージョンアップする。 konpeito.hatenablog.jpおおまかな工程はこのような感じだ。 ①白菜を切る ②干す ③洗う ④下漬け ⑤本漬けたびたび失敗を繰り返…

八百屋に学ぶ白菜の漬け物のコツ

普段の食事のあれこれに物言いをつける家人だが、こと漬け物に関してはまことにうるさい。市販の漬け物にも手厳しく、「これは甘い」だとか「余計な味付けがしてある」だとか、難癖をつけるのが趣味なのだろうか。もしくは単なるマニアか。ではどんな漬け物…

カイワリアジはひっそりと

カイワリ @湯河原のFinds Foodカイワリアジは真鶴の寿司屋で食べて以来、推し魚のひとつだ。扁平だけど尾には背骨のようなぜいご有。つまりはやはり、これでも鯵の仲間なんだろう。 近代魚類分類学の父・田中茂穂の『魚の味』によれば、鯵はムロアジ類、マア…

セロリの葉のかき揚げ蕎麦

「セロリが好きなんだよね」と軽はずみなことをいったばかりに、八百屋は毎週、立派なセロリの株をもってきれくれる。その葉ぶりも見事なものだから、捨てるに惜しい。 セロリの葉は、スープやベジブロス、サラダ要員として登板させることが多いが、この冬は…

酸っぱくなった白菜の漬け物で酸菜白肉鍋

いつもの八百屋で白菜ひと玉120円だった。破格である。 玉が重たく、巻きもしっかりしていて良品だ。漬け物にでもしようと、えっちらおっちら持ち帰る。 二度漬けして食べ頃になったのが正月前のことだ。おせちづくりも一段落をおえた年末。今年もまた「孤独…

業務スーパーの火鍋の素はガチだった

業務スーパーの火鍋の素全国的に寒波がくるというニュースをききつけ、薄切りの羊を買っておいた。築90年を迎える我が家はとにかく寒い。ここは火鍋で乗り越えようという目論みだ。 懐疑的だった業務スーパーの火鍋の素はかなり本格的だ。それに棗、ショウガ…

辛子味噌ラーメン赤龍に沼る

辛味噌ラーメン赤龍ラーメンのなかでも味噌味を格下にみている節があった。地域性や世代もあるのかもしれないが、やはりラーメンは醤油、次点は塩。そうなると味噌の出番はそうそう回ってこないのだ。そして味噌味は、なぜか途中で食べ飽きてしまうこともし…

クリガニとボレロ

クリガニの甲羅焼き伊豆山の魚屋・魚久でクリガニを手に入れた。一杯350円。自分の手のひらよりも小ぶりだが、しっかり生きている。連れ帰ってすぐに店でもらった海水に放ち、蒲鉾を与えた。最後の晩餐になるだろう。カニ初見の黒猫を傍らに存分に観察したの…

メアジのお味は

真鶴産メアジ熱海に移住した当初から気になっていた魚がいた。メアジだ。手元の魚図鑑にも掲載されておらず、情報が少ない。価格は良心的だが、マアジと並べて売られていると、まぁわざわざ冒険せずともと、ついつい食べ損ねてきたのだ。地物を取り扱ってい…

移住して一年。熱海での害虫・害獣対策

熱海に移住して無事に1年がたった。 生活は一変した。なにより、マンション暮らしから平屋になったところが大きいのだろう。 窓にのぞむ相模湾の絶景、癒やしの温泉、階下を気にせず走り回る猫・・・・・・移住のメリットはたくさんあったが、もちろんいいことばか…

熱海定点観測2023

熱海に移住して一年がたとうとしている。はやいもんだ。 konpeito.hatenablog.jp東京まで新幹線でたった35分のはずが、めったに遠征しなくなった。というか根がはったように家にいる。 あきれかえった友人らは皆、こう口をそろえる。「いったい毎日なにやっ…

新春かき揚げ初め

かき揚げ初め元旦は、義理兄宅に集まり新年を祝うのが恒例となっている。姪っ子も小学生となり、バイオリンや塾に勤しんでいるようだ。さまざまな小学生必須アイテムを見せてもらい、懐かしいと同時に驚きもあった。たとえば、習字だ。冬休みの宿題の定番と…

2024年おせち備忘録

2024年初日の出@熱海あけまして おめでとう ございます2023年は引越のバタバタでおせちづくりをスキップしたので、二年ぶりだ。しかも熱海に移住して初の年越しである。湯河原のFinds Food, エスポット、熱海の中島水産、いつもの移動八百屋で野菜を調達。28…

テキトーがうまいイカゲソの天ぷら

真鶴産のイカのゲソが三杯で500円。ちなみにホールでは一杯680円だ。黒光りして色艶よし。これならゲソもうまかろう。手持ちの『[図解]さかな料理指南』にあるイカゲソの天ぷらをつくろう。 ゲソの天ぷらといっても足をそのまま揚げるのではなく、ミンチに…

セロリの出汁漬け

魚屋の女主人おすすめの箸休めはセロリの出汁漬け今年最後の移動八百屋。 見事な葉ぶりのセロリが1株350円だが、先週も買ったので悩ましい。いかんせん量が多すぎるのだ。八百屋に集まる顔ぶれはほとんど変わらないから、この半年で顔見知りも増えた。魚屋の…

水炊きの朝〆は中華そうめんで

もれなく熱海にも寒波が襲来した。 移動式八百屋で品出しと片付けを手伝うのが週に一度の趣味になっている。いつもなら段ボールを運ぶうちにじっとり汗をかくほどなのに、昨晩は一滴もでなかった。かじかんだ指先を切りつける段ボールの端がじわじわと余裕を…

メカジキのカマのロースト

朝いちばんで確認すべきこと。それは今日の魚の仕入状況だ。 伊豆山の魚屋・魚久は毎朝欠かさず、水揚げされた魚や手作り惣菜をSNSで公開している。 12/9も掘り出し物がずらり並んでいた。せいこがに400円、メカジキ一切れ250円、カマ1個500円。 「今日は魚…

熱海おでん駅伝

熱海おでん駅伝移住を境に練り物文化がグッと迫ってきた。さして練り物が好きというわけではないが、余計なものが入ってない練り物はやはりうまい。もちろん練りたて、揚げたてが最上。おでんは大量に作るからこそうまいと信じていたが、最近は薄味で煮てお…

小海老天ぷら蕎麦

大きな海老天を揚げてやりたかったが、手に入れたエビがだいぶ小ぶりだった。12尾で500円という破格だったから、文句をいったらバチがあたるだろう。まぁ、小さなエビでも大きく見せる手立てはある。 俗に「花を咲かせる」というが、素材を揚げるときにゆる…

峠のスンドゥブチゲ

十数年前に恵比寿で働いていたころ、チャメというスンドゥブ専門店によく通っていた。記憶をたぐり寄せると、エッジの効いた辛さで具だくさん。ぐつぐつ真っ赤に煮えたぎっているが、スプーンを入れると透明感があり、さらりとすっきりしたスープだった。甘…

伊万里で喰う鶏南蛮そば

伊万里で喰う鶏南蛮そば8月の終わり。咲見町にあった骨董品屋が閉まった。 熱海の街をぶらつく理由がひとつ減ってしまい、手持ちぶさたの秋。 売り物件の看板がかかった店を通るたび、募りつのった未練がましい晩秋。 ついにヤフオクに手を出してしまった。…

長崎ちゃんぽん風マルタイラーメン

長崎ちゃんぽん風マルタイラーメンコロナ禍で仮住まいをしていたころ、救世主となったのがリンガーハットだった。心身共に崩壊寸前だった自分にとって、マンションからいちばん近く、多少着衣が乱れていようとも、髪の毛がボサボサであろうとも、見て見ぬふ…

豚白もつの洗濯と醤油味のあっさりモツ煮

居酒屋で頼むモツ煮は味噌味であることが多い。たしかに味は染みているし、じっくり煮込んだのだろうと推察するが、野菜を殺すまで煮込んでしまった風のものが多い。茶色に染まったいちょう切りの大根を囓るたびに、残念だなと感じていた。塩っ辛いばかりで…