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時速1kmの思考

【イノシシを食べる④】リベンジ! 猪肉のロースト

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以前、猪肉をローストしたときの反省点として、コンベクション・オーブンの熱風で肉の表面が乾いてしまったことがあった。
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そこでこちらの方法を試してみる。
前とは肉の部位も重さも違うので、完全に比較することはできないけれど、小さめの肉ならこちらのほうが手軽かもしれない。

① 下味をつける

皮面に格子状の切り目を5mm間隔程度に入れる。
肉の重量(今回の猪肉は450g)の1%の塩(ハーブ塩を使用)を揉み込み、しばらくおいておく。

② フライパンで焼く

油を馴染ませたフライパンで肉を皮面からじっくり焼いていく。脂がどんどんと流れてくるが、いささか鳥獣臭さがあるのでこれは捨てる。
皮がこんがりと焼けたら、ほかの面をさっと焼いて火からあげ、肉を休ませる。

③ オーブンで焼く(200℃で10分、15分休ませる)

天板に水をしき、その上に網、肉をおく。天板の全体をアルミホイルでふんわりと包み、余熱したオーブンで焼いて休ませる。
これを2回おこなう。

④ オーブンで焼く(250℃で3分)

皮をパリッとさせるべく、アルミホイルを取って、仕上げの焼き。肉汁がでないよう、休ませてから切る。

オーブンに入れたり出したりでちょっと手間はかかるような気もするけれど、きれいなロゼに焼き上がった断面を見ると、そんなことは忘れてしまうのだ。
前回と比べても肉質がしっとりしているので、こってりしたソースよりも塩だけのほうが美味しい。

残った肉は後日、猪肉炒飯になりました。
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【イノシシを食べる③】猪肉の麻婆豆腐

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猪肉を使った料理のなかでいちばん気に入っているのが麻婆豆腐だ。豚肉よりも強い脂の風味を感じる麻婆豆腐は、やたら白飯かきこみたくなるパンチの効いた味である。

麻婆豆腐の決めてとなる調味料、豆板醤は中華圏へいくたびに土産リストの筆頭にあがってくるんだが、驚いたのはメーカーによって味がまったく違うことだ。変なものを買ってしまうと麻婆豆腐が台無しになってしまう。とにかく混ぜものない、シンプルな原材料の豆板醤を買い求めるところからこの料理は始まるといっていい。

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好んで使っていたのは、塩分が強いが旨みのある香港の九龍醬園の豆板醤だったが、今は手に入りやすく原材料もシンプルなユウキを使っている。九龍醬園のものと比べると熟成度合いが低く、発酵した味噌っぽさよりとんがった辛みがたつので、瓶に書いてある分量(大さじ1)だと相当に辛い。
中華の鉄人、陳建一氏が愛用しているという郫県豆板醤は三年熟成のため、色合いも八丁味噌っぽい色をしている。つまり、どの豆板醤を使うかによって、その他の辛みスパイス、粉唐辛子、花椒、胡椒を調整する必要性がでてくるから、たいていはレシピ通りにいかなくて当然だと考えるべきだ。

そしてどの辛みスパイスをメインにもっていくるかによって、オリジナリティを発揮できるのが麻婆豆腐の沼にはまる理由のひとつ。私は痺れる辛さが好きなので、自家製のラー油にも大量の花椒を入れたうえで、麻婆豆腐にも花椒を大量にふりかけて食べる。夏だろうが冬だろうが、汗腺は大解放される。

辛旨! イノシシの麻婆豆腐をつくろう

まずは中華の鉄人に御指南いただくにかぎる。(残念ながら動画が削除されたようだ)。せわしないイメージのある中華だけど、しっかり香りを確かめながらつくる陳さんの動作はとても勉強になる。葉ニンニクなんかは手に入りづらいので割愛している。

材料

猪肉 100g 粗みじん
豆腐 1丁(300g) 賽の目に切る
長ネギ 山盛り大さじ3 みじん切り。葉ニンニクを使うと本場っぽいが、ニラで代用する手もある
合わせ調味料A   あらかじめ準備しておくといい
 豆板醤 小さじ2〜3  
 甜麺醤 大さじ1
 豆鼓 小さじ2 みじん切り
 ニンニク(すりおろし) 小さじ1
 唐辛子(粉) 小さじ1
 ラー油 小さじ1 自家製の麻辣油を使用
調味料B
 鶏ガラスープ 150cc 塩分が入っている場合味付けを注意
 紹興酒 大さじ1
 醤油 大さじ1弱
 塩・胡椒 少々
水溶き片栗粉 大さじ2 ソースディスペンサーにつくりおき
胡麻 小さじ2
ラー油・山椒油 適量
花椒 たっぷり

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つくりかた

① 豆腐を温める

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1リットルくらいの湯に塩を大さじ半分ほど入れ、賽の目の豆腐をいれて弱火で温める。

② 猪肉を炒める

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少量の油を鍋に入れ、強火で肉を炒める。猪肉から脂がかなり溶けだしてくるはずだ。肉に焦げ目がつき、油が透き通るまで炒める。

③ 調味料Aを加えて炒める

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弱火に落として猪肉を鍋肌に寄せ、油だけを手前のほうに寄せ、その脂で調味料Aを炒める。焦がさないように注意しつつ、しっかり香りを出す。香りが出たら肉と合わせる。

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④ 調味料Bと豆腐を入れて煮込む

鶏ガラスープを入れて煮立たせて、その他の調味料Bで味をつける。湯切りした豆腐を入れる。やさしくお玉の背で混ぜながら数分煮て、豆腐に味を含ませる。豆腐が隠れるくらいの水分がいい。

⑤ とろみをつける

水分が減ってきて味が決まったらネギを加えてひと混ぜ。水溶き片栗粉を少しずつ入れてとろみをつける。
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⑥ 焼き付ける

胡麻油を鍋肌から入れ、鍋を揺すりながら焼き付ける。仕上げにラー油や山椒油(好み。私は油が多すぎると腹の具合が悪くなるので入れない)を入れて、花椒をかける。

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麻婆豆腐は土鍋に入れて食卓に出すと冷めにくいし、その間にもう一品つくれるので便利だ。この分量だと長谷園のみそ汁鍋にぴったり収まる。

ジビエをつかったおすすめレシピ

猪肉のイタリア風煮込み

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鹿肉の麻婆豆腐

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鴨しゃぶ鍋

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誰でもマンマ。自家製だからうまい全粒粉入り手打ちパスタ

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最近すっかりはまっている手打ちパスタ。「手打ち」という魔性の言葉にひかれ、レストランでは必ず注文してしまうんだけれど、これが家でも食べられたら……くすぶっていた食い意地がついに目覚めたのだ。

いざ手打ちパスタを巡る冒険に一歩踏み出してみたわけだが、これが拍子抜けするほど愉快なものだった。毎回太さが違う、歯ごたえも違うけど、それすら食卓の話題になってしまう。それでもつくるほどに少しずつ上手くなってくるものらしい。いまでは食べた人がどんな反応をするのか観察するのが密かな楽しみになってしまった。

私たちの母親が米を炊くのと同じように、イタリアのマンマはパスタをゆであげる。だからなにも片ひじはる必要はない。肩の力を抜き、太っ腹のマンマになったつもりでつくるのがおいしいコツだ。

自家製手打ちパスタ

材料

強力粉 80g カメリア使用
全粒粉 20g 薄力粉でもいい
玉子 1個(60g) カラザをとり、卵液が60gになるように水で調整
ひとつまみ  
小麦粉の配合について

強力粉100%でも問題なかったが、コシが強く喉ごしがいまいちだったのと、生地をこねるのもかなり力がいったので、現時点ではこの配合に落ち着いている。

つくりかた

① 小麦粉を混ぜる

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② 粉と玉子を合わせる

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粉の真ん中に玉子を入れて、フォークを使って中心から混ぜていき、少しずつ外側の粉と馴染ませていく。だんだんと大きな塊になってくる。

③ こねる

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生地がだいたいまとまったら、フォークについた生地もとり、体重をかけて何度も折りたたむようにしてこねていく。写真は15分くらいこねたところだ。つややかな生地になったら丸く成形してラップで包み、冷蔵庫で1時間以上寝かせる。

④ 生地をのばす

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打ち粉をした台に生地をおく。

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手の平で押しつぶす。

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麺棒で長方形に伸ばしていく。

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麺棒に巻きつけながら伸ばすと薄く伸びる。

手打ちパスタ

ある程度伸びたら、折り紙のように前後左右を折りたたんで四角形にし、しばらく放置してからまた麺棒で伸ばしていくと、きれいな長方形になる。

⑤ 生地を切る

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生地を折り目がつかぬようふんわりと折りたたんで、よく切れる包丁で端から切っていく。茹でると倍くらいの太さになることを頭に入れて、好きな太さを目指そう。

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切った麺は一本ずつ伸ばしながらよくほぐし、しっかりと打ち粉をふる。

⑥ 麺を乾燥させる

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食べるまで、冷蔵庫で保管する。水分がでてこないよう、クッキングペーパーで挟む。絶対にラップはしないこと。以前は冒頭の写真のように干していたが、乾燥している冷蔵庫にいれておくだけで十分だった。

⑥ 麺をゆでる

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沸騰したたっぷりの湯に塩をひとつかみ入れ、麺を1分半ほどゆでる。

⑦ 麺を湯切りする

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パスタソースに和える場合は準備しておいたソースに入れる。パスタソースをかける場合はさっとオリーブオイルを振りかけておく。

自家製の手打ちパスタに合うおすすめソース

手打ちパスタにはこってり系のソースが合う。

サーモンとカブの葉のクリームパスタ

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ラムのラグー

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猪肉のイタリア風煮込み

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鶏肉とセージバターソースのパスタ

鶏肉とセージバターソースのタリアテッレ

【イノシシを食べる②】猪肉のイタリア風煮込み

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先日、イノシシが京都のホテルに出没し、従業員が軽傷を負ったというニュースが流れた。他県でも同様の事件が多発しているらしいが、猟師の高齢化も進み、駆除するにもなかなか難しい状況にあるという。そんなニュースを見たあと、こんな小咄を聞いた。

あるとき神様が、生きとし生けるものたちにこう言った。
「明日、君たちの願い一つだけ叶えてあげよう。ただし、より多数の者が願うもの一つだ」
人間たちは「平和な世界」「貧困のない世界」「差別のない世界」など、それぞれに願った。
次の日、神様は言った。
「願いを叶えよう。みなの総意で、人類を滅亡させることにする」

つまり、人間以外の生き物すべてが「人間がいなくなればいい」と願ったという話だ。
考えてみれば、人間ほど身勝手で、悪意に満ち、こざかしい生き物もいない。人間がいなくなれば、人間が願った望みさえも叶えられることになるというのも皮肉な話である。ふと手塚治虫氏のエッセイ『ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)』を想い出した。

適正個体数とはなにをもって適正なのか? 「害獣」というレッテルを貼られてしまった動物にとっては、人類こそが害獣なわけだから、いつか我々が駆逐されたとしても文句は言えないし、人口減少の社会も彼らの総意なのかもしれず、より適正個数への道を辿っているだけなのかもしれない。

なーんて考えてしまったが、気を取り直していこう。前回の猪肉のローストに引き続き、次は猪肉を煮込んでみることにした。ラグーにしようか。いや、せっかくの塊肉を細切れにするのは忍びないので、大ぶりにカットして肉の存在感あふれるイタリア風の煮込みにしよう。

本来は牛肉を使う Stufato di Manzo という料理だけれど、猪肉だから Stufato di Cinghiale だな。イタリア中部のウンブリア地方ではよくイノシシを食べるらしいから、こんな料理だってきっとあるはずだ。

猪肉のイタリア風煮込み

材料

ソフリット   ※1
 タマネギ 50g みじん切り
 セロリ 25g みじん切り
 ニンジン 25g みじん切り
 オリーブオイル 適量  
猪肉 500g 大ぶりの一口大に切る※2
 塩・胡椒 適量  
 強力粉 適量  
オリーブオイル 大さじ3  
ローズマリー 1枝  
120cc 赤ワインがベスト
トマト缶 200g ダイスか裏ごししたもの
180g  
小さじ1/2  
砂糖 小さじ1 酸味のカドがとれる
トマトペースト 小さじ1 なければケチャップ

※1 セロリとニンジンはタマネギの半量を目安にしている。大量につくって冷凍しておくと便利。

※2 ジビエ特有の鳥獣臭さは皮と脂肪にあるので、もし臭いと感じたら皮をとっておいたほうが無難。今回はそのまま使っている。

つくりかた

ソフリットをつくる

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タマネギ、セロリ、ニンジンをオリーブオイルで炒める。がちゃがちゃかき回さずに、じっくり揚げ焼きして水分を飛ばす。

③ 猪肉に塩・胡椒をして強力粉をはたく。

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④ 猪肉を焼く

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オリーブオイルを馴染ませたフライパンに肉が重ならないよう配置し、その上にローズマリーをおき、強火で焼く。血がにじんできたころをひっくり返す。肉は焦げるくらいが理想だけど、ローズマリーは焦がさないように途中で引きあげる(煮込むときに使うのでとっておく)。

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⑤ 煮込む

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肉とソフリットを煮込み鍋に移し、鍋が十分温まったら酒を入れてアルコール分を飛ばす。

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全体がどろっとしてきたらトマト缶を入れて水分を飛ばすように炒め合わせ、水を加える。肉がすっかり隠れるくらいがいい。一煮立ちしたら塩をいれる。表面がぽこぽこと沸く火加減で、蓋をせずに30分〜1時間煮込む。小麦粉のせいでかなり鍋底が焦げやすいので、ちょくちょく鍋全体をかき回してやる。

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⑥ 仕上げ

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表面に赤い油の膜がはってきたらおいしく出来上がっている合図。塩・胡椒・砂糖・トマトペーストで調味し、食べるまで蓋をしておく。

付け合わせは太めの手打ちパスタにしよう。
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魚の皮をきれいに残したままアクアパッツァをつくるには?

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アルミパンでアクアパッツァをつくる

2017年のGWはアクアパッツァ三昧だった。というのも、知り合いが中尾アルミのフライパンを貸してくれたからだ。直径30cm、極厚のつくりなため、アルミパンといってもまったく軽くないが、その質実剛健な姿にほれぼれする。もちろん気合いをいれればなんとか鍋を振ることもできる。さっそくに金目鯛を調理してみたところ、いつもよりふわふわのアクアパッツァが出来上がった。konpeito.hatenablog.jp

それまではルクルーゼのココット・オーバルを使っていた。気に入っている鍋だけれど、アクアパッツァという料理においてはどうも最良とはいえない気がしてきたところだった。保温性の高いルクルーゼに向いているのはやはり肉を使った煮込みだ。アクアパッツァは煮込み料理というより、むしろパッと火を通す蒸し料理に近いだろう。そして何よりの問題は、鍋の深さと重さだった。

  1. 魚をひっくりかえす、魚に煮汁をかけるといった作業がやりづらい(ヘタすると鍋の縁で火傷する)。
  2. 鍋が重たいので、鍋ごとゆすると完全に両手がふさがる。
  3. 鍋が深すぎてとりわけづらい。
ルクルーゼでつくるイサキのアクアパッツァ

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特に問題は①だった。魚を焼くときにもたつけばあっという間に魚の皮は鍋底にこびりつく。そうなったら最後、魚がぼろぼろと崩れていき、ハーブやトマトでなんとか化粧直しするものの、見た目は少し残念なものになる。
せっかくなら見た目にもこだわりたいが、いったいどうしたら魚の皮をきれいに残したままアクアパッツァがつくれるのかが、目下の課題だった。

皮をきれいに残したまま魚を焼くには?

いろいろと試してみたところ、4つの答えが出てきた。どの調理法を選ぶかは、魚の種類や料理を出すシチュエーションにもよる。安定してうまく仕上がったのは、小麦粉をつける②のやりかただった。

① 多めの油、中弱火で両面を焼く

魚の皮が剥がれることを覚悟しつつも、ていねいに焼いていく正統派。火が強いとあっというまに皮は剥がれるし、魚をひっくり返すときは細心の注意を要する。

② 魚に小麦粉をつけて両面を焼く

魚の表面だけに小麦粉をうっすらつけて焼くと、皮が破れる確率が大幅に減る。煮汁に多少のとろみがつく。

③ 片面だけ焼く

多めの油で片面を焼きながら、スプーンで魚に油をかけながら焼く。上面の皮をパリッとさせることはむずかしいが、皮が破けることはない。皮の薄いイワシなんかには有効な手段かもしれない。

④ 250℃のオーブンで10分焼く、もしくはバーナーで焼く。

オーブンはフライパンの柄がはいらず断念。バーナーは持ってはいるが、手順がめんどくさくて本末転倒になってしまうので不採用。

⑤ クッキングシートを使う(2023年4月17日追加)

ぜひこちら、お試しください。完璧にこんがり焼けます。
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アクアパッツァをつくろう!

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アクアパッツァは、魚、オリーブオイル、トマト、ニンニク、水、ハーブさえあればよい。貝や白ワインはオプションだ。漁師なんて海水を使ってるというじゃないか。
イタリアのチェターラにあるレストラン、アクアパッツァ(Ristorante Acquapazza)では、味の決め手にコラトゥーラを使っているが、たしかに味と香りがぐっと深まるのでオススメの調味料だ。
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材料

1尾〜人数分 上の写真は鯛だが、アジ、イワシ、ホウボウ、タラ、イサキ、キンメダイなどなんだっていい
アサリ 200g 砂抜きをしてよく洗う
オリーブオイル 50〜80cc とにかくたっぷり
ニンニク 3片 叩き割って粗みじん
トマト 小1個 乱切りにする。夏は生のトマトやプチトマト、冬のトマトは味が薄いのでドライトマトを使っている
ケッパー 小さじ2 軽く洗い、塩気を抜いてみじん切り
水+酒 200c 白ワインや日本酒を少し入れておくと魚の臭みが軽減する。新鮮な魚なら必要ない
ハーブ 適量 バジル、イタリアンパセリ、タイムなど
魚醤 数滴〜  
塩・胡椒 少々  

つくりかた

① 魚の下処理をする

魚のうろこ、えら、内臓を取り除き、腹に飾り包丁を入れたら塩をしっかり振っておく。腹の中にも塩を塗り込む。余計な水分は拭っておく。

② 魚を焼く

フライパンにオリーブオイルを熱して魚を焼いていく。片面が焼けてひっくり返したら、鍋の空いたところにニンニクを入れて香りを出していく。

③ 具を入れて蒸す

トマト、ケッパーを入れてさっとかき混ぜたら、アサリ、水、ハーブを入れて蓋をして、強火で10分蒸す(魚の大きさにもよる)。時々フライパンごと揺すってやるとソースがまろやかになる。

④ 仕上げ

貝が開いたら煮汁を魚にかけながらもう5分ほど煮込んで水分を飛ばす。アサリやケッパーから塩気が出ているはずだが、足りなければ塩・胡椒で調味して、コラトゥーラを数滴たらし、オリーブオイルを回しかける。好みのハーブをどっさり散らして完成だ。

それにしてもこれほど簡単で見栄えのする料理もなかなかない。イタリア万歳である。せっかくなのでいろんな魚で試してみる。

キンキのアクアパッツァ

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ホウボウのアクアパッツァ

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スケソウダラ(鍋用のぶつ切り使用)とレモングラスアクアパッツァ

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カナガシラのアクアパッツァ

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チダイのアクアパッツァ

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使ってよかった
暮らしの道具

中尾アルミのアルミパン

使い始めてまだ日は浅いものの、大きなフライパンは ひとつあると本当に便利だ。ルクルーゼと違うところは、熱の伝わり方なんだろう。
弱火から強火、強火から弱火など、火加減がすぐに調理器具に伝わるのがアルミパンの特徴。水分を高温で蒸発させることで魚がふっくらと蒸し上がるようだ。
300gのパスタも余裕で調理できるから、アクアパッツァの残り汁を使ったパスタやリゾットはパーティの〆にもってこいなのだ。
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お助けスプーン

長らく購入を悩んでいたのがばからしい。こんな便利なスプーンはない。煮汁を魚にかけるときだって、魚を取り分けるときだって、ちょっとした炒め物のときだって、作業効率が断然あがる。